動画概要
憲法14条:法の下の平等とは何か?
形式的平等と実質的平等の違い
憲法14条は「すべて国民は法の下に平等である」と定めています。この平等には単に「みんな同じ扱いをする」という形式的な意味だけでなく、「個々の事情に応じて配慮する」実質的な平等も含まれます。
相対的平等という考え方
現実には、状況が異なる人に全く同じ対応をすることが不合理な場合もあります。そのため、日本国憲法では形式的平等と実質的平等のバランスをとった「相対的平等」の考え方が採られています。
平等の合理性とは何か?
扱いに差を設ける場合、それが「合理的理由に基づくかどうか」が問題となります。例えば身体障害がある人にハンデをつけるのは合理的ですが、身分や家柄による差別は憲法違反とされます。
法内容と法適用の平等
憲法14条の「法の下に平等」には、法そのものの内容が平等である「法内容の平等」と、法の適用が平等である「法適用の平等」があります。
有名判例:尊属殺重罰規定違憲判決
刑法200条にあった「尊属殺(親を殺した場合)に限って死刑・無期懲役」とする条文が、14条に違反するとして最高裁で違憲とされました。この判決は、立法目的を尊重しつつも、刑罰の差が大きすぎるとして合理性を否定した点で重要な意義を持ちます。
憲法改正草案との比較
改正草案では、1項に「障害の有無」が追加されましたが、法的にはもともと含まれる内容でした。一方、3項から「いかなる特権も伴はない」という文言が削除され、特権的階級の存在が容認される懸念が出てきます。
憲法15条:公務員と選挙に関する権利
国民固有の権利とその意味
現行憲法では、公務員の選定・罷免は「国民固有の権利」とされ、国民主権の象徴でもあります。しかし改正草案ではこの「固有」の文言が削除され、国家から与えられる権利のような印象を与えます。
すべての公務員は国民全体の奉仕者
2項では、公務員は一部の利益のためではなく、国民全体のために奉仕すべきことが明記されています。これは、特定の支持団体や外国の利益に偏った行動があってはならないという指摘とも関連しています。
普通選挙と被選挙権の保障
現行憲法では、一定年齢以上のすべての国民に選挙権を保障する「普通選挙」が定められています。被選挙権は明文規定がないものの、選挙の自由を保障するため、15条1項により保障されていると解釈されています。
供託金とその合憲性の問題
立候補には多額の供託金が必要であり、それが選挙における不平等や、政治家による権力の固定化につながるという懸念もあります。合憲とされる判例はありますが、今後も議論が続くでしょう。
選挙の秘密と責任の否定
選挙においては、誰に投票したかを他人に明かす義務はなく、投票結果について責任を問われることもありません。これは、自由な投票を守るための根幹的なルールです。
憲法改正草案の懸念点
改正草案では「すべて」「固有」「保障する」といった表現が削除され、国民の権利性が後退するおそれがあります。さらに「選挙により行う場合は」という文言により、選挙以外の方法で公務員を決める道が開かれる可能性もあり、深刻な危惧が生じます。
憲法16条:請願権
請願権の内容と意義
請願権は、国民が自らの意見や希望を国や自治体に伝えるための重要な権利です。請願により差別的扱いを受けることも禁止されています。
法律上の位置づけと実態
請願法では「誠実な処理」が義務付けられていますが、実際には「届いた時点で終了」とされ、回答や対応義務はありません。
憲法改正草案の懸念点
改正草案では、現憲法にある「何人も」という文言が削除されており、外国人など特定の人への権利制限の可能性が指摘されています。
憲法17条:国家賠償請求権
国家無答責からの転換
明治憲法時代は国家が損害に対して責任を負わない「国家無答責」が原則でしたが、日本国憲法ではそれを改め、国家賠償請求権が認められました。
国家賠償法による具体化
国家賠償法1条・2条により、公務員の違法行為や、道路などの公的施設の不備により損害が生じた場合、賠償請求が可能となっています。
現実のハードルと例
職務質問による精神的損害などでは数万円程度の賠償しか認められない例もありますが、重大な事故(例:道路陥没)ではしっかりした賠償が求められます。
憲法18条:奴隷的拘束・苦役の禁止
政府見解による定義
「奴隷的拘束」は、自由な人格者として扱われないほどの強い身体拘束を指し、「苦役」は苛酷さに限らず、本人の意思に反する強制労働全般を含みます。
問題事例と法的考察
精神医療における身体拘束や強制入院が「奴隷的拘束」に当たるかが議論されることがあります。人格者でないと判断された場合には、適用除外とする解釈も存在しますが、問題がないわけではありません。
経済的搾取の観点からの再定義
一部の学説では、「奴隷的拘束」とは「経済的搾取を目的とした人格の完全支配」であると再定義することで、医療目的の拘束などを除外しています。
徴兵制との関係性
政府解釈では、徴兵制は「意に反する苦役」に該当し違憲とされていますが、憲法改正草案では表現が変化しており、徴兵制導入の余地を残す可能性が懸念されています。
憲法改正草案の条文変更とその意味
「奴隷的拘束」が「社会的又は経済的関係における身体拘束」と変更され、禁止範囲が限定的に。文言の変化により、国による拘束=政治的関係を除外する意図があるとも解釈され、徴兵制容認の伏線と受け取る声もあります。
まとめ
今回解説した憲法14条から18条は、私たちの権利と自由を保障するための重要な条文が多く含まれています。
- 14条では「法の下の平等」が形式と実質のバランスで守られていること。
- 15条では公務員に対する国民の権利と選挙の自由が明記されていること。
- 16条の請願権は一見小さな権利のようでいて、国民の声を届ける貴重な手段であること。
- 17条では公務員の不法行為による損害から救済される可能性があること。
- 18条では、誰も強制的な拘束や労働を受けないという自由の根幹が示されていること。
そして、これらの条文に対する憲法改正草案の文言変更が、どのように国民の権利を後退させる可能性があるのか、深く考察することができました。
次回は、表現の自由や通信の秘密といった、SNS規制など現代的課題にも関わる条文の解説に進んでいきます。ぜひお見逃しなく。
動画テキスト
キャラクター | セリフ |
ゆっくり魔理沙 | 前回の続きからで、14条から解説していこうか。 |
ゆっくり魔理沙 | 今回は18条まで進む予定にしている。 |
ゆっくり霊夢 | あらかじめ終わりが見えてるの
初めてじゃない? |
ゆっくり魔理沙 | もともと前回の動画の段階で18条までやる
予定にしてたけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 台本から実際動画にする段階で
話が長くなってしまったから、 |
ゆっくり魔理沙 | 動画を分けることにしたんだ。 |
ゆっくり霊夢 | そういう裏事情があったのね。 |
ゆっくり魔理沙 | 国民の権利義務に関しては、私たちの生活に
大きく関わってくるから、 |
ゆっくり魔理沙 | やっぱり力入ってしまうな。 |
ゆっくり霊夢 | それだけ大事なところってことだね。 |
ゆっくり霊夢 | 張り切ってこ。 |
ゆっくり魔理沙 | 14条はすべての国民は法の下に平等であって、
華族や貴族みたいな特権階級なんてないし、 |
ゆっくり魔理沙 | 栄誉や勲章を受けたとしても、そこに特権はない、 |
ゆっくり魔理沙 | という、不合理な差別と特権を認めず、
平等な社会の土台を築く条文となっている。 |
ゆっくり霊夢 | でも華族とか貴族とか今の時代には
いないんじゃないの? |
ゆっくり魔理沙 | それはその通りで、 |
ゆっくり魔理沙 | さらに、栄誉や勲章についても、文化勲章や紫綬褒章
などが授与されているけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 法的に特権を伴うものものじゃない。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、14条2項とか3項が問題になることは
ほとんどない。 |
ゆっくり魔理沙 | 問題になるのは、1項の『法の下の平等』だな。 |
ゆっくり霊夢 | 平等っていうと、『みんな同じ』ってことだよね? |
ゆっくり魔理沙 | 確かに、言葉の意味はそうなんだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 一口に『平等』といっても、本当に平等といえる
状態とはどういう状態なのか、という判断は難しい。 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢のいうように、『みんな同じ扱いをする』と
考えるのももちろん平等だ。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、みんな同じ扱いするというのを、すべての場合に
推し進めると、不都合が生じる場合がある。 |
ゆっくり霊夢 | どんな不都合があるのよ? |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、マラソン大会があるとして、 |
ゆっくり魔理沙 | 健常者のAさん、 |
ゆっくり魔理沙 | 足に障害のあるBさん、 |
ゆっくり魔理沙 | お偉いさんの息子で小学生のC君が
参加するとする。 |
ゆっくり霊夢 | 変わったマラソン大会ね。 |
ゆっくり魔理沙 | このとき、霊夢のいうように、みんな同じ扱いをする、 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、同じ時間、同じ距離、同じルートで
走らせるのは平等か? |
ゆっくり霊夢 | いやあ、Aさんが勝っちゃうのが目に見えるから
平等とはいえないかも。 |
ゆっくり霊夢 | ハンデとかつけたほうがいいかな。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだよな。 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢の言っていたように、個々の違いに関係なく、
全員同じ扱いをするのを |
ゆっくり魔理沙 | 『形式的平等』とか『機会の平等』というんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、Bさんに補助をつけて距離を短く、
C君にスタートを早める上に距離を短くするなど、 |
ゆっくり魔理沙 | 弱い人に配慮してハンデをつけることを
『実質的平等』や『結果の平等』という。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、14条の『平等』は、形式的平等と
実質的平等の間をとるかのような、 |
ゆっくり魔理沙 | 『相対的平等』であると言われている。 |
ゆっくり霊夢 | どういう感じになるの? |
ゆっくり魔理沙 | 状況が同じなら形式的平等のように
同じ扱いをすべきだし、 |
ゆっくり魔理沙 | 状況が違うなら、
実質的平等の観点からその違いに応じて、 |
ゆっくり魔理沙 | 違う扱いが許される、あるいは
違う扱いが必要となる場合がある。 |
ゆっくり魔理沙 | ただし、その扱いの違いには合理的な理由が必要だ。 |
ゆっくり霊夢 | マラソン大会の例でいえば? |
ゆっくり魔理沙 | 健常者と障害がある、大人と子供という違いから
適切なハンデをもうけるのは |
ゆっくり魔理沙 | 合理的理由があるから許されるけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 『お偉いさんの息子だから走る距離を1キロだけにする』 |
ゆっくり魔理沙 | みたいな理由で扱いを変えるのは、 |
ゆっくり魔理沙 | 合理的な理由でないから
許されない。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに。 |
ゆっくり霊夢 | 身体的に不利だからハンデをつけるのはわかるけど、 |
ゆっくり霊夢 | お偉いさんの息子だからという理由は納得できないね。 |
ゆっくり魔理沙 | もちろん、合理的かどうかは、
弱者かどうかだけで決まるわけじゃないけどな。 |
ゆっくり霊夢 | 『平等』についてはかなり
わかった気がする。 |
ゆっくり魔理沙 | 話を憲法に戻すけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 14条の『平等』は『法の下に』平等であることを
求めていて、 |
ゆっくり魔理沙 | それには、『法内容の平等』と『法適用の平等』
意味があるとされている。 |
ゆっくり霊夢 | はん? |
ゆっくり魔理沙 | 法内容の平等っていうのは、
法の中身が平等がどうかってこと。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、政治家はスピード違反をしても
罰せられないという法律が作られたとする。 |
ゆっくり魔理沙 | どう思う? |
ゆっくり霊夢 | なんで政治家だけなのよ。 |
ゆっくり霊夢 | その差別は明らかに合理的じゃないでしょ。 |
ゆっくり魔理沙 | だよな。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、この法律は法内容の平等に
違反し、憲法違反の可能性が高い。 |
ゆっくり霊夢 | そりゃそうだよね。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、法適用の平等っていうのは、
法の使われ方が平等ってこと。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、スピード違反をした者は
一律罰金1万円という法律ができたとする。 |
ゆっくり魔理沙 | 当然だが、スピード違反した人は1万円
払わされるわけだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 政治家だけなぜか警察が見逃していた。 |
ゆっくり霊夢 | 日本には特権階級は
なかったんじゃないの? |
ゆっくり魔理沙 | そう。 |
ゆっくり魔理沙 | 政治家だけこの法律を適用しないという
差をつける合理的理由がないので、 |
ゆっくり魔理沙 | この法律の適用状態は、
法適用の平等に反して憲法違反だといえる。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、現実では、法適用の平等は警察や検察などの
行政の問題であり、 |
ゆっくり魔理沙 | 法の適用に裁量があったり、明確な不平等の証明
がしづらいことが多く、 |
ゆっくり魔理沙 | 14条違反を指摘しづらい。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、合理性のある差をつける場合は、 |
ゆっくり魔理沙 | 法の内容段階で条件づけをしたり
場合分けをしたりして差をつけるので、 |
ゆっくり魔理沙 | 結局、ほとんどの不平等状態は法内容の平等で
改善を目指すことになる。 |
ゆっくり霊夢 | ふーん。 |
ゆっくり霊夢 | 話を14条1項の続きに戻すけどさ、 |
ゆっくり霊夢 | 平等の話が問題になるのは、
この条文に書いてある |
ゆっくり霊夢 | 人種やら信条やらの場合に限られるの? |
ゆっくり魔理沙 | いや、限られない。 |
ゆっくり魔理沙 | 判例で、14条1項に挙げられたのは、
例として挙げただけであって、 |
ゆっくり魔理沙 | 挙げられたものだけに限られないと
示している。 |
ゆっくり霊夢 | さすがにそうだよね。 |
ゆっくり霊夢 | 聞いてみただけよ。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、例で挙げられた各内容の意味は
こんな感じだぜ。 |
ゆっくり霊夢 | どうしてわかってないってわかったの? |
ゆっくり魔理沙 | たぶんそうだろうなあって。 |
ゆっくり魔理沙 | あと、14条1項には有名な判例が
あるから、触れておこうか。 |
ゆっくり魔理沙 | 昔、刑法の200条に『自己又ハ配偶者ノ直系尊属ヲ
殺シタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ処ス』という、 |
ゆっくり魔理沙 | いわゆる尊属殺規定というものがあった。 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、親を殺すと、通常の殺人罪よりも重い刑罰に
なっていたんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 今聞くと、全然合理性がない差別だと思うんだけど。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ、昔の『家』という考え方に深く関係している、
つまり昔からの習わし的条文だったんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 時代遅れだったけど放置されてたみたいな? |
ゆっくり魔理沙 | 確かに、このとき問題にならなければ、
今でも残ったままだったかもしれない。 |
ゆっくり魔理沙 | で、この判例の事件というのが、 |
ゆっくり魔理沙 | ざっくりいうと、ものすごくひどい父親を
娘が殺してしまったという事件なんだ。 |
ゆっくり霊夢 | どうひどかったの? |
ゆっくり魔理沙 | 性的虐待を長年繰り返し、
5人の子供を産ませるなど、 |
ゆっくり魔理沙 | 言葉だけでもひどさが
伝わるものだ。 |
ゆっくり霊夢 | うっ。 |
ゆっくり魔理沙 | そして最高裁で、刑法200条は
憲法14条に違反して無効とされたんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | この判決では、 |
ゆっくり魔理沙 | 刑法200条が尊属のみ差別していることが、
憲法14条1項の違反かが問題になった。 |
ゆっくり魔理沙 | で、刑法200条の立法目的がまず検討された。 |
ゆっくり魔理沙 | 卑属は尊属に育てられるし、尊属は卑属の行動に
法律上や道義上の責任も負うことになる。 |
ゆっくり魔理沙 | 卑属というのは子供側のことな。 |
ゆっくり魔理沙 | なので、尊属に対して敬い恩に報いるべき
という考え方は、刑法上の保護に値するといい、 |
ゆっくり魔理沙 | この立法目的からは、尊属だけ差別的に扱うことについて
合理的根拠がないとすることはできないとし、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法14条1項に違反するとはいえないとした。 |
ゆっくり霊夢 | 親を敬って感謝して
大切にしたほうがいいのはわかるけど、 |
ゆっくり霊夢 | 尊敬とか感謝って、法律で強制されるものじゃなくて、
自分の中で感じてくるものだと思うんだけどな。 |
ゆっくり霊夢 | とはいえ、結局は14条1項に違反する
って結論になったんだよね? |
ゆっくり霊夢 | どういう理屈なの? |
ゆっくり魔理沙 | 早い話が、差をつけすぎたのが
良くないって理屈だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 刑法199条と比較して、
めちゃくちゃ重い刑になってるのは明らかだし、 |
ゆっくり魔理沙 | 無期懲役では減軽しても、執行猶予をつけることが
できなかったんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 199条だと執行猶予の可能性はあるわけだから、 |
ゆっくり魔理沙 | これは大きな差になるよな。 |
ゆっくり霊夢 | それは確かに大きい。 |
ゆっくり魔理沙 | しかも、卑属が、悪くない尊属を殺した場合でも、
199条で十分対応ができる。 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、200条をわざわざ使わなくても、 |
ゆっくり魔理沙 | 尊属に対して刑法上の保護を手厚く
することはできる。 |
ゆっくり霊夢 | 199条のMax刑は4刑だもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | なので、尊属に対する敬い恩に報いるべき
という考え方だけでは、 |
ゆっくり魔理沙 | この大きな差別に納得できる理由としては弱く、
合理的な差別とはいえない。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、刑法200条は立法目的達成の
ために必要な限度をはるかに超え、 |
ゆっくり魔理沙 | 刑法199条に比べて不合理な差別だと
いえ、憲法14条1項違反だとしたんだ。 |
ゆっくり霊夢 | なんか腑に落ちないんだけど。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ、この判決に関わった裁判官の意見の中には、
尊属で分けること自体が憲法14条に反する |
ゆっくり魔理沙 | という意見のほか、多くの意見が
挙げられているからな。 |
ゆっくり魔理沙 | 裁判官は難しかったと思うぜ。 |
ゆっくり霊夢 | ところで、この条文も憲法改正草案
では変わってるの? |
ゆっくり魔理沙 | ああ、変わっているぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | 特に変わったのは、1項と3項だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 1項は、『障害の有無』という内容が追加された。 |
ゆっくり霊夢 | これで何か変わる? |
ゆっくり魔理沙 | いや、特に大きな変化はないかな。 |
ゆっくり魔理沙 | さっきも言ったように、1項に挙げられている
のは例として並べられているだけで、 |
ゆっくり魔理沙 | 挙げられている内容以外の差別でも、
14条1項の対象になる。 |
ゆっくり魔理沙 | おそらく、障害の有無による差別に対して
力を入れていくというアピールだと思う。 |
ゆっくり霊夢 | なるほど。 |
ゆっくり魔理沙 | 問題は3項だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 3項からは、『いかなる特権も伴はない』 |
ゆっくり魔理沙 | という文言が削除されている。 |
ゆっくり霊夢 | ということは、これって、、、 |
ゆっくり魔理沙 | そう、特権を持つ正式な上級国民が
誕生する可能性があるんだ。 |
ゆっくり霊夢 | それって、法の下の平等に反するんじゃない? |
ゆっくり魔理沙 | ああ、同じ条文内で矛盾を生じることになる。 |
ゆっくり魔理沙 | 1項で平等であって、差別されないって
言ってるのに、 |
ゆっくり魔理沙 | もし3項から特権が得られるなら、
明らかに平等じゃないからな。 |
ゆっくり霊夢 | でも、特権を与えることができるように
なるとして、何が狙いなの? |
ゆっくり魔理沙 | あくまで推測だけど、例えば国に協力的な人間に
特権付きの栄典を与えるとすれば、 |
ゆっくり魔理沙 | 国に協力的な人が増え、国を都合よく
動かしやすくなるんじゃないだろうか。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、特典を与えられた人間は、
国に逆らいにくくもなる。 |
ゆっくり魔理沙 | 偏向報道の傾向がみられるマスコミを
見てると、よくわかるだろ。 |
ゆっくり霊夢 | テレビの電波を使えているというのは、
ある意味特権に近い部分があるだろうしね。 |
ゆっくり魔理沙 | こんなところで14条は終わりにして
15条に進もう。 |
ゆっくり魔理沙 | 15条は全体として、公務員についてと、
選挙についての話になっている。 |
ゆっくり魔理沙 | 1項から順に説明していこう。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法15条1項は、公務員を選ぶ、そして辞めさせるのは
国民固有の権利であるとしている。 |
ゆっくり霊夢 | そうなの? |
ゆっくり霊夢 | じゃあ、この前職務質問してきた警察官腹立ったから
辞めさせてやればよかったかな。 |
ゆっくり魔理沙 | 頭だけの存在って怖いし、
私たちが街中をうろつけば職務質問されるのは当然だろ。 |
ゆっくり霊夢 | は? |
ゆっくり魔理沙 | 真面目な話をすると、憲法上
選挙で直接選べるのは、 |
ゆっくり魔理沙 | 国会議員、地方議会の議員、地方公共団体の長だけで、 |
ゆっくり魔理沙 | 直接辞めさせることができるのは、 |
ゆっくり魔理沙 | 最高裁判所の裁判官だけだ。 |
ゆっくり霊夢 | たったそれだけ? |
ゆっくり霊夢 | 国民固有の権利はどうした? |
ゆっくり魔理沙 | 『固有』は日本国民であることで当然に持っている権利
であることを示しており、 |
ゆっくり魔理沙 | 国民主権であることを強調しているんだろう。 |
ゆっくり魔理沙 | なにより、すべての公務員を選挙で選んでいたら収拾
つかなくなるしな。 |
ゆっくり霊夢 | それはそうだけど。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、ここでいう『国民』は権利の性質上、
日本国籍保有者に限られるとされてるぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 当然だよね。 |
ゆっくり魔理沙 | ただし、地方については、永住外国人にも選挙権を与えて
もいいのではないかという議論もある。 |
ゆっくり霊夢 | まあ、住民税とかちゃんと払うもの払ってるんなら、
まあいいのかも? |
ゆっくり魔理沙 | なんにせよ、この条文は国民が主権者であり、
公務員は国民の下の立場にある、 |
ゆっくり魔理沙 | ということを明言した条文であるといえる。 |
ゆっくり霊夢 | だったら私のいうことを聞かせるまでよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 公務員だって、そもそもは国民だぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | 仕事として国民のために働いていることを
忘れるな。 |
ゆっくり霊夢 | しゅん。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、公務員だからって、霊夢一人の都合だけで
働いてくれるわけじゃない。 |
ゆっくり魔理沙 | それをあらわしているのが、次の2項だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法15条2項は、すべての公務員は国全体の奉仕者
であって、一部の奉仕者でないとしている。 |
ゆっくり魔理沙 | つまり、一部の人間や団体に都合のいいような
ことをするのではなくて、 |
ゆっくり魔理沙 | 国全体や社会全体に奉仕するために
働かないといけないということを示している。 |
ゆっくり霊夢 | 割と一部の味方をしているような政治家や、それどころか
外国の味方みたいに感じる政治家までいるんだけど? |
ゆっくり魔理沙 | それは私も思いあたることはあるけど、 |
ゆっくり魔理沙 | そういう政治家には、選挙で『あなたは政治家という
公務員に適していない』と意思を表明していくしかない。 |
ゆっくり魔理沙 | 選挙で当選するほどの票が得られるということは、 |
ゆっくり魔理沙 | 『あなたに政治家という公務員になってほしいです』と
メッセージを送ることになっているわけだからな。 |
ゆっくり魔理沙 | 本来なら、どんな考え方を持っている政党や
政治家であれ、 |
ゆっくり魔理沙 | 国民全体のために、よりよい政治を
していくぞ、 |
ゆっくり魔理沙 | というのが当たり前ではあるんだけどな。 |
ゆっくり霊夢 | よし、絶対選挙いくぞお。 |
ゆっくり魔理沙 | 続いて、憲法15条3項は、公務員の選挙は
成年者による普通選挙を保障している。 |
ゆっくり魔理沙 | 普通選挙っていうのは、一定年齢以上のすべての国民が、
性別や財産などの条件なく選挙権を持つ選挙のことだ。 |
ゆっくり霊夢 | 昔は選挙権が男性のみだったんだよね。 |
ゆっくり魔理沙 | 昔とはいうけど、男女平等の普通選挙になったのは、
1945年だぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 意外と最近。 |
ゆっくり魔理沙 | だって、今の憲法になって普通選挙が実施
されるようになったんだから。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、選挙に立候補する権利、
被選挙権も、文言としてはないけど、 |
ゆっくり魔理沙 | さっき解説した15条1項で保障されると解釈されている。 |
ゆっくり霊夢 | なんでまったく明記もないのに保障されるのよ? |
ゆっくり魔理沙 | ある人に立候補について不当な制約があると、
その人は立候補ができなくなるわけで、 |
ゆっくり魔理沙 | そうなると、選挙人はそのある人を選ぶこと
ができなくなり、 |
ゆっくり魔理沙 | 結局、選挙人の自由な意思の表明による
選挙が妨害されることになってしまうからな。 |
ゆっくり霊夢 | 選挙の自由を守ることの裏返しってことか。 |
ゆっくり霊夢 | でも、選挙出るのも供託金でお金とられるよね? |
ゆっくり霊夢 | それは不当な制約じゃないの? |
ゆっくり魔理沙 | 一応国会の裁量の範囲内として
合憲とされているらしい。 |
ゆっくり魔理沙 | 平成11年の最高裁判決があるらしいが、
なぜか判決文は見つからなかった。 |
ゆっくり霊夢 | 供託金は選挙に立候補しようと
いう気持ちをそぐ、 |
ゆっくり霊夢 | 大きなブレーキになってしまう
ものだと思うんだけど、 |
ゆっくり霊夢 | それを国会の裁量に任せるというのは、 |
ゆっくり霊夢 | 現に政治家になっている人間の権力が
ますます強くなることにつながらない? |
ゆっくり魔理沙 | するどいな霊夢。 |
ゆっくり魔理沙 | 私もその通りだと思うぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | それどころか、憲法14条の法の下の平等に
反するといえる可能性すらあると思う。 |
ゆっくり魔理沙 | 供託金の合憲性については、
たびたび裁判になっているし、 |
ゆっくり魔理沙 | おそらく今後も裁判になっていくだろうから、
要注目だな。 |
ゆっくり霊夢 | 供託金がなくなったら、私も立候補しようかしら。 |
ゆっくり魔理沙 | 被選挙権の保障については、15条1項の話だけど、
普通選挙に『条件がない』という話の流れから、 |
ゆっくり魔理沙 | ここで紹介させてもらったぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 私が公務員に言うこと聞かせようとか言ってたしね。 |
ゆっくり魔理沙 | じゃあ、このへんで次に進もう。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法15条4項は、選挙の秘密と、選挙について公的にも
私的にも責任が問われないことを伝えている。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、誰に投票したのかを人に言う必要はないし、
『○○党に入れて』、なんて知り合いから言われても、 |
ゆっくり魔理沙 | 従う必要はない。 |
ゆっくり霊夢 | 昔はある党からよくお願い来てた気がするなあ。 |
ゆっくり霊夢 | 投票用紙も、そういえば誰が誰に投票したのか
わからないようになってるね。 |
ゆっくり魔理沙 | 投票の秘密にしても、
責任を問われないことにしても、 |
ゆっくり魔理沙 | 1番の理由は自由な意思に
よる選挙をしてもらうためだ。 |
ゆっくり霊夢 | 別に他人に投票先知られようが、
好きに入れるけど? |
ゆっくり魔理沙 | みんなが霊夢みたいな人ならいいんだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | もし投票結果が他人に
知られるようなことがあったら、 |
ゆっくり魔理沙 | それを理由に脅しをかけてきたり |
ゆっくり魔理沙 | 金で投票先を操作しやすくなってしまう。 |
ゆっくり魔理沙 | 投票先がわからなければ、 |
ゆっくり魔理沙 | 脅しや金を払う効果が本当に
あるのかわからないので、 |
ゆっくり魔理沙 | やりようがないだろ? |
ゆっくり霊夢 | たしかに、口では『わかりました、○○に投票します』
と言ってても、 |
ゆっくり霊夢 | 実際には違うところに投票することもできるし、
ばれないもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | 『公的にも私的にも責任を問われない』
というのも、 |
ゆっくり魔理沙 | 投票先が知られなければ、
選択に責任を問いようもない。 |
ゆっくり霊夢 | 投票の秘密は外の影響をシャットアウトすることで、
自分の意思だけに従って投票できるのね。 |
ゆっくり魔理沙 | そういうこと。 |
ゆっくり魔理沙 | だが、憲法改正草案の15条では、 |
ゆっくり魔理沙 | 公務員の選定・罷免や選挙について、
国民の権利性が下げられてしまっている。 |
ゆっくり霊夢 | どんな風に? |
ゆっくり魔理沙 | まずは1項の『固有』の権利という部分が
なくなってしまっているんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 固有の権利って、生まれつき持っている権利
ってことだったよね? |
ゆっくり魔理沙 | その通り。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、この『固有』の文言を
わざわざ消したのは意味があると考えるのが自然だ。 |
ゆっくり霊夢 | 公務員の選定・罷免の権利は
生まれつきの権利じゃない、 |
ゆっくり霊夢 | 国が認めている権利だって
主張したいのか。 |
ゆっくり魔理沙 | おそらくそういうことだろうな。 |
ゆっくり魔理沙 | その意図が4項の文言から感じ取れる。 |
ゆっくり魔理沙 | 現憲法では、投票の秘密は、
『侵してはならない』と言ってるのに対し、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では、『侵されない』となっている。 |
ゆっくり霊夢 | ほんとだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 『侵してはならない』という言い方は、
国に向かって禁止している言い方なんだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 『侵されない』という言い方は、
国が国民に向かって、 |
ゆっくり魔理沙 | 『侵さないよ、安心してね』と国が
自重しているような言い回しだ。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、そのような言い方ができるのは、
国がその権利を与えているからだといえる。 |
ゆっくり霊夢 | それで、1項の『固有』の文言を
消したこととリンクしてくるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そういうこと。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、『すべて』という文言も消していることから、 |
ゆっくり魔理沙 | 投票の秘密が侵される可能性があることにも
注意しないといけない。 |
ゆっくり霊夢 | 『侵されない』って言ってるのに? |
ゆっくり魔理沙 | 12条のところで話したと思うが、『自由及び権利』は
『常に公益及び公の秩序に反してはならない』 |
ゆっくり魔理沙 | って言ってるんだぜ? |
ゆっくり魔理沙 | 何かしらの理由をつけて『公益に反する』なんていえば、 |
ゆっくり魔理沙 | 選挙の秘密だろうが制限してくる可能性は
十分に考えられる。 |
ゆっくり霊夢 | そんなのってありなの? |
ゆっくり魔理沙 | それどころか、憲法改正草案は、
普通選挙も保障する気がないのかもしれない。 |
ゆっくり霊夢 | 『保障する』って文言が消されてる。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだよな。 |
ゆっくり魔理沙 | すぐに目がいきがちなのはそこだろうけど、 |
ゆっくり魔理沙 | もっとヤバいと思われるのは、
『選挙により行う場合は』という文言についてだ。 |
ゆっくり魔理沙 | この文言は、公務員の選定を選挙でない方法で
行うことを示しているようにも読み取れる。 |
ゆっくり霊夢 | え?選挙じゃなかったらどうやって選ぶの? |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案下では、天皇が任命することも
できるだろ。 |
ゆっくり魔理沙 | 国事行為に限定がないんだから。 |
ゆっくり霊夢 | そうだ、国民主権もあやしんだった。 |
ゆっくり魔理沙 | それと、個人的には外国人の参政権が
絶対禁止になることも気になる。 |
ゆっくり魔理沙 | 『日本国籍を有する』者だけに限定してるからな。 |
ゆっくり霊夢 | いいじゃん。 |
ゆっくり霊夢 | 日本人ファーストで。 |
ゆっくり魔理沙 | そういう見方もできるが、 |
ゆっくり魔理沙 | 今話題の『日本人ファースト』も、すべての
外国人をどうにかしようとは思ってないと思うぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | もちろん、日本という国の中で、日本人よりも
外国人が優先されるのはおかしな話だと思うが、 |
ゆっくり魔理沙 | 外国人の労働力によって、日本が
助けられていることも事実だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 私が知っている外国人も真面目に長年働いている。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、きちんと日本で働いて日本に税金を
納めている外国人には、 |
ゆっくり魔理沙 | 国に関する選挙権はさすがに難しいとしても、
地方の選挙権はさすがにあっていいと思うんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | じゃないと、日本のためになる
外国人がこなくなってしまう懸念がある。 |
ゆっくり霊夢 | 工事現場やコンビニなんかでは、
外国人みかけること多くなったよね。 |
ゆっくり魔理沙 | 現憲法下でも、外国人に地方選挙権を
認めるかどうかという議論は長年ある。 |
ゆっくり魔理沙 | そんな議論をする余地すらぶっ潰して、
日本国籍保有者限定にするのは、 |
ゆっくり魔理沙 | やりすぎだと思う。 |
ゆっくり霊夢 | 働ける年代の日本人はどんどん減ってるって
ニュースで見るし、 |
ゆっくり霊夢 | 外国人の助けを借りないといけないだろう
ということは、私も思うよ。 |
ゆっくり魔理沙 | こんなところで次の条文に進もう。 |
ゆっくり魔理沙 | 16条は、請願権について規定している。 |
ゆっくり魔理沙 | 請願権は、国や地方公共団体に
何か気になることがあるなら、 |
ゆっくり魔理沙 | その意見や希望、クレームを伝え、
対応や改善を願い出る権利だ。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、請願したことによって差別待遇、つまり不利益を
受けないことを定めている。 |
ゆっくり霊夢 | 私が職務質問を受けたこともクレーム入れられるの? |
ゆっくり魔理沙 | まあ、入れることはできる。 |
ゆっくり霊夢 | なんか言いたげな言い方ね。 |
ゆっくり魔理沙 | 請願に関する法律として、
請願法という法律が存在するのだが、 |
ゆっくり魔理沙 | その5条においては、請願は『受理し誠実に処理
しなければならない』とされている。 |
ゆっくり霊夢 | いいじゃない。誠実に処理しなさいよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 一応言っておくけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 国の請願権の考え方は、とりあえず請願が該当部署に
届いた時点で目的は達成されると解釈されており、 |
ゆっくり魔理沙 | その処理や経過や結果を報告する義務まで負わせるもので
はないとされているぞ。 |
ゆっくり霊夢 | は?なにそれ? |
ゆっくり霊夢 | それじゃ一方通行じゃないの。 |
ゆっくり霊夢 | アドレス間違えたメールですら、
アドレス不明で届きませんでしたってかえって来るわよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 個人的にはさすがに報告くらいしろよとは思うが、
現状はそうなっている。 |
ゆっくり霊夢 | なんだかんだ都合よく解釈してるわね。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、請願権は『何人も』とあるように、
国民に限らず外国人にも及ぶとされているぜ。 |
ゆっくり霊夢 | そりゃ、言わしときゃいいだけなんだから、
誰に認めようが意味がないもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、憲法改正草案では、この『何人も』
が問題になる。 |
ゆっくり霊夢 | え?こんな現状無意味に近い条文にまで
手を入れてるの? |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案16条では、現憲法の条文
を2項に分け、 |
ゆっくり魔理沙 | 2項では『何人も』という文言を
削除している。 |
ゆっくり霊夢 | さすがにこれは何か狙いがありそう。 |
ゆっくり魔理沙 | 人によっては、差別待遇をしてもいい
と解釈される可能性はあるな。 |
ゆっくり霊夢 | さすがに、請願権が外国人にまであるとされるんだから、 |
ゆっくり霊夢 | 請願した者も、『何人も』になるわけで、
そこまでしないでしょ? |
ゆっくり魔理沙 | 普通に考えればそうだけど、
わざわざ文言を抜いたことは気になるな。 |
ゆっくり魔理沙 | 過去の動画でも法に関しては
触れてきたけど、 |
ゆっくり魔理沙 | ちょっとした文言1つで、
解釈が大きく変わるところは見てきたはずだ。 |
ゆっくり霊夢 | それはそう。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、別にそのままでも問題ないのに、
あえて文言を変えるというのは、 |
ゆっくり魔理沙 | なんらかの意図があると
考えたほうがいいとは言っておく。 |
ゆっくり魔理沙 | これは別に憲法に限った話じゃないぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 肝に銘じておきます。 |
ゆっくり魔理沙 | 次、憲法17条。 |
ゆっくり魔理沙 | 公務員にやらかされて、損害を受けたときは、法律の定め
により、国や公共団体に損害賠償を求めることができる |
ゆっくり魔理沙 | と定められている。 |
ゆっくり霊夢 | 私が受けた屈辱を晴らすのに
必要な制度はこちらだったか。 |
ゆっくり魔理沙 | そうかなあ? |
ゆっくり魔理沙 | とりあえず説明を続けると、 |
ゆっくり魔理沙 | 大日本帝国憲法のときは、
『国家無答責の法理』といって、 |
ゆっくり魔理沙 | 国や公務員の違法な行為によって損害が生じても、国が
その損害の賠償責任を負わないという原則があった。 |
ゆっくり霊夢 | そんな理不尽な。 |
ゆっくり魔理沙 | なので、日本国憲法になったときに17条が入れられ、 |
ゆっくり魔理沙 | また、これに伴い国家賠償法もできた。 |
ゆっくり魔理沙 | 国家賠償法1条、2条では、国家賠償される場合の要件が
定められている。 |
ゆっくり霊夢 | 私の職務質問への賠償は? |
ゆっくり魔理沙 | 検討するとしたら、1条になるだろうなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、ケガさせられたとかでないんなら、 |
ゆっくり魔理沙 | もらえたとしても大した金額にならないぜ。 |
ゆっくり霊夢 | そうなの? |
ゆっくり魔理沙 | 職務質問は、警察官職務執行法2条1項により、
犯罪に関わっていそうな怪しい人物と疑われる場合に、 |
ゆっくり魔理沙 | その人を停止させて質問することができるんだが、 |
ゆっくり魔理沙 | そんなに怪しいとは認められないのに職務質問&
所持品検査をした地裁の判例があって、 |
ゆっくり魔理沙 | そのときに認められたのは、
約200万円の請求に対して5万円だ。 |
ゆっくり霊夢 | そんなものなの。 |
ゆっくり魔理沙 | ケガを負わされたとかになってきたら
話は別だろうけどな。 |
ゆっくり魔理沙 | あと、国家賠償法2条1項は、道路とか公共の設備に瑕疵
があって損害が発生した場合の |
ゆっくり魔理沙 | 賠償責任について定めている。 |
ゆっくり霊夢 | それって、埼玉の八潮でおきた道路陥没事故みたいな
ことも対象になるの? |
ゆっくり魔理沙 | もちろん。 |
ゆっくり魔理沙 | まさに、この2条1項が適用されるかどうかとなる場面だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 道路陥没には自賠責保険は適用されないらしいし、
人が亡くなっているのだから、 |
ゆっくり魔理沙 | しっかり賠償してもらいたいものだな。 |
ゆっくり霊夢 | 舞空術でも使えない限り、道路を通らないわけにも
いかないし、他人事じゃないね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | じゃあ憲法解説に戻って、
今回の動画の最後、18条に進むぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | 18条は誰も奴隷的拘束も受けないし、意に反しない苦役を
させられることはないことを定めている。 |
ゆっくり霊夢 | 『奴隷的拘束』とか『苦役』っていまいちわかりそうで
ピンとこないなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | じゃあそれぞれ政府の考えを出してみようか。 |
ゆっくり魔理沙 | 『奴隷的拘束』とは自由な人格者であることと
両立しない程度に身体の自由が拘束されている状態 |
ゆっくり魔理沙 | であるとしている。 |
ゆっくり魔理沙 | 相手を人とは思わず、まるで道具のように扱う感じと
思ってもらったらいいかな。 |
ゆっくり霊夢 | で、でも、そういうご趣味の方々もいるんじゃ? |
ゆっくり魔理沙 | 『苦役』について『意に反する』とわざわざ加えているの
をみると、『奴隷的拘束』については、 |
ゆっくり魔理沙 | たとえ同意があったとしても、認められないと思うな。 |
ゆっくり霊夢 | わ、私がそういう趣味ってわけじゃないからね。 |
ゆっくり魔理沙 | 何を動揺してるんだよ。 |
ゆっくり魔理沙 | この『奴隷的拘束』について、定義についても『自由な
人格者であること』とはどういう状態か、 |
ゆっくり魔理沙 | というあいまいな部分を残している。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに? |
ゆっくり魔理沙 | この点、大きな問題になりそうなのが、精神保健福祉法
における身体拘束だ。 |
ゆっくり霊夢 | 暴れてどうしようもない患者を
ベッドに縛りつけるみたいな? |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 参考として、大阪精神医療人権センターのサイトを引用
させてもらうが、 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、両手両足と胴を拘束する五点拘束というものの
様子がこれだ。 |
ゆっくり霊夢 | うわ。 |
ゆっくり魔理沙 | 『寝がえりが打てないことはない』みたいだけど、
相当しんどそうだ。 |
ゆっくり魔理沙 | もちろん、このような拘束をするためには、暴れて困る
みたいな安易な理由では許されず、 |
ゆっくり魔理沙 | 放置すれば患者本人の命の危険があるなど、 |
ゆっくり魔理沙 | めちゃくちゃ厳しい要件を満たした場合のみ可能である
とされている。 |
ゆっくり霊夢 | この身体拘束が『奴隷的拘束』にあたるかどうかが
問題ってこと? |
ゆっくり魔理沙 | いや、現状の法律もあるし、そもそも
医療上必要な場合もあるだろうから、 |
ゆっくり魔理沙 | あたらないと解釈する余地は残した方がいいという結論
は多くの人の中で一致するところだと思う。 |
ゆっくり霊夢 | じゃあ何が問題なの? |
ゆっくり魔理沙 | あたらない理由だな。 |
ゆっくり霊夢 | 理由? |
ゆっくり魔理沙 | 身体拘束ではないんだけど、精神科病院への強制入院が
『奴隷的拘束』に当たらないかは考えられていて、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法学の世界では、『奴隷的拘束』の定義から、 |
ゆっくり魔理沙 | 拘束される患者が、ざっくりいえば『自由な人格者』
でないから『奴隷的拘束』にあたらない、 |
ゆっくり魔理沙 | と考えているようなんだ。 |
ゆっくり霊夢 | その理屈大丈夫そう? |
ゆっくり魔理沙 | ここで、おもしろい考え方があったので、
参考にさせてもらう。 |
ゆっくり魔理沙 | 石埼学氏の論文『隔離及び身体的拘束』によると、 |
ゆっくり魔理沙 | 精神保健福祉法29条1項による強制入院は、 |
ゆっくり魔理沙 | 対象者が自分や他人などに害を起こす可能性があると
診察により認められた場合にとられる処置であり、 |
ゆっくり魔理沙 | 『自由な人格者』であるかどうかが
判断されるわけではない。 |
ゆっくり霊夢 | そうよね。誰が決めるのって話よね。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、石井氏は『奴隷』の部分に着目した理由付けを
考えている。 |
ゆっくり霊夢 | ほう? |
ゆっくり魔理沙 | 奴隷は、『経済的搾取を目的として、
一人の人間が別の人格を完全に支配すること』 |
ゆっくり魔理沙 | と定義されると言われており、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法18条の『奴隷的拘束』も、『経済的搾取目的での
人間による他者の人格の完全支配』 |
ゆっくり魔理沙 | と、定義することができる。 |
ゆっくり霊夢 | つまり? |
ゆっくり魔理沙 | つまり、拘束する理由に、
利益を搾り取る目的が必要と主張しているんだ。 |
ゆっくり霊夢 | じゃあ、病院での身体拘束は、別に利益を絞りとる目的
じゃないから、『奴隷的拘束』にあたらないってことか。 |
ゆっくり魔理沙 | そういうこと。 |
ゆっくり魔理沙 | この見解に従えば、霊夢がさっき言っていた、『そういう
趣味』についても、『奴隷的拘束』にはあたらない、 |
ゆっくり魔理沙 | となるはずだ。 |
ゆっくり霊夢 | よかった。 |
ゆっくり魔理沙 | やっぱりそういう趣味が? |
ゆっくり霊夢 | 違うよ。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、経済搾取目的が必要とするのは、
それはそれで問題がないこともない。 |
ゆっくり霊夢 | 例えばどんな問題? |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、国の都合で拘束する
ということが可能になってくる。 |
ゆっくり霊夢 | そっか。国の都合が経済的搾取目的
とは限らないもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | この話はまた後で詳しく話そう。 |
ゆっくり魔理沙 | 余談が長くなっちゃったけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法18条に戻って、『その意に反する苦役』について
政府見解は、 |
ゆっくり魔理沙 | 『その意に反する役務のうちその性質が苛酷なものとか
苦痛を伴うもののみに限られず、 |
ゆっくり魔理沙 | 広く本人の意思に反して強制される役務をいうもの
と解釈している。 |
ゆっくり魔理沙 | なので、たとえ通常の役務であっても、
本人の意思に反して強制される以上、 |
ゆっくり魔理沙 | 『その意に反する苦役』に当たることになるわけだ。 |
ゆっくり霊夢 | おお? |
ゆっくり魔理沙 | たとえば、カイジの地下強制労働みたいなことは
ダメってことだな。 |
ゆっくり霊夢 | なるほど。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、災害時などの緊急時については、 |
ゆっくり魔理沙 | 公共の福祉として社会的に当然に負担すべき範囲内の
労働と認められるから、 |
ゆっくり魔理沙 | 労働を強制されても憲法違反にはならない。 |
ゆっくり魔理沙 | 実際に、消防法25条1項のように人命救助を強制する
ような法律もある。 |
ゆっくり霊夢 | それは仕方ないよねって思うよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 『その意に反する苦役』という文言の果たす重要な意味
として、 |
ゆっくり魔理沙 | 徴兵制がこれにあたり、違憲とされることだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 政府もそのように解釈している。 |
ゆっくり霊夢 | いくら国のためとはいえ、戦うのは怖いよ。 |
ゆっくり霊夢 | 今の時代の日本に生まれていることにほっとするね。 |
ゆっくり魔理沙 | ほんとだよな。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、憲法改正草案になると、かなり
危うい感じになってくる。 |
ゆっくり霊夢 | やっぱり変わってるんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | まずは条文を見てみよう。 |
ゆっくり霊夢 | 2項に分かれてるのと、 |
ゆっくり霊夢 | 『いかなる奴隷的拘束も受けない』が |
ゆっくり霊夢 | 『社会的又は経済的関係において身体を拘束されない』
に変わってるね。 |
ゆっくり霊夢 | これは、禁止される拘束の範囲が
狭くなってしまったってこと? |
ゆっくり魔理沙 | それについては、Q&Aに書かれているぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 意味が変わることはありません? |
ゆっくり霊夢 | そうなの? |
ゆっくり魔理沙 | そんなわけないだろ。 |
ゆっくり魔理沙 | 意味が変わらないのであれば、
文言を変える必要はない。 |
ゆっくり魔理沙 | あえて変えているのは、
理由があるからだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 『奴隷的拘束』について、
経済的搾取目的が必要って見解がある話をしたが、 |
ゆっくり魔理沙 | それが憲法改正草案でいう『経済的関係』
にあたると考えられる。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに、Q&Aでも『身売りのようなことを想定』
って書いているね。 |
ゆっくり霊夢 | 身売りって、確かお金と引き換えに
子供とか売るようなことだったはず。 |
ゆっくり魔理沙 | よく知ってたな。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では、加えて『社会的』関係
の拘束もされないとなっているな。 |
ゆっくり魔理沙 | Q&Aでは、『カルト宗教団体
のようなもの』を想定しているとなっているな。 |
ゆっくり霊夢 | そっか。 |
ゆっくり霊夢 | 経済搾取目的が必要ってしちゃうと、
この部分が省かれてしまうわけか。 |
ゆっくり魔理沙 | 宗教団体はお布施みたいに信者から
お金を集めないと存続は難しいと思うから、 |
ゆっくり魔理沙 | 経済的関係の要素が入っているとも
いえるけどな。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、『社会的関係』には国の都合による拘束
は想定されてはいないようだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 真っ先に警戒すべきところなのに。 |
ゆっくり魔理沙 | 国の都合によるものを
『政治的関係』と呼ぶことにするが、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案が文言を変えた狙いは、 |
ゆっくり魔理沙 | この『政治的関係』による拘束は認めることができる
隙間を作るためだと考えられる。 |
ゆっくり霊夢 | なにそれ怖い。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、隙間を作った真の狙いは、 |
ゆっくり魔理沙 | おそらく徴兵制を実現することにあると思う。 |
ゆっくり霊夢 | いやいや待って待って。 |
ゆっくり霊夢 | 『その意に反する苦役』のあたりは
文言が変わってないし、 |
ゆっくり霊夢 | Q&Aでも、今の憲法と意味は変わらず、
徴兵制を採る考えはない |
ゆっくり霊夢 | って言ってるよ? |
ゆっくり魔理沙 | あのなあ霊夢。 |
ゆっくり魔理沙 | 徴兵制が違憲というのは、政府の解釈で
あって、 |
ゆっくり魔理沙 | 政府は今までいくつも解釈変更
してきたぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | 9条で話した『集団的自衛権』だって、
解釈の変更によって生まれたものだ。 |
ゆっくり魔理沙 | それに、憲法改正草案の9条の3では、 |
ゆっくり魔理沙 | 『国民と協力して』領土などを保全することを
定めている。 |
ゆっくり魔理沙 | これに、今まで話してきたように憲法改正草案は
国から国民へ向けられている節があることを考えれば、 |
ゆっくり魔理沙 | 『公益及び公の秩序のため』と称して
対象者を無理やり拘束して徴兵する |
ゆっくり魔理沙 | なんてことも全然ありえる話だと思わないか? |
ゆっくり霊夢 | 他の条文の文言変更のことも考えると、
つじつまが合ってる気がして、 |
ゆっくり霊夢 | 全然ありえない話じゃない
ような気がするよ。 |
ゆっくり魔理沙 | といったところで、今回は
これくらいにしとこうか。 |
ゆっくり霊夢 | 今まで生きてきて憲法を意識する
ことなんてなかったけど、 |
ゆっくり霊夢 | ほんとにいろんな面で
守ってくれているんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 次回は19条から21条あたりまで
いきたいな。 |
ゆっくり魔理沙 | このあたりは基本的人権の中でも
特に重要な部分で、 |
ゆっくり魔理沙 | 最近ネットで話題になっている『SNS規制』
という話関係が深いところだから、 |
ゆっくり魔理沙 | 楽しみにしててくれ。 |
ゆっくり霊夢 | それは気になるとこね。 |
ゆっくり霊夢 | 最後までご視聴ありがとうございました。 |
ゆっくり魔理沙 | それではまた次回! |
ゆっくり霊夢 | それではまた次回! |
編集後記
参議院の選挙が先月終わってしまいましたね。
結果として自民・公明は過半数を割ってしまったわけですが、
それでも、もっとも票を獲得する政党であることに変わりなく驚きました。
ご近所さんのご年配の方たちすら、「自民党には入れない」という声をきいたりしていたので、
組織票があったり、もしかしたら投票自体に不正があるのかもしれません。
選挙に行って、改めて投票の様子をしっかり考えてみると、やっぱり鉛筆で書くことに違和感があります。
大学のテストだって、消すことができないようにってボールペンでやらせる授業もあったくらいで、
大学以降で鉛筆を使うことはほとんどなくなりました。
たまにマークシート方式のテストなどで使うことはありますが、それは鉛筆の炭素に反応して回答を読み取る必要があるからで、その必要性はわかります。
でも、選挙用紙はマークシートではないのです。
それと、開票についてライブカメラ配信にしないのにも不信感がありますね。
今は自宅を見守るカメラすら割と手ごろな価格で買えます。
各開票にカメラを用意するなんて、わけないはずです。
もし、本当に投票結果に不正が行われているなら、そもそもの選挙権の議論なんて無意味になります。
選挙管理委員会にはきちんと対応してほしいところです。
あと、気になったのは比例代表。
本来、選挙とは国民を代表する人間を選ぶはずのものなのに、政党を選ぶというのは、なんだか違和感があります。
結果として、個人で20万票以上獲得している候補者がいる一方で、比例代表で2万票ほどしか獲得していない候補者が当選するという、意味不明な事態が発生していました。
比例代表は戦後に導入されたが、すぐに廃止され、30年ほど前までずっとなかった状態でした。
今度、このあたりを深堀してみるのもおもしろそうです。

サムネイルは選挙前の時期だったこともあって選挙中心のものにしました。