動画概要
日本国憲法「天皇」条文から見える本当の意図とは?
この動画では、日本国憲法第1章「天皇」(1条~8条)の条文をもとに、現行憲法と自民党憲法改正草案(2012年案)の違いを詳細に比較・検証しています。
一見すると形式的・儀礼的に思える「天皇」の位置づけですが、その背後に潜む政治的意図、象徴天皇制の意味、そして改憲草案に見られる方向転換の危険性について、深掘りしていきます。
憲法第1条:「象徴」か「元首」か
- 現行憲法:天皇は「日本国民統合の象徴」であり、その地位は「主権者たる国民の総意」によって支えられている
- 旧憲法(大日本帝国憲法):天皇は国家の統治権を「祖先から受け継いだ存在」とされ、神格化されていた
- 改正草案:天皇を「日本国の元首」と明記
「元首」という表現は、象徴から一歩進んで「国の代表者」「第一人者」としての意味を持つため、実質的な“権威の格上げ”ともとれる表現です。
自民党の主張は「国際的に元首として扱われているから」という理由ですが、それを憲法に明記する必要性には疑問が残ります。
憲法第2条:世襲の意味と血筋へのこだわり
天皇の地位は「世襲」であり、「皇室典範」に基づいて継承されます。この原則は現行憲法でも改正草案でも同様ですが、その背景には長い歴史と伝統があります。
血筋による継承が重視される一方、現代社会では「女性天皇」や「女系天皇」についての議論も存在し、今後の法改正の余地も指摘されています。
憲法改正草案の新設:第3条「国旗・国歌」
- 日章旗と君が代を「国旗・国歌」として明記
- 「これらを尊重しなければならない」という義務を憲法に追加
国旗国歌法(1999年)ですでに法律として定められているものを、わざわざ憲法に格上げしようとする理由は何か?
自民党は「教育現場での混乱を防ぐため」と説明していますが、むしろ憲法に格上げすることで、「起立斉唱の義務」や「国旗への侮辱」などに対する法的制裁の根拠が生まれる可能性が指摘されています。
改正草案の新設:第4条「元号」
現行憲法では触れられていない元号についても、改正草案では憲法条文に明記。
すでに「元号法」が存在しているにも関わらず、なぜ憲法に?という疑問に対し、自民党からは明確な説明がありません。
日章旗、君が代、元号と、いずれも天皇にゆかりの深いものを憲法に盛り込むことで、「天皇中心の国家観」を強化する狙いがあるのではないかと読み解けます。
憲法第3条:「助言と承認」vs「進言」
- 現行憲法:天皇が行う国事行為には「内閣の助言と承認」が必要
- 改正草案:これを「内閣の進言」に変更
「助言と承認」では、実質的に天皇は“命令される側”。一方「進言」では、“目上の存在”に意見を述べるニュアンスになり、天皇の位置づけが格上げされます。
この言葉の変更によって、天皇の権威が事実上強化され、国民主権の構造に逆行する可能性が出てきます。
憲法第4条:「のみ」の2文字の消失とその影響
現行憲法では、天皇は「憲法に定められた国事行為のみに限る」と明記。政治に関わる言動を厳しく制限しています。
ところが、改正草案では「のみ」の2文字が削除され、解釈によって「国事行為以外の行為」=政府応援メッセージなどが可能になる余地が生まれます。
結果的に、天皇の発言や行動が政治的意味を帯びやすくなり、政府にとっても利用しやすくなるリスクがあるのです。
憲法第5条:摂政制度と政治関与の防止
摂政は、天皇が未成年・病気などで行為ができない場合に代行する制度。過去には昭和天皇も大正天皇の摂政を務めたことがあります。
この制度でも、政治的影響力を持たせないよう明記されています。歴史的に「摂政の権力強化」が問題化したことへの反省が見て取れます。
憲法第6条:天皇の任命行為の重み
天皇が「内閣総理大臣」「最高裁判所長官」を任命するのは、形式上の話であって、実質的には国会や内閣の指名に従うだけ。
しかし、任命を天皇が行うことで、国民にとっての「権威」や「正統性」が付加されるという象徴的意味があります。
憲法第7条:天皇の国事行為一覧と改正草案の変更点
条文で明記されている天皇の国事行為(表彰・勲章・儀式など)はすべて、内閣の助言と承認が前提です。
改正草案では、国事行為を再整理し、条文構成を変更。さらに「助言と承認」が「進言」に変えられ、「承認」自体が削除されている。
これにより、天皇が“選択肢”を持つ余地が生まれ、政治への間接的な影響力が強まる可能性が指摘されます。
新設された第6条5項:公的行為の明文化と危険性
公的行為とは、被災地訪問、国体観戦など、国民との関係性を深める行為。
現行憲法では明文化されていないが、政府の解釈により「内閣の責任で容認」されてきました。
しかし改正草案では、この「公的行為」を憲法上に明文化し、しかも「内閣の関与なし」に変更。
天皇の自由裁量で行える“国に関する行為”が出現し、これが政治的メッセージとして機能してしまう危険性をはらんでいます。
憲法第8条:「議決」から「承認」へ—財産の力をどう縛るか
現行憲法では、天皇・皇族の財産の譲渡・受領に「国会の議決」が必要。これは天皇家の莫大な資産が政治・経済を動かす力を持たないようにするため。
改正草案では「議決」が「承認」に変えられ、事後的な追認形式に緩和。これにより、実質的なチェック機能が低下する恐れがあります。
まとめ:天皇の権威と国民主権の危うい境界線
- 現行憲法は「天皇=象徴」の地位を守るため、厳格に政治的関与や発言を制限してきた
- 改正草案では、「元首」「進言」「承認削除」「公的行為の自由化」など、じわじわと“象徴”の殻を破る変化が見られる
- 天皇の存在を「利用しやすい存在」へと変えていく可能性が、文言や構造から読み取れる
- こうした微細な変更の積み重ねが、「国家の仕組みの本質」を大きく変えてしまう危険性をはらんでいる
象徴天皇制の意味、そして国民主権という日本国憲法の根本理念を守るためにも、「天皇」の章に込められた意図を読み解くことが重要です。
次回以降の動画でも、憲法条文ごとの解説を進めていきますので、引き続きご覧ください。
動画テキスト
キャラクター | セリフ |
ゆっくり魔理沙 | じゃあ前回の続きからで、 |
ゆっくり魔理沙 | 今回はいよいよ日本国憲法の条文に
入っていくぜ。 |
ゆっくり霊夢 | やっとだよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 今回は1条から8条、天皇について
の条文を解説していくぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 自民党の狙いが天皇主権の復活
かもしれないし、 |
ゆっくり霊夢 | 天皇が憲法でどういう風に
なっているか知ってはおきたいわね。 |
ゆっくり魔理沙 | 改めて、 |
ゆっくり魔理沙 | 1条から8条は『第1章天皇』として
天皇に関する条文が並んでいる。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、1条では天皇はあくまで
『日本国民統合の象徴』であって、 |
ゆっくり魔理沙 | その地位は、日本国民みんなの総意に基づいていることを
を定めている。 |
ゆっくり霊夢 | 前の憲法では天皇が中心だったことで
大戦争につながったもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | 軍部の暴走があったとはいえ、 |
ゆっくり魔理沙 | 軍の指揮者である天皇が首を縦に
振らなければ、軍も動けなかったはずなので、 |
ゆっくり魔理沙 | そういわざるをえないな。 |
ゆっくり魔理沙 | 大日本帝国憲法下では、祖先の神々と歴代の天皇によって
帝国は作り上げられてきており、 |
ゆっくり魔理沙 | 国家を統治する権利は、天皇が祖先から受け継いで天皇の
子孫に受け継がれていくとされた。 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、天皇の地位は代々引き継がれきた血筋があるから
こそであり、国民の意思とは関係なかった。 |
ゆっくり霊夢 | 親ガチャの極み。 |
ゆっくり魔理沙 | しかも、天皇が法律をつくり、天皇が行政を行い、
司法は天皇の名の下に行われた。 |
ゆっくり魔理沙 | さらに、戦争時などの非常時は天皇の邪魔はできないと
する無双ぶりだ。 |
ゆっくり霊夢 | なんでもありじゃん。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、その反省もあって、 |
ゆっくり魔理沙 | 日本国憲法1条では、天皇は単なるシンボルで
あり、何の権力も持たせないようにした。 |
ゆっくり魔理沙 | しかも、その地位は血筋じゃなくて、国民みんながそう
したいと思っているからであって、 |
ゆっくり魔理沙 | 『天皇を敬え』と強制されたものでないこと
を示したんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 今だと当たり前だと思うけども、、、 |
ゆっくり魔理沙 | 当時の憲法では天皇は神聖なものとしては侵して
はならないとされたし、 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇を冒涜すると不敬罪、危害を加えようとすると、
大逆罪となった。 |
ゆっくり霊夢 | ほんと無敵だったんだな。 |
ゆっくり霊夢 | 今のような憲法になった世の中に生まれて、
ちょっと安心したかも。 |
ゆっくり霊夢 | それで、憲法改正草案のほうは
どうなってるんだろう? |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では、天皇は『日本国の元首』
ということが追記されている。 |
ゆっくり霊夢 | 元首? |
ゆっくり魔理沙 | 元首とは、国際法上、外国に対して国を代表する
者のことをいう。 |
ゆっくり魔理沙 | 自民党の説明では、元首とは国の第一人者であり、 |
ゆっくり魔理沙 | 前の憲法にも規定があったし、外交儀礼上
でも天皇が元首として扱われているため、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法草案1条に『元首』と
明記したとしている。 |
ゆっくり霊夢 | 多数の意見もあったのだし、
『元首』が入るのも、別に変じゃなくない? |
ゆっくり魔理沙 | いや、これはかなり危険な追記だ。 |
ゆっくり霊夢 | どうして? |
ゆっくり魔理沙 | そもそも、別に今まで『元首』の規定が
なくとも、問題はなかった。 |
ゆっくり魔理沙 | 明確な元首がいない国は
他にもたくさんあるしな。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、自民党の理由について言わしてもらうと、 |
ゆっくり魔理沙 | 外国が天皇を『元首』として扱うとしても、
日本自体が天皇を元首として扱うかは、 |
ゆっくり魔理沙 | まったく別の問題だ。 |
ゆっくり霊夢 | 長く一緒にいるカップルが
他人からは夫婦としても見られてるけども、 |
ゆっくり霊夢 | 自分たちが籍を入れるかどうかは
別問題みたいな? |
ゆっくり魔理沙 | なんだその例え? |
ゆっくり魔理沙 | 私が言いたいのは、外国から元首として
扱われているとしても、 |
ゆっくり魔理沙 | 別に日本自体がそれをオフィシャルだと
認める必要はないってことだ。 |
ゆっくり霊夢 | 私のたとえあってるじゃん。 |
ゆっくり魔理沙 | そういうことにしとこう。 |
ゆっくり魔理沙 | もう一つ、 |
ゆっくり魔理沙 | 前の憲法に『元首』の規定があるから、
憲法改正で『元首』を入れよう、 |
ゆっくり魔理沙 | という理由を挙げていたが、 |
ゆっくり魔理沙 | 前の憲法に問題があったから
日本国憲法に改正されたのに、 |
ゆっくり魔理沙 | 前憲法にならおうとするのは
おかしくないか? |
ゆっくり霊夢 | 確かに。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、多数の意見は『自民党内』で、だぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 内輪の多数意見やないか。 |
ゆっくり魔理沙 | 前の憲法にならおうとするところもそうだし、 |
ゆっくり魔理沙 | わざわざ『元首』の規定を入れようとするのは、
何らかの意図を感じずにはいられないが、どう思う? |
ゆっくり霊夢 | やっぱり、前の憲法の頃に戻したい
という風な感じはありそうだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そう思わざるをえないよな。 |
ゆっくり魔理沙 | 1条はこのあたりにして、
2条に進もう。 |
ゆっくり魔理沙 | 2条は、天皇は世襲であって、皇室典範という法律に
従って継承すると定めている。 |
ゆっくり霊夢 | 天皇は単なるシンボルなんでしょ?正直誰でもいいような
気がしなくもないんだけど。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ、機能としてはそうなのかもしれないけど、 |
ゆっくり魔理沙 | これは、遥か昔から血筋を保ってきた歴史、伝統、先人達
の努力を絶やさないようにしよう、 |
ゆっくり魔理沙 | という思いから定められたものだな。 |
ゆっくり霊夢 | 前文のところでも、天皇の歴史は長い
って話してたもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | 大日本帝国憲法下でも皇室の血を受け継げる男子が
継いで行くとされたように、 |
ゆっくり魔理沙 | 古来より男系で続いてきたんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 現在の皇室典範でもそのように定められている。 |
ゆっくり霊夢 | 歴史の重みがあるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | 一時期女系天皇を認めるかどうかが話題になったよな。 |
ゆっくり魔理沙 | これは、皇室典範を改正すれば、女性でも天皇にすること
ができるからだ。 |
ゆっくり霊夢 | つまり、天皇の地位は国民次第な部分もあるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | 歴史も大事にしたいところだけど、
現実問題男子がいないと難しいよな。 |
ゆっくり魔理沙 | この条文に関しては、憲法改正草案に関しても、
『あつて』を『あって』になおしたくらいで、 |
ゆっくり魔理沙 | 改正による内容の変更はない。 |
ゆっくり魔理沙 | なので3条に進もう。 |
ゆっくり魔理沙 | と、言いたいところだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案について新設の3条と4条
について知ってもらいたいので、 |
ゆっくり魔理沙 | そちらを先に説明しようと思う。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案3条では、1項で国旗と国歌を
それぞれ日章旗と君が代に定め、 |
ゆっくり魔理沙 | 2項においてはそれらを尊重
しなければならないとしている。 |
ゆっくり霊夢 | え?今まで決められてなかったの? |
ゆっくり魔理沙 | そんなわけないだろ。 |
ゆっくり魔理沙 | 国旗及び国歌に関する法律で、
同じことが定められている。 |
ゆっくり霊夢 | それじゃなんでわざわざ憲法に入れようとするの? |
ゆっくり魔理沙 | 自民党はこのように言ってるぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 教育現場で混乱? |
ゆっくり魔理沙 | 国家斉唱で起立斉唱しなかったりとかな。 |
ゆっくり霊夢 | そういう人もいるんだねえ。 |
ゆっくり魔理沙 | 今の憲法に従えば、この国歌斉唱などは
拒否できる可能性があるので、 |
ゆっくり魔理沙 | 法律ではなく憲法に格上げしてしまって、
この拒否する可能性をつぶしてしまおう、 |
ゆっくり魔理沙 | ということが、堂々と説明されているわけだ。 |
ゆっくり霊夢 | 憲法に格上げされたからって、
拒否できなくなるものなの? |
ゆっくり魔理沙 | その懸念を打ち消すために、
ダメ押しで3条2項が定められているわけだ。 |
ゆっくり霊夢 | なんかすごい強制してる感あるねえ。 |
ゆっくり魔理沙 | 自民党はこの3条2項に対して、尊重するのは当然で、
義務を新たに増やすものじゃないと説明しているが、 |
ゆっくり魔理沙 | とんでもない。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、起立斉唱をしないことはもちろん、
国旗デザインのアレンジや国歌の替え歌など、 |
ゆっくり魔理沙 | この条文をだしに、尊重しないような
行為などがあった場合に、 |
ゆっくり魔理沙 | 刑罰を与える法律だってつくれる可能性がある。 |
ゆっくり霊夢 | なんだって。 |
ゆっくり魔理沙 | 『尊重しなければならない』とされている以上、
むしろ尊重をしていないほうが憲法違反なんだから、 |
ゆっくり魔理沙 | それに刑罰を盛り込んでくるのは、
当然に行きつく解釈になるぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 国歌と国旗に対して、昔からあるから、
君が代や日の丸に対して、 |
ゆっくり霊夢 | 身近なものだとは思ってたけど、 |
ゆっくり霊夢 | 『尊重しなければ』とまでは
思ったことないよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 多くの日本人にとっては、日の丸は身近だし、 |
ゆっくり魔理沙 | 君が代だって、何かの折に
聞いたり歌ったりしてきてる。 |
ゆっくり魔理沙 | 身近だからこそ、特別に意識を
向けることがないのかもしれないな。 |
ゆっくり魔理沙 | とはいえ、国旗や国歌くらいなんて油断してたら、
どんどん自由が制限されてくるぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、憲法改正草案4条では、
元号についても新設されている。 |
ゆっくり霊夢 | これも法律ありそう。 |
ゆっくり魔理沙 | もちろんある。 |
ゆっくり魔理沙 | 元号法で決められていたものが、
憲法草案4条にクラスチェンジしている。 |
ゆっくり霊夢 | なんでわざわざ? |
ゆっくり魔理沙 | 自民党からは明確な説明はないぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 今までなかったものをわざわざ入れ込むんだから、
ちゃんと理由の説明はすべきなんじゃないの? |
ゆっくり魔理沙 | 私の個人的な考えとして
聞いてほしいんだが、 |
ゆっくり魔理沙 | 日の丸や君が代、元号に関しては、 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇と関係が深いとされるものだ。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、それらを憲法に入れ込むことで、 |
ゆっくり魔理沙 | おそらく、天皇の権威を国民に
刷り込みたいんだと思う。 |
ゆっくり霊夢 | さすがにそれは
ちょっと飛ばしすぎじゃない? |
ゆっくり魔理沙 | なんにせよ、国旗や国歌を憲法に定める国は
少数派だ。 |
ゆっくり魔理沙 | わざわざ憲法に入れなくても、
法律があれば事足りるはずだからな。 |
ゆっくり魔理沙 | そんな必要性の高くないことをわざわざ憲法に
盛り込もうとするのは、 |
ゆっくり魔理沙 | なんらかの意図があると
勘ぐりたくなるけどな。 |
ゆっくり霊夢 | まあ、気持ちはわかるけどね。 |
ゆっくり魔理沙 | このあたりで日本国憲法の
解説に戻ろう。 |
ゆっくり魔理沙 | 3条では、天皇の国のことに関する行為については、
すべて内閣の助言と承認を必要とした。 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇がする国に関する行為は『国事行為』ってよく
呼ばれてるぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 『助言』と『承認』っていうことは、内閣が天皇の行為を
監視できるってこと? |
ゆっくり魔理沙 | というより、決めているのは内閣で、
天皇は内閣が決めたことをただ実行するにすぎない。 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇は『象徴』だからな。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、内閣が責任を負うことも定められている。 |
ゆっくり霊夢 | 天皇の力を削ぐために徹底しているのね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだ。 |
ゆっくり魔理沙 | だが、憲法改正草案では、風向きが変わってくる。 |
ゆっくり霊夢 | そうなの? |
ゆっくり魔理沙 | ただ、後で同じ文言が出てくる条文があるので、
そのときに伝えたほうがわかりやすいかもな。 |
ゆっくり霊夢 | すでに嫌な予感しかしないよ。 |
ゆっくり魔理沙 | ということで続いて4条。 |
ゆっくり魔理沙 | 4条では、天皇ができることは憲法に
定められた国事行為だけに限られ、 |
ゆっくり魔理沙 | つまり公の言動を
制限された上、 |
ゆっくり魔理沙 | 政治に関われないことを念押しされている。 |
ゆっくり霊夢 | ものすごく念入り。 |
ゆっくり魔理沙 | この部分について、憲法改正草案では、 |
ゆっくり魔理沙 | 『のみ』の2文字を消している。 |
ゆっくり霊夢 | これで何が変わるの? |
ゆっくり魔理沙 | それは、文字通り憲法に定められた以外の
国事行為を行うことができる余地ができた。 |
ゆっくり霊夢 | でも、天皇は『国政に関する権能を有しない』んでしょ? |
ゆっくり霊夢 | 特に問題なくない? |
ゆっくり魔理沙 | 問題ないわけないだろ。 |
ゆっくり魔理沙 | もちろん、政治の何かを決めるといった力は
ないままではあるが、 |
ゆっくり魔理沙 | それでも、言動の制限が外れた
おかげで、 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、政府の政策について応援するような
メッセージが発信できるようになるかもしれない。 |
ゆっくり霊夢 | そっか。メッセージを出すだけなら、何かを決める
わけではないもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | そういう風に解釈することも
できなくはないってことだ。 |
ゆっくり魔理沙 | もっといえば、政府は、天皇に政府の方針に合った
激励メッセージを発信させたりして |
ゆっくり魔理沙 | 政治的に利用することだってできる
可能性がある。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法上は力がなかったとしても、
実際には見えない力が発揮されている、 |
ゆっくり魔理沙 | なんて危険性が出てくるわけだ。 |
ゆっくり霊夢 | でも、それは極端な方向に考えすぎで、
可能性があるといっても、 |
ゆっくり霊夢 | プールの水に対する一滴くらい
の割合じゃない? |
ゆっくり魔理沙 | いやいや、つい最近に、天皇が生前退位の
意向を示され、実際に実現しただろ。 |
ゆっくり霊夢 | そういえばそうだった。
前の天皇は上皇になってたね。 |
ゆっくり魔理沙 | 生前退位は、明仁上皇の
『象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば』 |
ゆっくり魔理沙 | が、きっかけとなって、天皇の退位等に関する
皇室典範特例法が制定され、実現したものだ。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、『上皇』と呼ばれるのも、
この特例法があるからだぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 生前退位は知ってたけど、
法律まで変わってたのはわかってなかったわ。 |
ゆっくり魔理沙 | 上皇のお気持ちもわかるし、本人も
メッセージでとても気にしていたが、 |
ゆっくり魔理沙 | 実は、天皇の影響力が国を動かす
可能性を示してしまった出来事でもあった。 |
ゆっくり霊夢 | 当時は代わりたいなら代わればいい
と気軽に考えていたけど、 |
ゆっくり霊夢 | そんな大きな問題があったんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、4条2項は天皇の国事行為の委任について
定められている。 |
ゆっくり霊夢 | え?人に任せられるの? |
ゆっくり魔理沙 | そりゃ天皇だって人間なんだから、
体調を崩したりするときだってある。 |
ゆっくり魔理沙 | 入院など一時的に国事行為できない場合に
代わりを誰かにやってもらうのが、 |
ゆっくり魔理沙 | 国事行為の委任だ。 |
ゆっくり霊夢 | バイト休みたいときに、代わりに
誰か連れてくる感じか。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ近いところはあるな。 |
ゆっくり魔理沙 | ただし、もちろん天皇の意思ではできず、
内閣の助言と承認が必要だけどな。 |
ゆっくり魔理沙 | また、天皇が未成年だったり、
重い病気で仕事ができなくなったら、 |
ゆっくり魔理沙 | 本格的に代行を立てる『摂政』という
制度がある。 |
ゆっくり魔理沙 | この摂政について触れられているのが、
憲法5条になる。 |
ゆっくり霊夢 | 摂政って、歴史の授業で習った、昔の権力者の役職って
イメージだけど、今でもあるんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | ある。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、そう思うのも仕方ないかもな。 |
ゆっくり魔理沙 | 最後の摂政は、健康状態の悪くなった父で
ある大正天皇を代行し、 |
ゆっくり魔理沙 | 1921年(大正10年)11月25日から1926年(大正15年)
12月25日の約5年間摂政を務めた昭和天皇だからな。 |
ゆっくり霊夢 | そりゃ知らないわけだ。
私生まれてないもの。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法5条では、摂政は天皇の名で国事行為を行い、 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇と同じく政治へ影響を与えることができないことが
定められているんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 天皇がダメなんだから当然っちゃ当然よね。 |
ゆっくり魔理沙 | 過去には4人の娘を天皇の嫁にし、その子供が天皇になる
ときに摂政に就くことによって、 |
ゆっくり魔理沙 | 大きな力を手にするようになった藤原道長の例も
あるから、定めておかないわけにはいかないよな。 |
ゆっくり霊夢 | なんか憲法って歴史の集大成でもあるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 続いての6条は内閣総理大臣と
最高裁判所長官の任命について。 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇は、中身はそれぞれ国会と内閣が指名した者を、
形式的に任命する。 |
ゆっくり霊夢 | 天皇が任命したという体裁は崩さないけど、
中身には関係させないのね。 |
ゆっくり霊夢 | でも、どうしてわざわざ天皇に任命
させるんだろ? |
ゆっくり魔理沙 | それは、天皇に象徴としての
仕事をしてもらうためじゃないかな。 |
ゆっくり魔理沙 | 権力はないといっても、やはり国民の中での
存在感は大きい。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、天皇がたとえ中身に関与してなくても、
任命するというだけで『重み』があるよな。 |
ゆっくり魔理沙 | 内閣総理大臣と最高裁判所長官は
それぞれ行政と司法のトップで、 |
ゆっくり魔理沙 | 日本の2トップだ。 |
ゆっくり魔理沙 | そんな2トップの任命を受けるのに、
天皇がするという重みはふさわしいと思う。 |
ゆっくり霊夢 | そうなのかも。 |
ゆっくり魔理沙 | 続いて7条では、さらに国事行為が列挙されている。 |
ゆっくり霊夢 | いっぱいあるねえ。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | とはいえ、1番大事なことは、 |
ゆっくり魔理沙 | このすべてにおいて内閣の『助言』と『承認』が
必要ってことだな。 |
ゆっくり霊夢 | 3条で同じ言葉出てきたね。 |
ゆっくり霊夢 | そういえば、そのときに憲法改正草案だと
風向きが変わるみたいな話をしてたけど、 |
ゆっくり霊夢 | ここで説明してくれるの? |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では、国事行為についての条文は
新設があったり、並びを変えたり整理されていて、 |
ゆっくり魔理沙 | 単純な比較では難しかったからな。 |
ゆっくり魔理沙 | だが、ここまで話を聞いてきたなら、
もうわかるはずだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 今の憲法が天皇を『象徴』としての
存在に留まらせるために、 |
ゆっくり魔理沙 | 一切の権力を持たないようにしてきた一方で、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では、その徹底ぶりを、
緩めるような変更をしようとしていることを。 |
ゆっくり霊夢 | 『国政に関する権能』はないといっても、
行動や影響力が広がるような変更があったよね。 |
ゆっくり魔理沙 | その通り。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、そのような変更が、憲法改正草案では、
内閣の『助言』と『承認』にもなされている。 |
ゆっくり霊夢 | どうなったの? |
ゆっくり魔理沙 | 内閣の『進言』に変わっているんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 進言?助言とどう違うの? |
ゆっくり魔理沙 | 『助言』は簡単に言ったらアドバイスだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 一方、『進言』は目上の人に意見を
述べることだ。 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、憲法改正草案では、天皇は内閣に対して目上、 |
ゆっくり魔理沙 | もっというと、天皇は国民よりも目上、
ということを言葉選びで示したことになる。 |
ゆっくり霊夢 | それって、戦前のときとおんなじような
感じにならない? |
ゆっくり魔理沙 | 極端にいえば、国民主権の否定の
はじまりになりうる一歩になるかもしれない。 |
ゆっくり霊夢 | 言葉ひとつで大げさだなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | 言葉ひとつから理屈をこねくり回して
自分の望む結論を導き出せるのが法でもある。 |
ゆっくり魔理沙 | 解釈の話で散々やっただろ? |
ゆっくり霊夢 | そうだった。 |
ゆっくり魔理沙 | しかも、『承認』の文言はなくなっている。 |
ゆっくり霊夢 | 天皇が勝手していいってこと? |
ゆっくり魔理沙 | その可能性が高まる。 |
ゆっくり魔理沙 | もちろん、『国政に関する権能』はないから、
政治的な決断をすることは難しいだろうが、 |
ゆっくり魔理沙 | 『承認』がないことで、内閣の進言に
必ずしも従わなくていい、 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、天皇が『選べる』ように
なる余地を生む解釈が可能になる。 |
ゆっくり霊夢 | それって、政治に関与できるってことじゃ? |
ゆっくり魔理沙 | そういうことになるだろうな。 |
ゆっくり魔理沙 | そのようなことが許されるならば、
天皇はいよいよ単なる象徴でなくなる。 |
ゆっくり魔理沙 | 言い方が悪いかもしれないが、 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇は何も決められず、ただ内閣の
いう通りに動いているおかげで、 |
ゆっくり魔理沙 | 単なるシンボル、マスコットである『象徴』の
地位を維持できる。 |
ゆっくり魔理沙 | しかし、自分の意思で動けるとあっては、
それはもはやひとつの国家機関だ。 |
ゆっくり霊夢 | 国を動かす仕組みの一部になるってことね。 |
ゆっくり魔理沙 | そのことを決定づけているように見えるのが、
憲法改正草案の6条5項だ。 |
ゆっくり魔理沙 | これは、今の憲法にはない条文で、
公的行為について定めている。 |
ゆっくり霊夢 | 公的行為? |
ゆっくり魔理沙 | 国事行為でもないし、私的行為でもない、
国民に対して象徴として行う活動のことだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、被災地の訪問とか、国民スポーツ大会の
観戦とかな。 |
ゆっくり霊夢 | それって今までもやってきてたでしょ? |
ゆっくり霊夢 | それが憲法に入ったからって問題なくない? |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案6条5項をよく見てくれ。 |
ゆっくり魔理沙 | 公的行為には、内閣の関与すらなくなっている。 |
ゆっくり霊夢 | 今までもそうじゃないの? |
ゆっくり魔理沙 | 今は、政府の解釈として、内閣の責任において
公的行為をしている。 |
ゆっくり魔理沙 | そもそも、憲法を素直に読むならば、4条1項で
天皇は国事行為『のみ』を行うとなっているので、 |
ゆっくり魔理沙 | 公的行為はできないはずなんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 『のみ』の2文字があることの違いは大きいって
さっき話してたもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、内閣は憲法は国の構造を決めており、
その『国の構造の一部』として天皇が行動する以外に、 |
ゆっくり魔理沙 | 人として行動することも当然あると考えている。 |
ゆっくり霊夢 | まあ、それはわかるよ。 |
ゆっくり霊夢 | 機械じゃないんだから、プライベートも
必要でしょ。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、その人としての行動の中で、象徴としての立場から
完全なプライベートとはいえない行動も出てくる。 |
ゆっくり霊夢 | まあ、芸能人が休みで町をぶらついてても、
サインを求められたら応じちゃう?みたいな? |
ゆっくり魔理沙 | それを公的行為とし、憲法上明文の根拠はないけど、
象徴の立場がある以上、当然認められるものとしている。 |
ゆっくり霊夢 | ここを当然と言い切るのは、
話が飛んでる気がしなくはないけど。 |
ゆっくり魔理沙 | ここは、理屈というよりも、昔からそうしてきたから
当然そうしてると根っこでは考えているのかもしれない。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、公的行為は国事行為ではないため、
内閣の助言と承認は必要ないと政府は考えている。 |
ゆっくり霊夢 | え?公的な部分があるけど、天皇個人の行為だから、
野放しでオッケーにしてるの? |
ゆっくり魔理沙 | まあ、そういうことだ。 |
ゆっくり魔理沙 | ただし、公的行為に政治的な影響を持つものが
含まれないように、 |
ゆっくり魔理沙 | また、象徴としての立場に反しないように、 |
ゆっくり魔理沙 | 内閣が責任を負うものと考えている、 |
ゆっくり魔理沙 | というのが、現憲法での公的行為の実態だ。 |
ゆっくり霊夢 | 一応、内閣が関与するという形ではあるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | ここで、憲法改正草案に戻ると、 |
ゆっくり魔理沙 | 公的行為について、内閣の関与なく行う可能性が
あることを憲法で明文化しようとしてるんだ。 |
ゆっくり霊夢 | それってかなり危なくない? |
ゆっくり魔理沙 | 危ないだろうな。 |
ゆっくり魔理沙 | 公的行為は天皇の意思で行えるようになり、 |
ゆっくり魔理沙 | どのような式典に参加するか否かなどで、 |
ゆっくり魔理沙 | 政治的な考えを間接的に表明することさえ
できるようになりかねず、 |
ゆっくり魔理沙 | その結果として、天皇の政治的関与が
ますますしやすくなるだろう。 |
ゆっくり霊夢 | 政府にとっても、政治利用しやすくなるわけね。 |
ゆっくり魔理沙 | どっちにしても、国民主権を脅かす危険性が
増すことは確かだな。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、自民党は、『進言』や『公的行為』
について、このように言ってるぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 『助言』と『承認』が区別されないからって、 |
ゆっくり霊夢 | 別に『進言』の一言にまとめないと
いけない理由にはならないよね? |
ゆっくり魔理沙 | そう思うよな。 |
ゆっくり魔理沙 | 私だけじゃないと信じたいんだが、
自民党の説明は、いまいち説得力に欠けるんだよな。 |
ゆっくり魔理沙 | それじゃ、第一章天皇の最後、8条に進もう。 |
ゆっくり魔理沙 | 8条は天皇や皇族が財産を譲り渡したり
譲り受けたりするには、 |
ゆっくり魔理沙 | 国会の議決を必要とする旨が定められている。 |
ゆっくり霊夢 | これはわかるよ。 |
ゆっくり霊夢 | お金は力だもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | その通りだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 天皇家は1880年代には、日本最大とも言われるの地主
であり、大企業の株も多く所有する大金持ちになった。 |
ゆっくり魔理沙 | しかも、国会は口も出せないし、
使い道も非公開で透明性も低かった。 |
ゆっくり霊夢 | そりゃお金で物事を操ることもあったでしょう。 |
ゆっくり魔理沙 | その通り、といえるほどの証拠は乏しいけども、 |
ゆっくり魔理沙 | それができる土台はあった。 |
ゆっくり魔理沙 | なんせ |
ゆっくり霊夢 | お金イズパワー。 |
ゆっくり魔理沙 | だからな。 |
ゆっくり魔理沙 | そのような土台をなくすためにも、財産を動かすのに
国会の議決を必要とすることにしたんだ。 |
ゆっくり霊夢 | でも、ちょっとしたものをプレゼントで貰うにもいちいち
国会の議決をしないといけないとなると大変じゃない? |
ゆっくり霊夢 | もし、誰かにサプライズプレゼントをあげたいって
なっても、国会で議決されたんじゃ |
ゆっくり霊夢 | サプライズじゃなくなるでしょ。 |
ゆっくり霊夢 | それどころか、極端な話、普段コンビニで買い物する
ようなときにも議決が必要って話にならない? |
ゆっくり魔理沙 | さすがに天皇がコンビニで買い物するって機会はなかなか
ないとは思うが、 |
ゆっくり魔理沙 | これらの点に対応する法律があって、日常の買い物なんか
はいちいち国会の議決はいらないと定められてるぜ。 |
ゆっくり霊夢 | さすがに、普段の買い物をいちいち国会の議決を必要
としてたら、大変だろうしね。 |
ゆっくり霊夢 | 憲法改正草案では、ここももしかして
緩くなってる? |
ゆっくり魔理沙 | するどいな。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では、法律が優先するように
なるのと、 |
ゆっくり魔理沙 | 国会の『議決』が『承認』に変わっていて、
だいぶハードルが下がっている。 |
ゆっくり霊夢 | 『議決』と『承認』って何が違うの? |
ゆっくり魔理沙 | 『議決』は実行前に多数決を取り、反対であれば
実行できなくなるのに対し、 |
ゆっくり魔理沙 | 『承認』は実行後にそれを後追いで認めるかどうかを
決めることだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 実行後だから、もちろん否決されたとしても、
無効にできない可能性がある。 |
ゆっくり霊夢 | やっちゃったんだから仕方ないとなあなあに
なりやすいんだね。 |
ゆっくり霊夢 | でも、それじゃ今の憲法で国事行為に内閣の『承認』が
必要ってなってるけど、後追いだってこと? |
ゆっくり魔理沙 | そこは私も気になったことがある。 |
ゆっくり魔理沙 | 繰り返しになるが、 |
ゆっくり魔理沙 | 国事行為については、天皇は『国政に関する権能』
がない上に、責任は内閣が負うので、 |
ゆっくり魔理沙 | 内閣が事前に内容を決めて天皇に伝え、
天皇はそれを実行するだけということになる。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、内閣の『助言と承認』は
『命令』に近いものだな。 |
ゆっくり霊夢 | 同じ言葉なのに不思議なものだね。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ、憲法改正草案では、国事行為は
内閣の『進言』に変わっちゃってるわけだけど。 |
ゆっくり魔理沙 | さて、ここまでで日本国憲法第1章天皇にある1~8条の
解説をしてきたぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 憲法が天皇を象徴としておくために、
いろいろガチガチに制限してるのがよくわかったよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 私たちは国民主権の憲法下でいるからこそ、
今のような生活を送れてる。 |
ゆっくり魔理沙 | これがもし、天皇が力を取り戻すようなことになり、
その力を利用されるようなことになったら、 |
ゆっくり魔理沙 | 想像するとゾッとするな。 |
ゆっくり霊夢 | 最後までご視聴ありがとうございました。 |
ゆっくり魔理沙 | それではまた次回! |
ゆっくり霊夢 | それではまた次回! |
編集後記
動画をつくるために、憲法改正草案についての自民党の説明文を読んだりします。
それと、今の自民党の政策の説明などを聞いていて思うのですが、
説明が下手くそというか、そんな説明で納得すると思ってるのか?と感じてしまうような説明なのです。
例えば、うまく、核心部分を説明してくれているような雰囲気で、核心部分の説明を避けていたり、明らかに違和感のあることをさも当然のように言ってみたり。
よく読みこむとそれに気づくのですが、ボーっと読むと、「まあそんなもんか」って流しちゃうんです。
僕も恥ずかしながら、最近まで政治には関心を持ってきませんでしたが、いざ関心をもってみると、「なんだそれ?」と思うことの連続です。
今まで適当に流していたのが恥ずかしい限りです。
裏を返せば平和だったってことなのかもしれないですけど。
天皇の生前退位についても、
「しんどいならやめさせてあげればいいじゃん」
くらいの感想しか、当時持ってませんでしたが、
憲法違反が議論になるくらい、大きな問題だったのですね。
それにしても、予想はしてましたが、動画の再生数伸びないですね(笑)
インプレッションもなかなか増えなくなってます。
おそらく、インプレッションにも足切りがあって、最初の少ないインプレッションのうちにクリック率やら指標が高い基準に達しないと、インプレッションを打ち切る(見えやすいところに動画のリンクを配置するのをやめる)ようにできているんだと思います。
それも、以前よりも厳しく。
いろいろ分析もしたりしたいけど、時間がなあ。

選挙が7月の3連休の中日に決まったようですね。
あと、2週間ちょっと。
ちょっと憲法解説全部は到底間に合いそうにないですね(汗)
ぼちぼち作っていくことにします。