動画概要
正当防衛の境界線とは?
正当防衛という概念はよく聞きますが、その成立条件は意外と知られていません。動画では、殴り返す行為が正当防衛として認められるかどうかについて詳しく解説しています。
正当防衛の基本的な定義
正当防衛は、急迫不正の侵害に対してやむを得ず自己または他人の権利を守るために行われた行為を指します。刑法36条2項に基づき、急迫不正の侵害に対するやむを得ない防衛行為であれば、罰せられることはありません。しかし、その適用にはいくつかの重要な要件が存在します。
正当防衛成立のための5つの要件
正当防衛が成立するためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
- 急迫性:相手の攻撃が現在進行中であり、直ちに対応しなければならない状況であること。
- 不正性:相手の行為が違法であり、権利を侵害していること。
- 防衛意思:自分や他人を守るために行為を行っていること。
- 必要性:他に回避手段がなく、防衛行為が唯一の選択肢であること。
- 相当性:反撃が必要最小限であり、過剰ではないこと。
1. 急迫性
急迫性とは、相手の攻撃が現に行われているか、差し迫っている状況を指します。相手を挑発して攻撃させようとする場合、その急迫性は認められません。つまり、攻撃が現実に行われていない状態での反撃は正当防衛にはなりません。
2. 不正性
不正性は、相手の行為が違法であり、権利を侵害していることが必要です。たとえば、相手がつまずいて偶然拳が当たった場合、それは違法な攻撃とはみなされません。このような場合、正当防衛の成立は難しくなります。
3. 防衛意思
正当防衛が成立するためには、防衛意思が必要です。つまり、自分または他人の権利を守るために行為を行っているかどうかが問われます。計画的に相手を挑発し、殴り返すつもりであれば、その行為は防衛意思とは言えず、正当防衛は成立しません。
4. 防衛行為の必要性
防衛行為が必要であるかどうかも重要な要素です。正当防衛が認められるためには、その行為が唯一の選択肢であり、他に逃げるなどの手段がない場合に限られます。逃げることができる状況で攻撃を選んだ場合、正当防衛とはみなされません。
5. 防衛行為の相当性
最後に、反撃行為が相手の攻撃に対して過剰でないこと、つまり相当性が求められます。相手からの攻撃が軽度であるにもかかわらず、過度な反撃を行った場合、それは過剰防衛とみなされ、正当防衛としては認められません。
緊急避難との違い
緊急避難は、正当防衛とは異なり、攻撃に限らず、自分や他人の権利を守るためにやむを得ず行われた行為です。例えば、自然災害や事故などの際に、自分や他人の命を守るために行動する場合、緊急避難が適用されます。緊急避難が成立する場合、違法性は問われません。
過剰防衛について
正当防衛が成立しない場合でも、過剰防衛が適用されることがあります。過剰防衛とは、相手の攻撃に対して必要以上の反撃を行った場合に成立します。刑法36条では、防衛の程度を超えた行為は、情状によりその刑を減軽し、または免除することができると規定されています。しかし、過剰防衛は依然として犯罪とされ、正当防衛とは異なります。
実際の正当防衛事例
動画では、実際に正当防衛が成立した具体的な事例も紹介されています。ある事件では、車に対して攻撃を加えた被害者に対し、運転手がやむを得ず反撃し、被害者を負傷させてしまいました。この事例では、被害者の攻撃が非常に危険であったため、運転手の行為は正当防衛として認められました。このようなケースでは、相手の攻撃が命に関わる危険なものであることが正当防衛成立の鍵となります。
正当防衛の難しさ
正当防衛は成立させることが非常に難しい概念です。たとえ正当防衛が認められたとしても、実際に裁判にかけられたり、逮捕されたりする可能性があります。また、正当防衛が成立するまでの過程で、社会的な影響や仕事への影響も大きいため、計画的に正当防衛を狙う行為は避けるべきです。
まとめ
正当防衛が成立するためには、5つの要件をすべて満たす必要があります。しかし、成立するのは非常に難しく、過剰防衛として罪に問われることもあります。相手を挑発して殴り返すような行為は、法律の趣旨に反するものであり、正当防衛として認められることはありません。最善策は、危険な状況を避け、冷静に対処することです。
動画テキスト
キャラクター | セリフ |
ゆっくり霊夢 | ああああああああああ |
ゆっくり霊夢 | むしゃくしゃする。 |
ゆっくり霊夢 | あいつを殴りたい。1発でいいから殴りたい。 |
ゆっくり魔理沙 | どうした霊夢? |
ゆっくり魔理沙 | すごく荒れているようだが。 |
ゆっくり霊夢 | どうにもこうにもバイトの先輩が腹立つやつで |
ゆっくり霊夢 | どうにかして1発殴ってやりたいのよ。 |
ゆっくり霊夢 | でも、いきなり殴ったらつかまっちゃうしなあ。 |
ゆっくり霊夢 | そうだ。ひらめいた。 |
ゆっくり霊夢 | ちょっと挑発してあいつを殴りかからせれば |
ゆっくり霊夢 | なぐり返しても合法じゃない。 |
ゆっくり霊夢 | なんて私は賢いんだろう。 |
ゆっくり魔理沙 | あのなあ霊夢。 |
ゆっくり魔理沙 | たぶんそれでは正当防衛にならないぜ。 |
ゆっくり霊夢 | なんでよ。 |
ゆっくり霊夢 | 先に相手が手を出してから殴り返すんだから |
ゆっくり霊夢 | 正当な防衛でしょ? |
ゆっくり魔理沙 | それってあなたの感想ですよね? |
ゆっくり霊夢 | なんだよ魔理沙。 |
ゆっくり霊夢 | 前回のこと根にもってるの? |
ゆっくり魔理沙 | そんなことない、と言ったら嘘になるけど。 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢の言っていることが正当防衛になるかどうかは |
ゆっくり魔理沙 | 本当に霊夢の感想でしかないだろ? |
ゆっくり霊夢 | そんなことない。 |
ゆっくり霊夢 | 自分を守るために殴り返すんだから正当よ。 |
ゆっくり魔理沙 | 相手が先に手をだしたらなんでもかんでも
正当防衛になるわけじゃないんだぜ。 |
ゆっくり霊夢 | じゃあどうやったら正当防衛になるか教えなさいよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 正当防衛ってわざと成立させるようなものではない
んだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢がバカなことやって犯罪者にならないように、
今回は正当防衛について解説するな。 |
ゆっくり魔理沙 | 正当防衛については、刑法36条にこう規定されている。 |
ゆっくり魔理沙 | 『急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛
するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。』 |
ゆっくり霊夢 | 言い方は難しいけど、
思った以上にシンプルだね。 |
ゆっくり霊夢 | 私が読む限りだと、私の計画は
正当防衛になっても不思議ではないと思うけど。 |
ゆっくり魔理沙 | 本当にそう? |
ゆっくり魔理沙 | じゃあ、どのへんが急迫不正の侵害? |
ゆっくり魔理沙 | 1発殴るのはやむを得ずした行為? |
ゆっくり霊夢 | そういわれると、よくわからないなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | 法律はいろんな場面に対応できるように
あえてあいまいな言い方をしていたりするんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、霊夢のやろうとしている行為が正当防衛
にあてはまるかどうか、 |
ゆっくり魔理沙 | どんな攻撃が『急迫不正の侵害』なのか? |
ゆっくり魔理沙 | 『やむを得ずした行為』とはどんな行為なのか? |
ゆっくり魔理沙 | みたいに、条文を具体的に考えていく必要があるんだ。 |
ゆっくり霊夢 | ややこしいな。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、こうやって考えていくのを『法律を解釈』する
なんて言ったりするぜ。 |
ゆっくり霊夢 | ふーん。 |
ゆっくり魔理沙 | 先に結論だけど
正当防衛の成立に必要な要件を伝えると |
ゆっくり魔理沙 | ①侵害が急迫であるか。 |
ゆっくり魔理沙 | ②侵害が不正であるか。 |
ゆっくり魔理沙 | ③権利防衛の意思があるか。 |
ゆっくり魔理沙 | ④防衛行為の必要性があるか。 |
ゆっくり魔理沙 | ⑤防衛行為の相当性があるか。 |
ゆっくり魔理沙 | の5つがあるとされているんだ。 |
ゆっくり霊夢 | ますますややこしいな。 |
ゆっくり魔理沙 | まあまあ。
これから1つずつ教えていくから。 |
ゆっくり霊夢 | まあ聞くよ。 |
ゆっくり魔理沙 | まず、①侵害が急迫であるかについてだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | これは条文にもある『急迫』とは何かってことを
考えていくわけだ。 |
ゆっくり霊夢 | ふむふむ。 |
ゆっくり魔理沙 | これはもう判例で定義されていて、 |
ゆっくり魔理沙 | 『法益の侵害が現に存在しているか、
又は間近に差し迫っていること』とされている。 |
ゆっくり霊夢 | 判例? |
ゆっくり魔理沙 | 過去の裁判で伝えられた内容のことだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 裁判での法律の解釈は、過去の判例に従うことが
多いんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 特に、最高裁判所の判例は影響力が大きいぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | 『急迫』の定義も最高裁判所の判例で出たものだ。 |
ゆっくり霊夢 | そうなのね。でも、まだ言葉が難しいな。 |
ゆっくり魔理沙 | まあざっくりと相手の攻撃が『現在進行形かどうか』
で考えたらいい。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、相手が殴り終わって立ち去ろうとするときに
こちらが殴ってしまっては、急迫性があるとはいえない。 |
ゆっくり魔理沙 | かといって、相手が殴ってきそうだからって先に手を出す
のも、基本アウト。 |
ゆっくり霊夢 | なるほどね。 |
ゆっくり霊夢 | 私の計画は、この部分はクリアしてるかな。 |
ゆっくり魔理沙 | ま、まあ、そうかな。 |
ゆっくり魔理沙 | 次、②侵害が不正であるか、だな。 |
ゆっくり魔理沙 | これは相手の行為が違法性のある
権利侵害行為かってことだな。 |
ゆっくり霊夢 | 権利侵害って、どんな権利があるの? |
ゆっくり魔理沙 | 命とか、身体とか、財産とかだな。 |
ゆっくり霊夢 | じゃあ身を守るためならオッケーだね。 |
ゆっくり霊夢 | もう一つ疑問なんだけど、
違法性のない攻撃ってあるの? |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、相手がつまづいて、たまたまこぶしがこちらに
飛んできた場合なんかは違法性はないかもな。 |
ゆっくり霊夢 | じゃあその場合は正当防衛は成立しないの? |
ゆっくり魔理沙 | ああ。そのかわり、緊急避難というものがある。 |
ゆっくり魔理沙 | これは攻撃に限らず、権利を守るためにやむをえずした
ことは罰しないってものだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 緊急事態の場合は権利侵害が不正かどうか
なんて判断している余裕はないはずだし、 |
ゆっくり魔理沙 | 緊急避難があるので、
そこまで気にしなくてもいいかも |
ゆっくり霊夢 | ふーん。まあいいや。 |
ゆっくり霊夢 | 先輩が殴りかかってくる分には
違法性はあるだろうしね。 |
ゆっくり魔理沙 | まあそれはそうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 正当防衛の話に戻って、次の要件は、 |
ゆっくり魔理沙 | ③権利防衛の意思があるか。だな。 |
ゆっくり魔理沙 | 条文に『防衛するため』とあることから、守ろうとする
目的をもって行為しないと |
ゆっくり魔理沙 | 正当防衛じゃないってことだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢の先輩を殴る計画は、ここが
大きな問題になるだろうな。 |
ゆっくり魔理沙 | そもそも殴る計画をしている時点で
『防衛するため』じゃないからな。 |
ゆっくり霊夢 | でも、実際に殴られそうになったら、身を守ろうとする
気持ちも出てくるはずだよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 確かに、判例としても、防衛の意思と攻撃の意思が
混ざっていてもいいとしている。 |
ゆっくり霊夢 | ほらね。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、相手に対して積極的に攻撃をする意思だった場合は
正当防衛の成立を否定している判例があるんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | まあこの判例は防衛の意思がない、ではなくて、
急迫性がないという風にしたんだけどな。 |
ゆっくり霊夢 | なんでよ?現在進行形の攻撃だよ? |
ゆっくり魔理沙 | まあそうなんだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 正当防衛って、そもそも警察とかでも間に合わない
緊急事態のときに、 |
ゆっくり魔理沙 | そのまま黙ってやられろってわけにもいかないから、 |
ゆっくり魔理沙 | 一般人でも例外的に権利を守るために
法律違反しても罰しないよ。 |
ゆっくり魔理沙 | という趣旨で定められたものだ。 |
ゆっくり魔理沙 | その趣旨で考えると、自分で挑発したら相手が
殴りかかってくるかもしれないのは予測できるし、 |
ゆっくり魔理沙 | 積極的に攻撃しようとするのは
正当防衛の趣旨に反するから |
ゆっくり魔理沙 | 急迫性に欠けるとしたんだろうな。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ個人的には防衛の意思がないって
したほうがわかりやすいとは思うけど。 |
ゆっくり魔理沙 | それはともかく |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢の計画は、先輩が殴ってきた機会を利用して
積極的に殴り返そうとしているから |
ゆっくり魔理沙 | 急迫性が否定されて、
正当防衛は成立しないと思うぜ。 |
ゆっくり霊夢 | つまり、私の計画では正当防衛が成立しないってこと? |
ゆっくり魔理沙 | そういうことだ。実際は裁判になってみないと
わからないけど、かなり厳しいだろうな。 |
ゆっくり霊夢 | なあんだ。がっかり。 |
ゆっくり魔理沙 | 法律には必ず目的があるんだから、その目的に反する
使い方をしてくるなら、 |
ゆっくり魔理沙 | 裁判所だってなんとかしてそんな使い方をさせないように
してくるさ。 |
ゆっくり霊夢 | やっぱり悪いことはできないね。 |
ゆっくり魔理沙 | 悪いっていう自覚はあったのか。 |
ゆっくり魔理沙 | 法律はあくまで道具だ。 |
ゆっくり霊夢 | 道具? |
ゆっくり魔理沙 | そう。 |
ゆっくり魔理沙 | この被告人にはこれくらいの罰を与えたほうがいい。 |
ゆっくり魔理沙 | みたいな結論があって、その結論に近くなるように法律
は解釈されたり、適用されたりする。 |
ゆっくり魔理沙 | 絶対とはいいきれないけど、法律の解釈は基本的に
結論ありきで考えていくぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、法律は結論を導くための
道具みたいなものってことだ。 |
ゆっくり霊夢 | 私の計画みたいなのは
許されるべきではないってことだね。 |
ゆっくり魔理沙 | もちろん、解釈にも限界があったりするから、
そういうときは、 |
ゆっくり魔理沙 | 国会が新たに法律を制定したり、削除したり、修正したり
するのにゆだねることになるけどな。 |
ゆっくり魔理沙 | 三権分立で司法権と立法権
は分けられているって習っただろ? |
ゆっくり霊夢 | そういえばそんなこと聞いた記憶がうっすらあるよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 本当にわかってるのかなあ? |
ゆっくり魔理沙 | まあここらで話を戻して、正当防衛の次の要件 |
ゆっくり魔理沙 | ④防衛行為の必要性があるか。の話をしよう。 |
ゆっくり霊夢 | そういえばまだ要件3つしか聞いてなかったね。 |
ゆっくり魔理沙 | 防衛行為の必要性は、条文の
『やむを得ずした行為』から導かれる要件だ。 |
ゆっくり霊夢 | やむを得ずって、『仕方なしに』ってことだから、 |
ゆっくり霊夢 | それ以外にやりようがなかった。ってことだよね? |
ゆっくり魔理沙 | 言葉通りだとそういうことなんだが、 |
ゆっくり魔理沙 | 判例では、防衛行為が侵害排除・回避のための
『唯一の手段』である必要はないとしている。 |
ゆっくり霊夢 | ちょっとゆるめなんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢の計画では、もし走って逃げれば回避だったら
わざわざ殴りかかるのが必要かは問題になるな。 |
ゆっくり霊夢 | 私の計画は『防衛行為の必要性』
でも微妙なところなんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだ。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、積極的に殴ろうとするなら、
防衛の意思がないともいえる。 |
ゆっくり魔理沙 | 防衛行為の必要性は防衛の意思の話とちょっと
かぶってくる部分があるな。 |
ゆっくり霊夢 | ゆるいようでやっぱり厳しい。 |
ゆっくり魔理沙 | おまえはそもそも先輩なぐりたいだけだろ。 |
ゆっくり魔理沙 | 次が最後の要件、
⑤防衛行為の相当性があるか。についてだな。 |
ゆっくり魔理沙 | これも『やむを得ずした行為』から導かれる。 |
ゆっくり霊夢 | 『仕方なしにする行為』だから、必要最小限の反撃しか
許さないよってことだよね? |
ゆっくり魔理沙 | お、わかってきたじゃないか。 |
ゆっくり魔理沙 | 相当性が必要なことは、
判例でも述べられているぜ。 |
ゆっくり霊夢 | でも、これはどうやって判断するの? |
ゆっくり魔理沙 | 正直、ここはめちゃくちゃ問題になる難しいところだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 判例も同じレベルの攻撃、 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば相手がナイフで攻撃してきたからナイフで
反撃するのを単純に相当性があるとしていないしな。 |
ゆっくり魔理沙 | むしろ、徒歩で襲ってくる人に対して
車でひいた場合でも |
ゆっくり魔理沙 | 防衛行為の相当性が認められ
正当防衛が成立した判例があるくらいなんだ。 |
ゆっくり霊夢 | そうなの? |
ゆっくり魔理沙 | この事件では、前提としてクラクションを鳴らした
被告人の車に対して |
ゆっくり魔理沙 | 怒った被害者が怒鳴りながら
しつこく追いかけてきて |
ゆっくり魔理沙 | 運転席の窓ガラスを叩く
運転席のドアノブ付近をつかんで併走する |
ゆっくり魔理沙 | 路上にあった自転車をなげつけてこようとする
ような状況があった。 |
ゆっくり霊夢 | 何それ怖い。 |
ゆっくり魔理沙 | で、かなりざっくりの経緯になるんだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 一旦被害者とは離れたものの、
再び追いかけてくるわ |
ゆっくり魔理沙 | 赤信号になったから止まらないといけないわ |
ゆっくり魔理沙 | で、追いつかれると思ったんだろうな、
青信号になって発進して加速し、 |
ゆっくり魔理沙 | そのとき、追いついてドアノブをつかんで併走していた
被害者を転倒させたうえに、ひいてしまったんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 被害者は病院に運ばれたけど死亡した。 |
ゆっくり霊夢 | 現実でこういうことってあるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | それで、傷害致死や自動車運転過失致死
の成否が問題になった。 |
ゆっくり霊夢 | これは正当防衛成立してほしい。 |
ゆっくり魔理沙 | 成立した事例話してるんだから
正当防衛は成立してるぜ。 |
ゆっくり霊夢 | よかった。 |
ゆっくり魔理沙 | この事件における防衛行為の相当性について |
ゆっくり魔理沙 | 被害者の尋常じゃない攻撃は、車内にいた被告人らに
生命身体に恐怖を感じる危険なものだったこと |
ゆっくり魔理沙 | また、青信号で発進した際に、被害者が近くでいた
という認識がなかったであろうこと |
ゆっくり魔理沙 | 被害者が自ら危険な状況を作り出した
といえることなどから |
ゆっくり魔理沙 | やむを得ず身を守るためにしたものとして相当だ
と考えられる範囲を超えていたと認められないとした。 |
ゆっくり霊夢 | 相当性ってなんかいろんなこと考えて
判断されるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 判例においては、相当性はいろんな要素を考えて
比較しているみたいだから、 |
ゆっくり魔理沙 | 明確な基準はわからないんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 正当防衛になるような状況では、緊急事態で
冷静に自分の行為を判断できる状況ではないだろうし、 |
ゆっくり魔理沙 | 加害者や防衛者になる人も老若男女様々だろうし、 |
ゆっくり魔理沙 | 武器があるかないか、地理的な問題などなど、 |
ゆっくり魔理沙 | 事件ごとにいろいろ考えながら判断していくしかなく、
基準が出しにくいんだろうな。 |
ゆっくり霊夢 | 正当防衛を狙って成立させるなんて
とてもできそうじゃないね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだ。基本的に正当防衛なんて
あてにしないほうがいい。 |
ゆっくり魔理沙 | 『とにかく危険から逃げること』
を第一に行動してれば |
ゆっくり魔理沙 | 正当防衛が助けてくれることがあると
考えるくらいでちょうどいいと思う。 |
ゆっくり霊夢 | 私の計画なんてダメダメなんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | だから計画的に正当防衛しようなんてしてる時点で
ダメダメだってば。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、たとえ裁判で正当防衛が認められるとしても、 |
ゆっくり魔理沙 | 一見すれば犯罪行為をしているんだから、ほとんどが
逮捕されるだろうし、裁判だって時間がかかる。 |
ゆっくり魔理沙 | 逮捕されれば、仕事を解雇になっても不思議じゃないし、 |
ゆっくり魔理沙 | 罪にならないだけで、
いろいろボロボロになってしまうと思うぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 正当防衛が出てくるような状況になんて
ならないほうがいいんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そう。平和が一番。 |
ゆっくり魔理沙 | さっきのクラクションから
突然襲われたとかなら仕方ないが、 |
ゆっくり魔理沙 | 自分から危険な状況に踏み込もうとするのは
褒められたものではないな。 |
ゆっくり霊夢 | なるほどね。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、正当防衛の要件のうち、
相当性だけ足りないようなら、 |
ゆっくり魔理沙 | 過剰防衛になるぜ。 |
ゆっくり霊夢 | やりすぎボーエー |
ゆっくり魔理沙 | どした? |
ゆっくり魔理沙 | 刑法36条2項に |
ゆっくり魔理沙 | 『防衛の程度を超えた行為は、情状により、
その刑を減軽し、又は免除することができる。』 |
ゆっくり魔理沙 | とある。これが過剰防衛だ。 |
ゆっくり霊夢 | 過剰防衛になったらどうなるの? |
ゆっくり魔理沙 | 状況により、刑を減らしたり免除してもらえる。 |
ゆっくり霊夢 | 免除って刑がなくなるってことでしょ? |
ゆっくり霊夢 | 正当防衛と何が違うの? |
ゆっくり魔理沙 | 正当防衛は『罰しない。』 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、成立すれば
反撃行為が『犯罪ではなくなる』のに対し、 |
ゆっくり魔理沙 | 過剰防衛は『その刑を減軽し、
又は免除することができる。』なので、 |
ゆっくり魔理沙 | 『犯罪にはなる』んだ。 |
ゆっくり霊夢 | 犯罪になるかどうかは大きな違いだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだ。 |
ゆっくり魔理沙 | あと、過剰防衛だからといって、刑が必ず減るってわけ
じゃないぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | 『することができる』っていう言い方をしているからな。 |
ゆっくり魔理沙 | どうなるかは裁判での判断次第だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 正当防衛の話はこんなところだな。 |
ゆっくり魔理沙 | もう計画を実行する気もなくなっただろ? |
ゆっくり霊夢 | うん。 |
ゆっくり霊夢 | でも、イライラは収まらないから、
合法的に人が殴れるように |
ゆっくり霊夢 | 格闘技はじめるよ。 |
ゆっくり魔理沙 | そうか。頑張ってな。 |
ゆっくり霊夢 | 殴るどころかボコボコにやられて余計イライラするよ。 |
ゆっくり霊夢 | あいつら違法だ。犯罪者だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 格闘技は正当行為だから罪じゃないぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | そのおかげでお前も合法的に
殴れるわけだろ。 |
ゆっくり霊夢 | 最後までご視聴ありがとうございました。 |
ゆっくり魔理沙 | それではまた次回! |
ゆっくり霊夢 | それではまた次回! |
編集後記
個人的には結構気に入っている動画。
一般で出回っている人気の動画は、法律に関してはまり深堀はしないが、この動画では、法律が、どのように考えられていくのかを知ってもらえるような内容になっていると思う。
ただ、それは反面見る人を限ってしまうという諸刃の剣でもある。
一般受けするのは、言い方は良くないかもしれないが、
ややこしい話を省いたシンプルな動画。
結果だけをおもしろおかしく伝える動画が多い印象。
法律の適用というのは、これだから有罪、あれだから無罪とバッツリ分けられるものではなく、いろんな事情を踏まえて判断されていくもの。
危険回避のためには、「自分で考える」ということが不可欠になってくるので、そういった考えるきっかけを与えられるような動画づくりをしていきたいとは理想として思っている。
ただ、ややこしすぎると見る気がなくなるのも事実なので、そのバランスにいつも悩まされているし、これからも悩み続けると思う。
サムネイルも、基本的なデザインの構成はほぼ変わっていないものの、どう伝えたら興味を持ってもらえるかに頭を悩ました記憶がある。
反応としては、2枚目に変える段階で大きく改善され、その後は横ばいといったところ。
背景は真っ暗よりは、多少何かつけたほうがいいのかなと思って変更してます。
収益化がはじまって、初めて収益化制限がかかってた動画でもあります。
「殴る」というのがいけなかったのでしょうか。
ただ、人の目による審査を受けると、すぐに制限は解除されました。