動画概要
はじめに:今なぜ“憲法”なのか?
- 日本社会の「生きづらさ」を背景に、憲法という国の根本ルールに立ち返る重要性
- 毎日のように報道される“税金の重圧”“所得格差”“戦争の不安”“外国人による事件”という社会問題に直面し、漠然とした不安にとらわれる現代日本
- そういった不安の根底にあるのは、国のルール、つまり憲法がある。憲法を理解=社会を理解する第一歩になる
- それゆえ、憲法には無関心ではいられず、特定政党(自民党)が公表した憲法改正草案(2012年案)についても無視できない
- 政治関心や選挙直前(2025年夏に参院選、場合によっては衆参ダブル選挙)というタイミングで、憲法を学ぶ意義はより高まっている
憲法の成り立ちと“押し付け”論争
第二次世界大戦とポツダム宣言
1945年8月14日、日本はポツダム宣言を受諾し無条件降伏。その後、昭和天皇を主とする旧憲法(大日本帝国憲法)からの転換が求められるようになる。
GHQによる憲法改正の経緯
- 1946年2月、日本政府側による憲法改正試案(宮沢俊義案/甲案)が提示されたが、依然として天皇中心の色が強く、GHQに却下される
- 同年2月、マッカーサーの三原則(戦争放棄)を背景に、GHQは独自案を準備。この「総司令部案」を基に、3月2日案、3月6日の要綱案へと進展
- 日本政府はこの案を翻訳しつつ、日本語で調整する構成を採用。天皇の位置づけや表現を多少残しつつ、国民主権や戦争放棄の本質は維持
- 1946年6月20日、帝国憲法改正案を国会に提出 → 衆議院・貴族院で修正可決 → 1946年11月3日公布 → 1947年5月3日施行(憲法記念日)
「押し付け憲法」か?GHQが関わったから無効?
憲法改正は、形式的には帝国憲法73条に基づく手続きを経ており、日本の議会や政治の仕組みの中で成立している。そのため「押しつけられただけ」という主張は、手続き上の正当性を軽視するもの。
- 極東委員会は公布前の1946年10月17日、国民に再検討の機会を与えるよう要請
- マッカーサーも1947年1月3日、吉田首相あてに憲法改正検討の書簡を送っているが、吉田首相は改正の意志を示さず
- 1947年当時の世論調査では、象徴天皇制や戦争放棄といった基本理念に、多くの人々が賛成していた
現行憲法:前文に込められた4つのメッセージ
第一段落:国民主権・過去の反省
「主権は国民に存する」という明確な宣言。「再び戦争の惨禍が起こることのないように」と政府の行為を振り返る反省も盛られている。
第二段落:平和への理想
世界の人々が「恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」を確認。戦争を他国への不信ではなく信頼へと転換しようという強い意思が表れている。
第三段落:他国との信義と道徳
政治・道徳の法則、すなわち約束・人権・話し合いによる解決など、紳士的な国家間関係を目指す姿勢が示される。
第四段落:理想への誓い
これらを「国家の名誉にかけて」実現することを誓う。すべての条文解釈にも影響を与える前文の重み。
自民党憲法改正草案(2012年案)の前文は何が違う?
第1段落:天皇・歴史・文化が先に来る構成
- 現行憲法よりも優先して「長い歴史」「固有の文化」「天皇戴く国家」を強調
- 「国民主権」は“国民の”という記述ではなく「国民主権の下」と軽く流される形
- 国ではなく「国家」が主役として描かれ、国民よりも国家の存在が強調される印象
第2段落:戦後反省が薄い・“戦争”が限定的
- 「先の大戦を乗り越え〜」という書き方のみで、戦争全体への反省が薄い
- 「政府の行為で反省」ではなく、国家の“繁栄”“地位”を祝福するような文脈に偏っている
第3段落:人権尊重も“国民”主体、国家の責任が曖昧
- 「日本国民が基本的人権を尊重する」という構造のため、国家が人権を保障する主体となっていない
- 国ではなく国民に責任があるかのような表現→国家責任を逸脱するニュアンスあり
第4段落:自由と規律の強調—国家の成長が目的?
- 「国家の成長」が目的として述べられ、「自由と規律を重んじる必要がある」と記載
- 「自由には規律が伴う」前提が前文段階で示されており、国家による制限の方向性が見える
第5段落:国にとって“子孫への継承”が主目的?
- 「良き伝統」と「国家」を子孫に伝えることを憲法制定の目的とする文脈
- 現行憲法の「われらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保」という表現と対照的に、「国」中心の価値観が強調
憲法改正草案の背景にある“意図”を推察する
天皇を中心とした歴史・文化の回帰?
- 「長い歴史」「固有の文化」「天皇を戴く国家」というキーワードに、自民党案が天皇尊重思想の再強化を意図している可能性がある
- 1500年以上の歴史があり、万世一系を保持するなど、日本独自の国家観が再定義されようとしている
“政治家の自由”を重視する国家構造?
- 天皇中心の政治構造では内閣が国会民意に縛られず自由に動けるという側面がある
- 国家が主役であれば、民主主義的統制よりも政治家や国家機関の裁量が優先されやすくなる可能性
“国家の成長”に合わせて市民の自由を制限する構図
- 自由には“規律”が付きものとされ、国家としての秩序や統制を正当化する思想傾向が見える
- 国家の成長のために国民が従う、という姿勢が前文からも匂い立つ
日本国憲法の強みと改正草案の問題点
現行憲法の強み
- 国民主権を基盤に、政府をコントロールしようという精神
- 「戦争の放棄」「人類普遍の権利」「他国との信義を重んじる国家像」という理想が明示されている
- 個人の自由や人権を国家が守る責任を担う形
- 誓いと理想を貴ぶ姿勢—「国の名誉にかけて努力する」と表現されている前文の強さ
改正草案の問題点とは?
- 国家や天皇を前面に据えた構成で、国民より国家の方が主役に立つ構造
- 「自由には規律」「国家の成長」というフレーズから、制裁的・統制的な国像が想起される
- 戦争全体への反省が薄く、国家の歴史・文化への自信と誇りが表に出すぎている
- 憲法の本質から離れ、国家や政治家に裁量を集中させようとする方向性が懸念される
結びに:これから私たちが考えるべきこと
押し付け憲法の議論はもう過去の話。重要なのは、今この時点で「どんな国に住みたいか」「どんな憲法がふさわしいか」という問いを私たち自身が立ててみること。
憲法理解のためにやるべきこと
- 現行憲法(前文も含む全条文)を理解する
- 自民党や他政党の改正案を読み比べる
- 改正案の目的や構造的な差異を整理し、自分なりに問い直す
- 選挙や政治参加に備え、今後の議論・参院選・衆参同時選挙に備える
この動画では、「前文」という憲法の“入り口”から丁寧に比較・解説します。今後も条文別に、現行憲法と改正草案の相違点を詳しく取り上げ、必要であれば深掘り動画も制作予定。
まとめ
本動画では、以下の点を丁寧に扱います:
- 日本国憲法がどのような手続きを経て成立したか
- “押し付け”論は手続き的に反証できること
- 前文に込められた理念と、改正草案との対照
- 国民・国家・天皇という位置づけの違い、その背後にある政治構造や思想的意図
- 改正案が私たち国民の自由や国家のあり方にどう影響しそうか
- 今後の選挙や改正議論に向けての視点整理
政治の根幹たる憲法を「自分ごと」として考える時代。まずはこの動画で、前文からしっかりと意識を向けてみませんか?次回以降は各条文ごとに、改正案の狙いと現行憲法の本質をじっくり紐解いていきます。ぜひ見に来てください。
動画テキスト
キャラクター | セリフ |
ゆっくり魔理沙 | よし、いっちょやってみっか。 |
ゆっくり霊夢 | どうしたの突然大声だして。 |
ゆっくり魔理沙 | ちょっとな。 |
ゆっくり魔理沙 | 唐突な話だが、霊夢、最近特に日本という
国は生きづらくないか? |
ゆっくり霊夢 | そりゃしんどいよ。 |
ゆっくり霊夢 | なにかしたら税金がからんできて、 |
ゆっくり霊夢 | なのに給料はあがらない。 |
ゆっくり霊夢 | 逆に生活保護だとお金がもらえる。 |
ゆっくり霊夢 | しかも、私よりも多くもらってるのに
少ないなんて文句言ってる人もいるらしい。 |
ゆっくり霊夢 | 『生きてるだけで罰金』とはうまくいったものよ。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだよな。 |
ゆっくり魔理沙 | まるで国民を苦しめるような取り組みばかり行われて
るように感じるな。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、戦争だっていつ起こるかわかったもんじゃない。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに、『第三次世界大戦がどうのこうの』って
ネットの記事を目にすることもあるよ。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ先のことはわからないが、何年も前から
某国からのミサイルが近くまで飛んできているし、 |
ゆっくり魔理沙 | なんらかの戦争に巻き込まれる可能性も
否定できないよな。 |
ゆっくり霊夢 | そういえば、埼玉の方では、
外国人が暴れまわっているらしいね。 |
ゆっくり魔理沙 | 外国人全員が悪いというわけではもちろんないが、 |
ゆっくり魔理沙 | 最近でいえば、100人以上で病院で暴れ、救急受け入れ
を5時間半停止させたとニュースになってたな。 |
ゆっくり霊夢 | とにかく、ニュースを見れば私が見ても悪いとわかる
ものばかりであふれてる気がする。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだよな。 |
ゆっくり魔理沙 | そこで、今こそ日本国憲法を勉強しなおそう
と思ったんだ。 |
ゆっくり霊夢 | なぜに憲法? |
ゆっくり魔理沙 | それは、憲法が国のルールを決める根っこだからだ。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、勉強する過程で、 |
ゆっくり魔理沙 | 自民党が平成24年、2012年という十数年も前に
作られた憲法改正案というものを見つけてしまってな。 |
ゆっくり魔理沙 | これが実は、読み込むほど、えげつない内容で、
いろんな危険性のある内容だと感じてきてな。 |
ゆっくり魔理沙 | 『危険回避』をうたう当チャンネルで発信しないわけには
いかないと思った次第だ。 |
ゆっくり霊夢 | なんか壮大な話だな。 |
ゆっくり魔理沙 | そう思うかもしれないけどな。 |
ゆっくり魔理沙 | 実は、憲法が改正されていない現状においても、
割と自民党の憲法改正草案の内容に近づくような |
ゆっくり魔理沙 | 社会になってきていると思えなくもないんだぜ。 |
ゆっくり霊夢 | え?なにそれ怖い。 |
ゆっくり魔理沙 | 一応このチャンネルは、現時点で2911人に登録して
もらっているので、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法の解説を発信することで、超微力だけれども、
日本を住みよくする手伝いができると思うんだ。 |
ゆっくり霊夢 | そういうことなら私も頑張るよ。 |
ゆっくり魔理沙 | ということで、 |
ゆっくり魔理沙 | 今回は、憲法全条について、自民党の憲法改正草案も
交えながら解説していきたい。 |
ゆっくり魔理沙 | 内容の量が量なので、詳細な説明を
省く場面もあるかもしれないけど、 |
ゆっくり魔理沙 | リクエストがあれば後に深堀していくつもりなので
許してほしい。 |
ゆっくり魔理沙 | 夏に参院選、もしかしたら衆参ダブルで選挙が
くるかもなので、参考になってくれるといいな。 |
ゆっくり霊夢 | 憲法って103条あるみたいなんだけど。。。 |
ゆっくり霊夢 | 動画作成、選挙に間に合うの? |
ゆっくり魔理沙 | 間に合わなかったら、
そのときはそのときだ。 |
ゆっくり霊夢 | じゃあ前置きはこれくらいにして、もたもたせず
さっさとはじめちゃおうよ。 |
ゆっくり魔理沙 | まず、日本国憲法について話す上で、よく問題になるのが
日本国憲法がアメリカに押し付けられたものではないか |
ゆっくり魔理沙 | ということだ。 |
ゆっくり霊夢 | 押し付けられた?どういうこと? |
ゆっくり魔理沙 | 第二次世界大戦において日本は1945年8月14日に
無条件降伏を迫る宣言であるポツダム宣言を受け入れた。 |
ゆっくり魔理沙 | これで日本は敗戦が確定したわけだな。 |
ゆっくり霊夢 | 昔習ったなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | それまでの日本は天皇を主権とする大日本帝国憲法で
やってきてたんだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | ポツダム宣言の中で『民主主義的傾向の復活強化に
対する一切の障礙を除去すべし』とされていたり、 |
ゆっくり魔理沙 | また、10月11日新任挨拶のために総司令部を訪れた
幣原首相と連合国軍最高司令官マッカーサーの会談で、 |
ゆっくり魔理沙 | 日本側が自主的に憲法改正を進めることを待つという
基本的な考えのもとに、 |
ゆっくり魔理沙 | 『憲法の自由主義化』を示唆し、 |
ゆっくり魔理沙 | 日本の社会組織の改革を求めたんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 要するに、天皇主権はやめなさいよって
言われてたわけだな。 |
ゆっくり霊夢 | でも『自主的に』って言ってるし、
押し付けられたは言い過ぎじゃない? |
ゆっくり魔理沙 | 焦るな焦るな。 |
ゆっくり魔理沙 | そんなこんなで、 |
ゆっくり魔理沙 | 『憲法を変えろ』とは言われてないけど、『変えなきゃ
いけないんだろうなあ』って感じ? |
ゆっくり魔理沙 | かは定かではないけども、 |
ゆっくり魔理沙 | なんだかんだ憲法改正に踏み切ることになった。 |
ゆっくり霊夢 | 逆らえない相手に言われてるわけだし、
しぶしぶって感じなのかなあ? |
ゆっくり霊夢 | 当時、日本としては憲法を変えたくは
なかったのかな? |
ゆっくり魔理沙 | 1946年の2月1日に、宮沢俊義委員の試案
(甲案)が毎日新聞にスクープされた。 |
ゆっくり魔理沙 | その甲案は、国民の権利や自由を保障しようとする
ところはかいま見えるものの、 |
ゆっくり魔理沙 | わりと天皇が強い権限を持っていて、以前の憲法の大枠を
維持したい感じが見え見えだったんだ。 |
ゆっくり霊夢 | それ、怒られるやつじゃ? |
ゆっくり魔理沙 | さすがに、GHQもほっとけなくなったみたいで、
独自に草案作成に踏み切ることになったんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 『思ったんと違う』ってなったらそうなるよね。 |
ゆっくり魔理沙 | GHQ側としては、戦争できないようにしたいという
狙いが大きかったみたいだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 2月3日のマッカーサー三原則には戦争の放棄が
明言されていたんだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 2月8日にGHQに拒否された憲法改正要綱でも、
軍は維持されていたからな。 |
ゆっくり霊夢 | 第二次世界大戦でも、日本は常識では考えられない
攻撃の仕方してたみたいだもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | 私には真似できないぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | で、2月13日に、突然GHQの案が
ポッと出されることになる。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、『この通りにしなくてもいいけど、大枠の部分は
これを使って』と求められた。 |
ゆっくり魔理沙 | 日本側はかなり驚いたみたいだな。 |
ゆっくり霊夢 | 内容が自分たちの考えていたものとは全然違ったから? |
ゆっくり魔理沙 | そりゃこの案は、国民主権を明確にして、戦争の放棄
なんかも盛り込まれていたからな。 |
ゆっくり霊夢 | なんか今の憲法に近づいてきたね。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、『戦争の放棄』は、自国を守る
ための戦争も含めて放棄させるのが、 |
ゆっくり魔理沙 | アメリカ側の本来の狙いだった。 |
ゆっくり霊夢 | え?殴られたら殴られっぱなしになれと? |
ゆっくり魔理沙 | そうだ。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、日本国憲法草案作成の実務責任者だった
チャールズ・ケーディスが、 |
ゆっくり魔理沙 | 『さすがにそれはいくらなんでも』ってことで、
自国の防衛も放棄する部分は削除したそうなんだ。 |
ゆっくり霊夢 | だから今でも自衛隊が存在できるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | この総司令部案を指針として今の憲法が作られて
いることが、『押し付け憲法論』の元になっている。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに、日本が考えていたものとは全然違うものが
突然出てきて指針になったわけだもんね。 |
ゆっくり霊夢 | そのあとはどうなったの? |
ゆっくり魔理沙 | 総司令部案に基づく日本案の作成は、日本語訳して
内容を整理し、三月二日案としてまとめられた。 |
ゆっくり霊夢 | ほとんど総司令部案の通り? |
ゆっくり魔理沙 | 内容は確かにそうだが、表現を変えたりして、できるだけ
日本側の主張を活かそうしている部分はある。 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇はすごい存在、権限があるという感じをちょっとでも
残したかったように見える。 |
ゆっくり霊夢 | そんなにこだわってたの? |
ゆっくり魔理沙 | 今の私らにとっては想像しづらいけど、 |
ゆっくり魔理沙 | それまで天皇主権でやってきたわけだから、簡単には
意識は変わらなかったのかもしれないな。 |
ゆっくり魔理沙 | 結局は総司令部側にダメ出しされるんだけど。 |
ゆっくり霊夢 | 『こいつらなかなかいうこときかねえ』って
思ってたのかな。 |
ゆっくり魔理沙 | そこから、徹夜で交渉が行われ、すべての条項について
合意に至った結果が、 |
ゆっくり魔理沙 | 3月6日に『憲法改正草案要綱』として国民に公表された。 |
ゆっくり霊夢 | これで決まりってわけではなさそうね。 |
ゆっくり魔理沙 | 当然だろ。 |
ゆっくり魔理沙 | 4月10日に婦人参政権が認められた後の初めての
選挙が行われた。 |
ゆっくり魔理沙 | これで、国民の意思が国会に
より濃く反映されることになったわけだな。 |
ゆっくり霊夢 | 単純に考えて選挙する人が倍になったんだもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | その選挙で組織された衆議院に対して、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案要綱を若干修正した
憲法改正草案が |
ゆっくり魔理沙 | 帝国憲法改正案として、6月20日に提出された。 |
ゆっくり霊夢 | 憲法改正案に選挙の意見が
反映されていくう。 |
ゆっくり魔理沙 | そこから、衆議院で修正して可決、 |
ゆっくり魔理沙 | 貴族院で修正して可決、 |
ゆっくり魔理沙 | 衆議院が貴族院の修正に同意ときて、 |
ゆっくり魔理沙 | ついに11月3日に日本国憲法が公布され、
1947年5月3日に施行された。 |
ゆっくり霊夢 | これでついに今の憲法になって5月3日が憲法記念日に
なったのね。 |
ゆっくり魔理沙 | 祝日はすっと出てくるんだから。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、形式上は、大日本帝国憲法73条の改正手続き
を経て制定されている。 |
ゆっくり霊夢 | ふーん? |
ゆっくり霊夢 | で? |
ゆっくり魔理沙 | 日本の中の手続きで改正されてるって
ことが大事なんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | じゃないと、突然日本国憲法が
出現することになって、 |
ゆっくり魔理沙 | 『憲法が押し付けられたからだあ』だって
話になりやすいだろ。 |
ゆっくり魔理沙 | この憲法制定過程において、日本国憲法は有効かどうかと
いう議論があるからだ。 |
ゆっくり霊夢 | え?無効なんてなるの? |
ゆっくり魔理沙 | どうだろ。今更無効なんだからその間の法律は
全部ナシ |
ゆっくり魔理沙 | っていうのは、大混乱になるから、
憲法改正すべきって方向になるのかな。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ当時から、極東委員会の内部では、 |
ゆっくり魔理沙 | 帝国憲法改正案に対する貴族院の回付案に
衆議院が同意したとき |
ゆっくり魔理沙 | この改正手続が日本国民の自由な意思の表明に当たるか
疑う声があったんだ。 |
ゆっくり霊夢 | かなりマッカーサーをはじめGHQの
横やりがはいっているものね。 |
ゆっくり魔理沙 | そこで、極東委員会は、 |
ゆっくり魔理沙 | 新しい憲法が本当に日本国民の自由意思
によってつくられたものであるか確認するため、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法公布直前の10月17日、日本国民に対して、
再検討のチャンスを与えるべきである旨決定した。 |
ゆっくり魔理沙 | この決定は後に国民に向けて公表もされた。 |
ゆっくり霊夢 | ちゃんとそこは考えてくれていたんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | マッカーサーも、1947年1月3日、
吉田首相に対して書簡にて、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法施行後1、2年以内の憲法改正の検討を提案し、 |
ゆっくり魔理沙 | 国民投票してもいいよとも伝えていたんだ。 |
ゆっくり霊夢 | でも、改正したなんて話聞いたことないよね。 |
ゆっくり魔理沙 | というのも、吉田首相は
後に憲法改正の意思がないことを表明してるし、 |
ゆっくり魔理沙 | 国民からしてみても、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案が出された直後のものではあるが、 |
ゆっくり魔理沙 | 毎日新聞によるアンケートで、 |
ゆっくり魔理沙 | 象徴天皇制や戦争の放棄といった
新しい憲法案が提示している内容に |
ゆっくり魔理沙 | 賛成する意見が多数だった。 |
ゆっくり霊夢 | なんだかんだ日本国民も
気に入ってたんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | 日本国憲法のおかげで、私たちも
割と自由に生きてこれてるわけだしな。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、素人的な意見になるが、
押し付けかどうかという過去にこだわるよりも、 |
ゆっくり魔理沙 | これから日本をよりよい未来にしていくために、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正は必要なのか、 |
ゆっくり魔理沙 | 必要ならばどのような内容にするのか、 |
ゆっくり魔理沙 | 考え、議論していくほうが大事だと思うぜ。 |
ゆっくり霊夢 | そのためにも、憲法の理解を深めることは
大事ってわけね。 |
ゆっくり魔理沙 | そういうこと。 |
ゆっくり魔理沙 | さて、日本国憲法の制定の経緯についてお伝えしたところ
で、いよいよ憲法の中身の話に入っていこうか。 |
ゆっくり霊夢 | 前説みたいなノリで言ってるけど、ここまででたぶん
1本の動画作れるボリュームだったよ。 |
ゆっくり魔理沙 | もう今回の半分はきてるはずだから頑張って。 |
ゆっくり魔理沙 | まず、日本国憲法に条文に入る前に、基本原理や理想を
宣言する役割がある『前文』と呼ばれる部分がある。 |
ゆっくり霊夢 | 1条まで遠いなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | 前文は、三月二日案で省略されたり、総司令部との交渉
で復活したりするほど、重要な部分になっている。 |
ゆっくり魔理沙 | 前文が憲法の一部を構成しているということは、
法律の制定や解釈の根拠になりうるということだしな。 |
ゆっくり魔理沙 | ということで見てみよう。 |
ゆっくり魔理沙 | はい。 |
ゆっくり霊夢 | こんな長いの? |
ゆっくり魔理沙 | 前文は4つの段落に分かれているので、
分けてみていこう。 |
ゆっくり魔理沙 | 第1段では、憲法を定めた目的と
基本原理について書かれている。 |
ゆっくり霊夢 | 国民が中心でやってくよっていうのが、私でもわかるね。 |
ゆっくり魔理沙 | 『主権が国民に存する』ってはっきりと
書かれているしな。 |
ゆっくり魔理沙 | 第1段が示す原理は国民主権であり、それこそが
『人類普遍の原理』であると言っているわけだ。 |
ゆっくり霊夢 | 前の憲法のときは天皇主権で失敗したんだものね。 |
ゆっくり魔理沙 | ああ。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、天皇は憲法で最高の権力者とされていたが、
実際の政治は政府が動かしていた。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、前文では戦争が政府の行為によって
引き起こされたと明記されている。 |
ゆっくり霊夢 | 『再び』ってことは以前もあったって
ことだもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | そして最後に『人類普遍の原理』である国民主権に
『反する一切の憲法、法令、及び詔勅を排除する』 |
ゆっくり魔理沙 | として、国民主権に反するものを
絶対許さないという姿勢を出している。 |
ゆっくり魔理沙 | 続いて第2段。 |
ゆっくり魔理沙 | 第2段では、平和への理想と決意について
書かれている。 |
ゆっくり霊夢 | なんか言い方が難しくて、
私にわかったのは、 |
ゆっくり霊夢 | 全世界の人が『平和のうちに生存する
権利』があるというところだけだよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 確かに難しいかもな。 |
ゆっくり魔理沙 | 私なりにちょっと砕けた言い方にして
補足を加えてみようと思う。 |
ゆっくり魔理沙 | それがこちら。 |
ゆっくり霊夢 | なるほど、最初の1文は世界の人のことを信頼
することで、平和にやっていく、 |
ゆっくり霊夢 | つまり、戦争をしないことを
決意したってことなんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そういう理解が自然と私は思う。 |
ゆっくり霊夢 | そして、自由で平和で差別のない国になって、
世界の見本になれるようにしたいと考えてるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうなることで、世界を引っ張って平和に変えていく、
そういう理想があるように、うっすら読める気がするな。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、全世界の人がみんな同じく恐怖と欠乏から逃れ、
平和に生きる権利がある、と。 |
ゆっくり霊夢 | 今の世の中見てるとちょっと難しいかもだけど、
理想的には平和のない世の中がいいよね。 |
ゆっくり魔理沙 | 続いて第3弾。 |
ゆっくり魔理沙 | 第3段では他国との関係について
述べられている。 |
ゆっくり霊夢 | 自分の国のことばっかりになるんじゃなくて、
他の国のことも考えましょうってことね。 |
ゆっくり霊夢 | この『政治道徳の法則』って
なんだろう? |
ゆっくり魔理沙 | 具体的な中身については言われてないし、
明確にはわからないけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 戦争をしないこと、他の国をいじめないこと、
話し合いで解決すること、 |
ゆっくり魔理沙 | 人権を大事にすること、した約束を守ること、
みたいな、 |
ゆっくり魔理沙 | ざっくりいうと『良い国』なら
やっていそうなこと、を言っているのだと思う。 |
ゆっくり霊夢 | 真面目で誠実な紳士のイメージが
そのまま国になった感じね。 |
ゆっくり魔理沙 | どの国も紳士のようにふるまってくれれば、
戦争やもめごとも起こりようないしな。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、どの国も仲良くやっていくために紳士な
対応をするのは各国の責任と信じているわけだ。 |
ゆっくり霊夢 | そんな未来がくるといいけど。 |
ゆっくり魔理沙 | 最後の第4段は、ここまでの前文で述べてきた理想と
目的を達成することを誓う文言となっている。 |
ゆっくり魔理沙 | かかげている理想や目的は、もちろん簡単には
達成できるものばかりではないけれど、 |
ゆっくり魔理沙 | 全力をあげて達成していこうと国家の名誉にかけて
努力することを誓っているわけだ。 |
ゆっくり魔理沙 | とまあ、前文については、こんなところで、 |
ゆっくり魔理沙 | 自民党の憲法改正草案がどうなっているか見てみようか。 |
ゆっくり霊夢 | 最初にえげつないって言ってたけど、
どういうことか気になるね。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ、今回はまだまだ序の口だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案のほうにも、前文は存在するが、
ほぼすべてが書き換えられているぜ。 |
ゆっくり霊夢 | まあ、長くなるよね。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、憲法と同じく段落ごとに見ていこう。 |
ゆっくり魔理沙 | まずは第1段。 |
ゆっくり霊夢 | 別に変なことは言ってなくない? |
ゆっくり魔理沙 | だが、気になる部分はある。 |
ゆっくり霊夢 | 何が気になるっていうのよ? |
ゆっくり魔理沙 | まず気になるのは、書かれている順番だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 日本国憲法では、国民主権についてや政府の反省が先に
書かれていたが、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では、最初に歴史や文化、天皇についてが、
国民主権よりも先に書かれている。 |
ゆっくり霊夢 | いや~たまたまでしょ? |
ゆっくり魔理沙 | そう思いたいところだけど、後の条文なども見ていくと、
それが偶然ではなさそうなことを感じてくるし、 |
ゆっくり魔理沙 | 前文だけでも、それを感じることができる。 |
ゆっくり霊夢 | そうなの? |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、天皇を『戴く』国家としているところ。 |
ゆっくり霊夢 | なんか変? |
ゆっくり魔理沙 | 『戴く』という言葉の意味は、敬って自分の上の者として
迎える、仕える、だ。 |
ゆっくり魔理沙 | さっきも言った通り、天皇主権であることが、
前憲法の失敗だとするなら、 |
ゆっくり魔理沙 | わざわざ天皇をえらいと言っているような『戴く』と
憲法に入れるのは、かなり違和感がある。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、現憲法の前文に天皇の話が一言もなかった
ように、 |
ゆっくり魔理沙 | そもそも前文で天皇を登場させる必要はないはずだ。 |
ゆっくり霊夢 | それはそうかもね。 |
ゆっくり魔理沙 | さらに、現憲法では、憲法の考える国民主権について
1段落を使って丁寧に説明した上で、 |
ゆっくり魔理沙 | 『これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する』
とまでうたっている。 |
ゆっくり魔理沙 | これに対して、憲法改正草案では、 |
ゆっくり魔理沙 | 『国民主権の下』とサラッと流している。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに、ちょっと軽く見られている気がしてきたよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 極めつけは、現憲法では、日本国民が主役となって
書かれているのに対し、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案は、国が主役に据えられているような
書き方だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案の第一段は、憲法というよりは、単純に
国の紹介文を書いたにすぎないからな。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに。 |
ゆっくり魔理沙 | 国が主役になっているんじゃないかという疑惑は、続きを
読んでいくとより鮮明になっていくぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | と、いうことで、続いて第2段がこれ。 |
ゆっくり魔理沙 | どうだ?霊夢? |
ゆっくり霊夢 | 確かに、主語が『我が国』になってる。 |
ゆっくり霊夢 | それに、『国際社会において重要な地位を占めており』が
なんかえらそう。 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢も感じたか。 |
ゆっくり魔理沙 | 重要な地位を占めているのかが事実かどうかは
置いておいて、 |
ゆっくり魔理沙 | 仮にそうだったとしても、わざわざ憲法に書いてしまう
のは思い上がりがすぎる、謙虚さがないよな。 |
ゆっくり魔理沙 | もっというと、『謙虚さが美徳』と言われる
日本らしさが感じられない。 |
ゆっくり魔理沙 | 『固有の文化』ってこういうところのことを
言ってるんじゃなかったのか? |
ゆっくり霊夢 | ほんとだね。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、最も重大だと思うのは、現憲法が戦争は
政府のせいだとしていた文言を削除していることだ。 |
ゆっくり霊夢 | よく見たら戦争や災害を乗り越えて~みたいにいい話風に
まとめられてるね。 |
ゆっくり魔理沙 | しかも、『先の大戦』つまり、第二次世界大戦のことしか
言っていない。 |
ゆっくり魔理沙 | 最初に『長い歴史』を持っていると書いている割には、
最後の戦争の話しかしていない。 |
ゆっくり霊夢 | 確か戦争は何度かやってきてるよね? |
ゆっくり魔理沙 | そう。 |
ゆっくり魔理沙 | 一方現憲法では、『大戦』に限らず、『政府の行為に
よつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする』、 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、今までの戦争すべてについて反省しているよう
にも読み取れるんだ。 |
ゆっくり霊夢 | それに比べて、憲法改正草案のほうは、
反省の色なんてまったく見えないね。 |
ゆっくり魔理沙 | あと、ついでにいうと、どのように平和を維持していく
かについて、ほとんど説明がない。 |
ゆっくり魔理沙 | 『平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の
平和と繁栄に貢献する』としているだけだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 現憲法では、理想といえども、具体的に平和について
語られていたよな。 |
ゆっくり霊夢 | 他の国のお手本にもなりたいほどだもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | ここまで読むだけでも、だいぶ薄っぺらいものに
なっている気がしないか? |
ゆっくり霊夢 | 現憲法では国民が主役です、国民のためを思ってますって
感じが、最初からあふれ出てたのに対して、 |
ゆっくり霊夢 | 憲法改正草案では私でもまったく感じられないわ。 |
ゆっくり霊夢 | 浅い歴史と日本人らしくない書き方をされて、 |
ゆっくり霊夢 | 第1段の『長い歴史』と『固有の文化』っていったい
なんなのよ? |
ゆっくり魔理沙 | その答えらしきものは、続きを読んでいったら浮かんで
くるかもしれないな。 |
ゆっくり魔理沙 | というわけで、続いて第3段に進もう。 |
ゆっくり霊夢 | 『基本的人権を尊重する』ってなってるし、ようやく
国民の権利の話をしだしたね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | だが、よく読んでほしい。 |
ゆっくり魔理沙 | 基本的人権を尊重するのは誰になってる? |
ゆっくり霊夢 | ええと、『日本国民』? |
ゆっくり魔理沙 | そうだよな。 |
ゆっくり魔理沙 | 人権っていうのは、人が生まれながらにして
持っている権利であり、 |
ゆっくり魔理沙 | 権力者から個人を守ろうとする中で
指摘されてきたものだ。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、そもそも基本的人権を1番に尊重すべきなのは、
国のはずなんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | それにもかかわらず、国を差し置いて国民自身に尊重を
求めるのはとんだ筋違いだ。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに、言われてみると違和感あるね。 |
ゆっくり魔理沙 | しかも、国も『自ら守り』、『家族や社会全体が互いに
助け合って』と言っている。 |
ゆっくり魔理沙 | これは、読み方によっては、国としての責任を避け、 |
ゆっくり魔理沙 | 何かあっても国に頼るんじゃなくて自分たちでなんとか
してね、というニュアンスさえ私は感じる。 |
ゆっくり霊夢 | ここまで読むと、憲法改正草案が『国』を主役に
書かれてる疑惑は濃厚だわね。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、現憲法では、『全世界の国民がひとしく恐怖
と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する』 |
ゆっくり魔理沙 | ということを認めているぜ。 |
ゆっくり霊夢 | そういえばそうだった。 |
ゆっくり霊夢 | 『自分で守れ』なんて言ってなかったね。 |
ゆっくり魔理沙 | そして第4段。 |
ゆっくり霊夢 | 国を成長させるって言い切るのは素晴らしいね。 |
ゆっくり魔理沙 | 確かに国が成長してくれるのは嬉しいよな。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、よく考えてみてほしい。 |
ゆっくり魔理沙 | また主役が『国』になっていないか? |
ゆっくり霊夢 | しまった。ほんとだ。 |
ゆっくり魔理沙 | その代わりに、私たちは『自由と規律を重んじ』る必要
がある。 |
ゆっくり魔理沙 | これは |
ゆっくり魔理沙 | 私たちの『自由は国の成長のために法律で制限されること
が前提だよ、当然だよね』 |
ゆっくり魔理沙 | というメッセージだと読める。 |
ゆっくり魔理沙 | というのも、 |
ゆっくり魔理沙 | 自民党の『日本国憲法改正草案Q&A(増補版)』
を見ると、 |
ゆっくり魔理沙 | 『自由には規律を伴う』とはっきり書いてある。 |
ゆっくり霊夢 | さすがに無制限の自由は私もないと思うよ。 |
ゆっくり魔理沙 | それはもちろん。 |
ゆっくり魔理沙 | 後の動画の中で説明することになると思うが、自由や
権利を制限することになるのは、 |
ゆっくり魔理沙 | まず他人の権利を侵害する場合だ。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、その他人の権利との衝突を調整するための制限
として法律が作られたりはする。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、それは個別の条文で言えばいいのであって、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法の方針や目的を伝える前文でわざわざ書く必要は
ないと思う。 |
ゆっくり魔理沙 | それでも、わざわざ前文の段階から入れているあたりに、
『規律』のほうを重要視しているのではないか、 |
ゆっくり魔理沙 | という疑念が生じてしまう。 |
ゆっくり霊夢 | よく読むと、ここまで嬉しい内容が
書かれてないんですけど。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、最後の第5段。 |
ゆっくり魔理沙 | 『良き伝統』と『国家』を『子孫に継承』するために
憲法が制定されたという目的が伝えられている。 |
ゆっくり魔理沙 | じゃ私たち日本国民はなんなの?ってならないか? |
ゆっくり霊夢 | 現憲法では、私たちのために
国があるって感じだったのに、 |
ゆっくり霊夢 | 憲法改正草案では、むしろ国のために私たちがいる
みたいだね。 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢でもそう感じるか。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、現憲法では、
『われらとわれらの子孫のために』 |
ゆっくり魔理沙 | 『自由のもたらす恵沢を確保し、』
『憲法を確定』している。 |
ゆっくり霊夢 | 今のところ、私は今の憲法のほうがいいなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | さてここで、自民党が憲法改正草案で狙っていることを
勘ぐってみたいと思う。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案のいう、『長い歴史』『固有の文化』
『良き伝統』とは一体なんなのか? |
ゆっくり霊夢 | 『謙虚さ』ではないのは確かなのよね。 |
ゆっくり魔理沙 | ここで、『天皇』がキーワードになってくると思う。 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇は実在が確かとされている第26代継体天皇から考えて
も1500年以上という『長い歴史』を持っている。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、神話時代から続くとされる万世一系という
独特の思想と、神と王の要素を併せ持つ存在として、 |
ゆっくり魔理沙 | 世界ではあまり見ない『固有の文化』といえる。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、その『天皇を戴く』ことを、『良き伝統』と
考えているのだとしたら、 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇主権だった頃の大日本帝国憲法時代に戻そうと
考えているのではないだろうか? |
ゆっくり魔理沙 | という可能性が浮かび上がる。 |
ゆっくり霊夢 | でも、それはすでに失敗したよね? |
ゆっくり魔理沙 | だが、政府的には、割と好き勝手できていた時代だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇主権とはいえ、内閣は天皇の命令を補佐する輔弼
機関であり、国民の代表でもなかったので、 |
ゆっくり魔理沙 | 民意なんて気にする必要もなかったしな。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、憲法上臣民の権利は、『法律の範囲内』で
認められていたので、 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇を介して法案を提出すれば、国民を自由に制御する
ことも可能だった。 |
ゆっくり魔理沙 | 確かに、軍の最高指揮権を天皇が持っていて他に
ブレーキがなかったために、 |
ゆっくり魔理沙 | 軍部が暴走して失敗になってしまったが、 |
ゆっくり魔理沙 | そのブレーキさえ整えてしまえば、
もう同じ失敗を繰り返すことはない、 |
ゆっくり魔理沙 | と考えているのかもしれない。 |
ゆっくり霊夢 | 純粋に天皇を持ち上げたい、ってわけじゃないのね。 |
ゆっくり魔理沙 | 少なくとも私にはそう思えるな。 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、自民党の憲法改正草案っていうのは、 |
ゆっくり魔理沙 | 日本を政治家が自由にふるまえる国にしようとしている
と思えてならないんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 何それ怖い。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ私の勝手な考えだから、本当のところはどうか
わからないけど、 |
ゆっくり魔理沙 | そういう考えも踏まえて、これからの憲法解説を
見てもらうと、 |
ゆっくり魔理沙 | 今までと違ったものが見えてくるかもしれないな。 |
ゆっくり霊夢 | 早く続きやっていこうね。 |
ゆっくり霊夢 | 最後までご視聴ありがとうございました。 |
ゆっくり魔理沙 | それではまた次回! |
ゆっくり霊夢 | それではまた次回! |
編集後記
今、日本という国をおかしい、危険だと感じている人は多くなってきていると思います。
自民党が、財務省が、中国が、アメリカが、クルド人が、移民が、税金が、年金が、夫婦別姓が、米が、SNS規制が、選挙が、
などなど、聞いてるだけで「このままで日本大丈夫か?」と思ってしまうニュースばかりです。
そこで、「危険回避」がチャンネル名に入っている当チャンネルも何かしらの発信をしたいと考えています。
とはいえ、ネットで発信している政治の専門家やジャーナリストのように、世界の情勢に詳しいわけでも、裏側について知っているわけでもありません。
そんな自分でも、日本の状態を見つめなおし、発信できるなと思ったのが「日本国憲法」でした。
最初こそ、憲法の内容を説明しつつ、今の政府の動きに照らして発信していく予定でしたが、憲法の勉強をしている途中で自民党の「憲法改正草案」なるものを見つけてしまいました。
こんなに細かく改正案があるのにもびっくりしましたが、
何よりびっくりしたのは、この憲法改正草案の中身です。
今の憲法の主軸とも言える国民主権、基本的人権の尊重、平和主義をないがしろにしかねない内容だったからです。
すでに台本を作りはじめていましたが、この憲法改正草案の検討もするため、さらに追加で台本をかくことになりました。
いまだに全部の台本は完成してません。
本当は参議院の選挙に間に合わせたかったですが、とても間に合いそうにありません。
ですが、少しでも憲法や憲法改正草案を知ってもらって、誰に投票するかといった、これからの行動に役立ててもらいたいと思います。


サムネイルをしっかり考えている余裕はないし、「これ」ってものが思いつかないので、とにかくシンプルなものにしました。
いざ、動画公開してみると、再生伸びないですね(笑)
そもそものインプレッションが少なすぎる気がする。
か、投稿頻度が低くてチャンネル自体が瀕死の状態か。
とにかく、憲法を前条解説しきるまでは頑張ろうと思います。