動画概要
今回のテーマは「国会の終盤まとめ」
国会の章もいよいよラストスパートです。今回のポイントは、法律・予算・条約がどうやって決まるのか、国会が政府をどう監視するのか、そして最後に「憲法改正草案」で何が追加されようとしているのか――この流れを一気に整理していきます。ニュースで見かける言葉が、憲法と制度の上でどういう意味を持っているのかが、かなりハッキリ見えてくる回です。
法律はどう成立する? 二院制と「衆議院の優越」
原則は「両院で可決」
まず確認するのは、法律が成立する基本ルールです。原則として法律案は、衆議院と参議院の両方で可決してはじめて法律になります。二院制なんだから、両方が賛成して成立する――この形自体は直感的にもわかりやすいところです。
参議院が否決しても終わらない仕組み
しかし、ここで終わりではありません。衆議院で可決された法律案が参議院で否決された場合でも、衆議院が出席議員の3分の2以上で「再び可決」すれば、その法律案は成立します。これが、いわゆる「衆議院の優越」です。
ただし、何でもゴリ押しできる仕組みではありません。3分の2という高いハードルが置かれているからこそ、二院制が形だけにならないようにバランスが取られています。「衆議院が強い」には理由があるけれど、簡単に突破できないようにもしてある。ここが制度の面白いところです。
両院協議会は何のためにある?
衆議院が最終的に押し切れるのに、なぜ「両院協議会」があるのか。両院協議会は、衆参それぞれで選ばれた委員(各10名)で構成され、意見をすり合わせて成案を作るための場です。
とはいえ、法律案の場合、協議会を「必ず開かなければならない」わけではありません。ここがポイントで、もし義務にしてしまうと、衆議院の優越(3分の2で押し切れる)という仕組みの意味が薄れてしまいます。
それでも両院協議会を開くメリット
この回では、両院協議会を開く理由を2つに整理しています。
メリット1:成立のハードルを下げられる
衆議院単独で成立させるには3分の2が必要で、これは現実的にはかなり重い条件です。そこで、協議会で多少の修正が入っても「衆参で折り合った案」にできれば、成立に必要なラインを過半数に戻せる可能性が出ます。100点か0点かの勝負より、70点でも確実に取りにいく。政治の現場では、この発想が強いという話です。
メリット2:政治的な批判を避けられる
憲法上できることと、世論や政治の空気が許すかは別問題です。協議会を開かずに衆議院が押し切ると、「独裁」「少数派軽視」「参議院軽視」といった批判が強くなります。その後の審議にも影響し、協力が得にくくなる。結局、先々の政治運営まで考えると、対立を和らげるための工夫が必要になります。
なぜ両院協議会は実際にはあまり開かれないのか
結論から言うと、表に出る前に、通る形へ「事前調整」されてしまうからです。ここで登場するのが政党という仕組みです。多数の議席を持つ側が衆参で足並みをそろえれば、法律案は過半数でスムーズに成立しやすい。制度の建前としては二院制でブレーキがあるのに、実務としては“事前のすり合わせ”で進んでいく。このギャップが、後半の問題提起にもつながっていきます。
「みなし否決」という最終手段
さらに、参議院が可決も否決も決めないまま一定期間が過ぎた場合、衆議院が参議院の否決があったものとして扱える仕組みがあります。これが「みなし否決」です。
制度としては、参議院の審議を尊重しつつ、いつまでも引き延ばされないように期限を切る設計になっています。ただ、参議院の存在意義に関わりかねないため、適用は慎重である――この感覚が大事です。「使えるから使う」ではなく、「使うと制度の意味が揺らぐ」から、簡単には踏まないブレーキになっています。
予算はなぜ特別扱い? 止まると国が止まる
予算は衆議院から先に審議する
次は予算です。予算は、法律案と違って「衆議院先議」が憲法で決まっています。理由はシンプルで、予算が決まらないと国の活動が止まりかねないからです。公務員の給与の支払いが滞るような事態になれば、行政が回らず混乱が広がります。法律案は成立しなくても現行法でとりあえず回るけれど、予算はそうはいかない。この違いが、手続の違いを生みます。
予算の「衆議院の優越」はさらに強い
予算は、参議院が議決しない場合、一定期間(最大30日)を経れば衆議院の議決が国会の議決となる仕組みです。法律案のような再議決(3分の2)ではありません。ここだけ見ると「参議院いらないのでは?」と思いがちですが、この回では参議院の役割を別の角度から整理しています。
参議院の役割は「止める」より「監視して改善させる」
参議院は予算を制度上止めにくい一方で、政府の説明を引き出し、問題点をあぶり出し、将来の予算を改善させる力を持ちます。審議の内容は議事録に残り、後から「聞いていない」「想定外だった」が通りにくくなる。解散がない任期の長さを活かして追及を重ねれば、通った後でも政治的なダメージを与え、次に同じことをやりにくくする。短期決着ではなく、長期のブレーキとして働く――この説明は、参議院の存在意義を考える上でかなり腑に落ちます。
両院協議会が前提になっている点
予算は意見が割れたとき、両院協議会が開かれることを前提とする作りにもなっています。参議院に最終決定権が薄くても、意見を反映するための導線は残されている。ここも「衆議院が強い」で終わらせず、仕組み全体で見たほうが理解しやすい部分です。
条約はなぜ“急いで結論”が求められるのか
条約は予算のルールを一部「準用」する
条約については、予算の条文の一部を当てはめる形になっており、最終的に衆議院の議決が国会の議決になる仕組みが置かれています。予算ほど「衆議院先議」を強制されてはいないものの、結論を出せない状態が長引くと、国としての信用に関わるのが条約の特徴です。
「慎重さ」と「先延ばしできない」は両立する
条約は、一度決めると相手国も絡むため後戻りが難しく、慎重な審議が必要です。一方で、相手国がいる以上、「保留で」では通りにくい。だからこそ、慎重に議論しながらも、最終的には結論を出せる仕組みになっている。ここは法律案との違いが際立ちます。
条約は国会が“修正”できない
さらに重要なのが、条約は法律案や予算案と違って、国会が中身を直して成立させる性質のものではない点です。国会ができるのは承認するか否認するか。修正したいなら、政府が相手国と再交渉する必要がある。条約締結の主体が政府側にある以上、国会の役割は「最終承認」という位置づけになる――この整理で、国会と政府の関係が具体的にイメージできるようになります。
国政調査権と「証人喚問」 国会の監視装置
国政調査権はなぜ強いのか
ここから話は、国会が政府や行政を監視するための権限へ移ります。国会には立法権があり、予算も決めますが、社会の実態を知らなければ適切な判断はできません。さらに、行政が法律や予算を適切に運用しているかをチェックする必要があります。そこで憲法が用意したのが国政調査権です。
呼ばれたら原則応じなければならない
国政調査では、関係者を呼んで話を聞いたり、記録の提出を求めたりできます。証人として呼ばれ、宣誓の上で証言するのが「証人喚問」です。拒否しづらく、虚偽の証言や不当な拒否には罰則もある。だからこそ、強力な監視の手段になります。
「記憶にございません」が生まれる背景
強制で、拒否できず、断定すると嘘だったときに危険――この条件がそろうと、あいまいな答えで逃げたくなる心理が出てきます。その象徴が「記憶にございません」。法的なギリギリをくぐる“苦肉の策”として生まれた面があるという説明は、聞き覚えのあるフレーズの見え方を変えてくれます。
参考人招致との違い
似た言葉で「参考人招致」も出てきます。こちらは任意で、拒否もでき、嘘をついても刑罰はありません。ただし、必ずしも“疑われている人を呼ぶ場”ではなく、専門家の意見を聞くなど前向きな目的でも使われます。制度の性質を理解しておくと、ニュースの印象だけで判断しにくくなります。
行使条件が憲法に書かれていない怖さ
この回が熱くなるポイントがここです。国政調査権は強いのに、憲法上「こういう場合にだけ行使できる」という条件が明確に書かれていません。だからこそ、運用次第で“都合よく使われたり、都合よく使われなかったり”する危険が出てきます。
また、調査範囲は広い一方、三権分立の観点から司法権の独立に踏み込みすぎる調査は難しいとされます。何でもできるわけではないが、運用の偏りは起きうる――ここは「制度を知って国会を見る」面白さにつながる部分です。
内閣の国会出席は「義務」 ただし書きが入ると何が起きる?
現行の仕組み:説明責任を担保する
内閣総理大臣や国務大臣は、国会議員でなくても議案について発言するために議会へ出席できます。そして重要なのは、国会から出席を求められたら「出席しなければならない」という点です。内閣が国会に説明する義務を負うことを明確にし、国会が内閣を監視できる形になっています。
改正草案の変更点:忙しければ出なくていい?という例外
この回では、改正草案で追加される「ただし、職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りでない」という趣旨の文言が問題として取り上げられます。要するに、忙しさを理由に出席を回避できる余地が生まれる。
しかし、現実には日程調整をして出席する運用がすでに存在する以上、わざわざ“出なくていい”逃げ道を憲法に置く必要があるのか。ここに、国会と内閣のパワーバランスを変えてしまう危険がある、という指摘が効いてきます。小さな文言に見えて、説明責任の根っこに影響する――見逃しにくい論点です。
弾劾裁判所 裁判官を罷免する仕組み
裁判官の独立と、罷免の必要性
裁判官の判断は憲法と法律のみに拘束されるため、外部の圧力を受けにくい構造が求められます。その一方で、犯罪行為や品位を著しく損なう言動など、「裁判官としてふさわしくない」場合まで守り続けるのは問題です。そこで用意されているのが弾劾の仕組みです。
国会が担う“訴追”と“裁判”
弾劾は、国会議員で組織される訴追委員会が訴え、別に組織される弾劾裁判所が罷免の可否を判断します。訴追側と裁く側を兼ねられないようにしている点も含めて、手続としてはよく考えられています。
国民は直接罷免できないが、きっかけは作れる
国民が直接裁判官をやめさせることはできませんが、訴追委員会へ「訴追請求」をして、動かすきっかけを作ることはできます。ただし、単に判決が気に入らないという理由での請求は、司法権の独立との関係で難しい。ここは、感情で動くより“根拠を確認する姿勢”が大事だというメッセージにもつながっています。
最後に出てくる「政党」の問題提起
政党は便利だが、議会制民主主義を歪める面もある
終盤は、政党が「不可欠」と言われる一方で、現実の運用として議会制民主主義を歪めていないか、という問題提起が軸になります。多数派が両院で過半数を持てば、党内で事前にすり合わせることで、法律案・予算・条約などがスムーズに通ってしまう。少数派の議員が役割を果たしにくくなる構造が生まれやすい――この指摘は、ここまで積み上げてきた制度説明ときれいにつながっています。
比例代表・供託金・助成の“セット”で生まれる有利不利
選挙制度の側面では、比例代表が政党中心の仕組みとして働きやすく、さらに供託金の高さが参入障壁になりやすい。そこに政党への公的支援が絡むと、「政党に所属することが有利」という力学が強まります。制度は一つ一つ別々に見えるのに、組み合わさると現実の政治参加の難易度が変わってしまう。この“セット効果”が、強い問題意識として語られていきます。
なぜ現行憲法は政党に触れていないのか、という視点
ここで面白い問いが出ます。政党の存在自体は当然に予定されていたはずなのに、なぜ憲法に政党の条文がないのか。入れ忘れではなく、あえて入れなかったのではないか。その理由として、次の3つのリスクが挙げられます。
リスク1:国家が政党に介入する口実になる
政党を憲法に書くと、国家が定義や要件を作り、「定義に合わない政党は認めない」といった管理の口実になりかねません。これは少数派の排除にもつながりうる、という懸念です。
リスク2:政党が公的組織として特権化する
政党が“公的な存在”になりすぎると、政党に属さない人の権利や、少数派の意見が弱くなりやすい。結果として、政治への反映がむしろ難しくなる。ここは、政党の本来の目的と逆方向に進む危険性として語られます。
リスク3:一つの巨大組織に政治が吸い込まれる危険
過去の歴史を踏まえると、「国民が一丸」という名目で、政治が単一の方針にまとめられ、反対の声が出にくくなる流れも起こりえます。危機や不況、既存政治への不信が重なると、社会は“強いまとまり”を求めがちです。だからこそ、制度は慎重であるべきだ、という警戒が働きます。
改正草案の狙いは「グレーをホワイトにする」?
そして、ここまでの話を踏まえた上で、草案で新設される政党に関する条文がどう見えるのかが語られます。すでに運用として存在し、法律も積み上がっている政党周りの仕組みを、憲法に根拠を置くことで“正当化”し、批判を受けにくくする方向に見える――という問題意識です。
「国が政党を管理する口実」「自由の保障をうたいつつ、実質は運用次第」「細部は法律で決める」――これらがそろうと、多数派が有利なルールを作りやすくなる懸念が出る。国会の章の締めとして、かなり重い問いを投げかける形になっています。
まとめ
今回の内容は、国会の終盤条文を通して「衆議院の優越」「予算の特別扱い」「条約の特殊性」「国政調査権という監視装置」「内閣の説明責任」「弾劾の仕組み」までを一気につなげ、最後に政党問題へ着地していく構成でした。
一見するとバラバラの制度が、実は一本の線でつながっています。法律がどう決まるか、予算がなぜ急がれるか、条約がなぜ曖昧にできないか、国会がどうやって政府を監視するか。そして、その運用を現実に回す装置として政党がどれほど影響しているのか。
「憲法を変える・変えない」の前に、すでに運用や法律で形が作られてしまっている部分がある。その状態を憲法で固めようとする動きはないのか。そんな視点で見ると、ニュースの言葉が単なるラベルではなく、制度の力学として見えてきます。
次につながるのは、国会が内閣をどう作り、どう倒せるのかという「内閣」の章です。ここまでで出てきた“監視”“説明責任”“多数派の力学”が、さらに具体的な形で絡んできます。ここを知ると、政治の見え方がもう一段変わってくるはずです。
動画テキスト
| キャラクター | セリフ |
| ゆっくり魔理沙 | さあ、今回で国会の章ラストスパートだ。 |
| ゆっくり霊夢 | 早速はじめちゃってよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | よしきた。 |
| ゆっくり魔理沙 | 今回は59条からだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 59条は法律の成立について定められている。 |
| ゆっくり魔理沙 | 1項は法律成立の通常の流れだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 特別な定のある場合を除いて、 |
| ゆっくり魔理沙 | 法律案は、両議院で可決したときに法律となる。 |
| ゆっくり霊夢 | 二院制でどちらの院も賛成なら
法律になるというのは自然よね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、2項は衆議院で可決された法律案が参議院で否決
された場合、 |
| ゆっくり魔理沙 | 衆議院で出席議員の3分の2以上で再び可決したときは
その法律案は法律となる。 |
| ゆっくり霊夢 | え?参議院の可決はいらないの? |
| ゆっくり魔理沙 | いらない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 解散制度があり、民意をより濃く反映している
とされる衆議院は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法により、明確に最終決定権を握っているんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | このことを『衆議院の優越』といったりする。 |
| ゆっくり霊夢 | アクセルを踏み込み続ければ、
ブレーキを突破して法律をつくれちゃうのか。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただし、突破のハードルは出席議員の
3分の2以上の可決と高い。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは、議員の除名や資格争訟による議席はく奪の
条件と同じだぜ。 |
| ゆっくり霊夢 | そう思うと、衆議院だけで法律を成立させちゃうのは
簡単ではないのか。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうじゃないと二院制にした意味がないだろ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、衆議院の優越が認められているものは
他にもある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 詳しくは後で出てくるからおいおい見ていこう。 |
| ゆっくり魔理沙 | ここでは、衆議院が参議院に対して優越する場合が
あるということを覚えておいてくれ。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、話の続きで3項にある
『両院の協議会』っていうのは? |
| ゆっくり魔理沙 | 各議院において選挙されたそれぞれ10名の委員で
組織された会議だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ここで『なぜ参議院が否決したのか』などの意見を
合わせていくわけだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 両院協議会では、出席協議委員の3分の2以上の多数で
議決されると成案となる。 |
| ゆっくり霊夢 | ふーん。 |
| ゆっくり霊夢 | でも、3項は『衆議院が、両議院の協議会を
開くことを求めることを妨げない』だから、 |
| ゆっくり霊夢 | これは別に開かなくてもいいってことだよね? |
| ゆっくり霊夢 | なんなら、基本は開かないようにさえ読めるよ? |
| ゆっくり魔理沙 | それは、2項による『衆議院の優越』を
崩さないためだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 必ず両院協議会を開かないといけないとすると、
そもそも2項の存在価値がなくなってしまう。 |
| ゆっくり霊夢 | そっか、そうだよね。 |
| ゆっくり霊夢 | うん? |
| ゆっくり霊夢 | だとすると、両院協議会を開くってことは、 |
| ゆっくり霊夢 | 衆議院だけで決められるものを
わざわざ参議院と話合うってことだよね? |
| ゆっくり霊夢 | 衆議院は何かメリットはあるの? |
| ゆっくり魔理沙 | そうだなあ。 |
| ゆっくり魔理沙 | いくつか理由はあると思うけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | ここでは2つほど理由を挙げておこうか。 |
| ゆっくり魔理沙 | 1つは、法案成立のハードルが下げられることだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | さっきも言ったように、衆議院だけで法案を成立
させることができるといっても、 |
| ゆっくり魔理沙 | 出席議員の3分の2以上の多数による議決が必要で、
このハードルは高い。 |
| ゆっくり魔理沙 | でも、両院協議会で多少法案の形が変わったとしても、
成案になってくれれば、 |
| ゆっくり魔理沙 | 過半数に戻すことができる。 |
| ゆっくり魔理沙 | しかも、衆参どちらの意思も取り入れた
結果の成案だから、数字としては過半数だけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | まったく新規の法案を可決する過半数に比べると、
実際のハードルの高さはめちゃくちゃ低くなる。 |
| ゆっくり霊夢 | 話し合ってお互い納得した形になったわけだしね。 |
| ゆっくり魔理沙 | それに、法案が成立しないと、
それまでの労力は無駄になってしまうので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 労力を無駄にしないという意味もあるかもな。 |
| ゆっくり霊夢 | なるほど。 |
| ゆっくり霊夢 | 100点か0点かの勝負をするよりは、
70点を確実にとりにいこうとするほうがマシなのね。 |
| ゆっくり魔理沙 | もう1つの理由は、政治的な批判を避けることだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法上、衆議院だけで法案が成立させられることと、 |
| ゆっくり魔理沙 | 周囲がそれに納得するかは別問題だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 両院協議会を開かないと、 |
| ゆっくり魔理沙 | 衆議院が強行突破で法案成立に向かってしまうと、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『独裁』『少数派軽視』『議論軽視』『参議院軽視』
などなど |
| ゆっくり魔理沙 | 強い批判にさらされることは避けられない。 |
| ゆっくり霊夢 | そりゃ参議院にしてみりゃ成立させたくないから
否決したのに、 |
| ゆっくり霊夢 | 強引に成立にもっていかれたら、
文句も言いたくなるだろうね。 |
| ゆっくり魔理沙 | まあ文句だけなら我慢すれば済むのかもしれないけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | その後の法案の成立にまで影響する可能性もある。 |
| ゆっくり魔理沙 | というのも、議員だって人間だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 次の法案審議のときに、
たとえ成立させてもいい法案だったとしても、 |
| ゆっくり魔理沙 | 賛成したくなくなるってのが
人間ってものじゃないか? |
| ゆっくり霊夢 | それはそうかも。 |
| ゆっくり魔理沙 | 両院協議会を開けば、参議院の意思や少数派の意見も
尊重している姿勢を見せることができる。 |
| ゆっくり霊夢 | なるほどなあ。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、よほど強行してでも通したい法案でない限り、
両院協議会を開いたほうがいいね。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、実際には法案について両院協議会が開かれる
ことは多くない。 |
| ゆっくり霊夢 | え、どうしてよ? |
| ゆっくり魔理沙 | 事前に通せるように調整されるからだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | そのための1つの手段が政党だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 1番人数の多い政党を『与党』
それ以外を『野党』っていうんだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 例えば、与党の人数が衆議院と参議院それぞれで過半数
を占めていた場合、 |
| ゆっくり魔理沙 | 政党内で示し合わせていれば、
法案をスムーズに通すことができる。 |
| ゆっくり霊夢 | そっか、法律案を成立させるのに必要なのは
過半数だったもんね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 最近でいえば、与党である自民党は衆参ともに
過半数を割ることになった。 |
| ゆっくり魔理沙 | 厳密にいえば、連立していた公明党も含めて、
だけど。 |
| ゆっくり霊夢 | 『連立』って何? |
| ゆっくり魔理沙 | まあ『複数の政党が一緒に政府を運営しよう』
と約束して協力する契約みたいなものだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣の詳細は後になるけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で選ばれ、 |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣を組織する国務大臣は内閣総理大臣が任命する。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、連立内で話合って内閣総理大臣を決め、 |
| ゆっくり魔理沙 | 連立した政党それぞれから国務大臣を選べば、
『一緒に政府を運営しよう』という約束が果たせる。 |
| ゆっくり霊夢 | なんか徒党を組んで政治を独占しよう
って感じがするのがやな感じ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 霊夢の感想は置いておくとして、 |
| ゆっくり霊夢 | 置くんかい。 |
| ゆっくり魔理沙 | 過半数を割ることになった自民公明の連立与党だけど、
そんなときに公明党が連立を離脱することになった。 |
| ゆっくり霊夢 | それじゃますます自民党の立場弱まるね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そこで、つい最近、自民党と日本維新の会が
連立するに至ったわけだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | これがその合意書。 |
| ゆっくり霊夢 | 『政党』とか『連立』とかニュースでよく言われてるから
なんとなくで聞き流してたけど、 |
| ゆっくり霊夢 | そういう意味合いがあったのね。 |
| ゆっくり魔理沙 | だいぶ話が脱線したけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 現実には事前調整がされることになるから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 法案について両院協議会が開かれることが
多くないことはわかってくれたか? |
| ゆっくり霊夢 | うん、納得。 |
| ゆっくり魔理沙 | じゃあ最後に4項。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは、参議院が可決か否決が決まらないときの
対処法だな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会休会中の期間を除いて
60日以内に議決がなかったときは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 衆議院は、参議院がその法律案を否決したものと
みなすことができる。 |
| ゆっくり霊夢 | 明確に可決されてないんであれば、否決してたほうが
安全だもんね。 |
| ゆっくり霊夢 | 『みなすことができる』だから、待つこともできるの? |
| ゆっくり魔理沙 | そりゃできる。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会法83条の3の1項で、みなしたときにその旨を
参議院に通知することになっているから、 |
| ゆっくり魔理沙 | この通知を出さなかったら、待つことはできる。 |
| ゆっくり魔理沙 | 4項は、待つことができる可能性を残すことで、
参議院の審議を尊重しつつ、 |
| ゆっくり魔理沙 | 期限を切ることで、参議院が審議の先延ばし
をすることも防ぐという、 |
| ゆっくり魔理沙 | よく考えられた条文だと思う。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、この条文による否決を『みなし否決』
と言ったりするんだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 実際には、参議院の存在意義を否定しかねないため、
適用はかなり慎重で、過去5回しかない。 |
| ゆっくり霊夢 | 難しいものね。 |
| ゆっくり魔理沙 | まあ、そもそも事前に示し合わせて
決めるから、必要性が低いってのもあるかもだけど。 |
| ゆっくり魔理沙 | 最後に、ちょっと話も脱線したりしたので、
法律案の成立の流れを出しとくな。 |
| ゆっくり霊夢 | 『衆議院先議の場合』ってあるけど、 |
| ゆっくり霊夢 | 参議院が先の場合もあるの? |
| ゆっくり魔理沙 | ある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 多くはないようだけど、
毎年ちょっとずつはあるみたいだぜ。 |
| ゆっくり霊夢 | そっか、時間の都合なんだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | それと、59条については、
憲法改正草案での内容の変更はない。 |
| ゆっくり魔理沙 | ということで、60条に進もう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 60条は『予算』について定められている。 |
| ゆっくり魔理沙 | 1項は予算案の審議は衆議院から始まることを定めている。 |
| ゆっくり魔理沙 | さっき言ったように、法律案ではこのような
決まりがないので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 参議院が先に審議する場合もあるけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 予算案ではそれが許されない。 |
| ゆっくり霊夢 | どうしてそうなってるの? |
| ゆっくり霊夢 | 法律案と同じ手続きじゃダメだった? |
| ゆっくり魔理沙 | 予算は急がなければならないからな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 法律案は決まらなくても、
すでにある法律が維持されるだけで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 次の議会でまた考えればいい。 |
| ゆっくり魔理沙 | でも、予算が決まらないということは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 細かい話をすれば、公務員の給与の支払いなんかも
止まることになって、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国の活動自体が止まってしまう。 |
| ゆっくり魔理沙 | そんなことになったら大混乱になるだろ? |
| ゆっくり霊夢 | そっか。 |
| ゆっくり霊夢 | 給料が払われないんじゃ、
役所の人とかも働かなくなっちゃうし、 |
| ゆっくり霊夢 | めちゃくちゃになっちゃうよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、1項においては国民の意思をより濃く反映した
衆議院に先に審議させることにした上、 |
| ゆっくり魔理沙 | 2項において、参議院が議決しない場合は、衆議院の議決
をそのまま国会の議決とすると定めている。 |
| ゆっくり霊夢 | 急がないとだから、参議院の審議を待ってる余裕は
ないんだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、予算案においても『衆議院の優越』があり、
その上、その優越度合いは法律案よりも強い。 |
| ゆっくり霊夢 | でも、これだと予算案については
いよいよ参議院の存在価値なくならない? |
| ゆっくり霊夢 | どうせ衆議院の意思が通っちゃうわけでしょ? |
| ゆっくり魔理沙 | 確かに霊夢がそう感じるのも無理はないと思う。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、2項にあるように、参議院の議決を最大30日間
待つ仕組みが置かれている以上、 |
| ゆっくり魔理沙 | 予算案においても参議院には役割がある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 確かに、参議院には予算を止める力はない。 |
| ゆっくり魔理沙 | しかし、政府の暴走を監視し、
将来の予算を改善させる力を持っている。 |
| ゆっくり魔理沙 | 予算は急ぐ必要があるが、参議院で審議することで、
国民が冷静に考える時間をつくることができる。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、参議院での議論や指摘は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 議事録として公式に記録に残る。 |
| ゆっくり魔理沙 | そのため、後になって『想定外だった』
『聞いていない』とは言えなくなる。 |
| ゆっくり魔理沙 | 解散のない長い任期を活かして、 |
| ゆっくり魔理沙 | 政府の無駄遣いや不祥事を追及すれば、 |
| ゆっくり魔理沙 | たとえ予算が通っても、
内閣は政治的なダメージを受ける。 |
| ゆっくり魔理沙 | その評価が選挙を通じて国民に返されれば、 |
| ゆっくり魔理沙 | 次の予算は、今より慎重に作られざるを得なくなるだろ。 |
| ゆっくり霊夢 | 長い目で見てブレーキになっているんだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | それに、予算について意見が分かれた場合、2項では
両院協議会が開かれることを前提としているし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会法においても、衆議院は両院協議会を開かなければ
ならないことになっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | 参議院には予算を止めるまでの力は
制度上ないとしても、 |
| ゆっくり魔理沙 | その中で最大限意見を反映できる
仕組みになっているんだぜ。 |
| ゆっくり霊夢 | よくできてるなあ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、憲法改正草案は60条についても、文言は多少
変わっているが、内容自体に変更はない。 |
| ゆっくり魔理沙 | なので、もう次に進むぜ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 61条は国同士の約束である条約の締結に
ついて定められている。 |
| ゆっくり霊夢 | 『前条第二項の規定を準用する』ってどういうこと? |
| ゆっくり魔理沙 | 『準用』っていうのは、ある事柄に関するルールを
それと似た他の事柄についてあてはめることだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 『前条第二項の規定』っていうのは、さっきの
予算について定めた60条2項のことだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | なので、つまり、こういうことになる。 |
| ゆっくり霊夢 | なるほど。 |
| ゆっくり霊夢 | 条約の締結についても、予算と同じように最終的には
再議決なしで衆議院の議決が国会の議決になるのね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そう。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、さっき見た国会法85条1項では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 予算だけじゃなくて、条約も対象になってるだろ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、60条1項までは準用してないから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 条約は予算案と違って衆議院が先に審議する必要はない。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、国会法85条2項では、参議院先議の条約の扱い
について定められているわけだ。 |
| ゆっくり霊夢 | 衆議院が先に審議しなくていいってことは、
条約は急がなくていいの? |
| ゆっくり魔理沙 | 急がなくていいというと語弊があるけども、 |
| ゆっくり魔理沙 | 予算と違って、決めないと国家の活動が止まるって
ものでもないし、 |
| ゆっくり魔理沙 | むしろ、1度決めてしまったら他の国も絡む以上、 |
| ゆっくり魔理沙 | 法律の成立以上に後戻りが
難しいから慎重な審議が必要だよな。 |
| ゆっくり霊夢 | でも、法律案と違って、条約は再議決必要ないよね? |
| ゆっくり霊夢 | 言ってること矛盾してない? |
| ゆっくり魔理沙 | 慎重さは今言ったように必要なんだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 他国が絡む以上、結論を出さないってわけにも
いかないのよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 法律案は日本だけの話だから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 最悪次の議会での審議に先延ばししても
現状維持されるだけで、問題にはなりにくい。 |
| ゆっくり魔理沙 | だけど、条約だったら、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『いついつまでに条約を結ぶか結ばないかお返事
くださいね』となるのが普通だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | それにもかかわらず、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『国会の議決がまだなので返事は保留で』 |
| ゆっくり魔理沙 | なんて言ってたら、国としての信用に関わるだろ? |
| ゆっくり霊夢 | 確かに。 |
| ゆっくり霊夢 | ちゃんと返事しない奴は迷惑だよね。 |
| ゆっくり霊夢 | 私は『行けたら行く』っていうやつが一番嫌い。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうそう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会の議決ができないのは、それを国がやってる
みたいなもんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そんな中途半端をしないためにも、 |
| ゆっくり魔理沙 | 条約については、慎重に考えながらも、ちゃんと結論を
出して相手国に返事が出せるようになってるわけだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、条約についての議決は、条約の締結を承認
するかしないかを判断するだけで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 法律案や予算案のように修正することはできない。 |
| ゆっくり霊夢 | どうして? |
| ゆっくり魔理沙 | 条約の締結は内閣の仕事だからな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 73条3号にしっかりと明記されている。 |
| ゆっくり魔理沙 | それに、61条も『条約の締結に必要な国会の承認』と
あるだろ? |
| ゆっくり霊夢 | そっか。 |
| ゆっくり霊夢 | だからそういう文言だったのか。 |
| ゆっくり魔理沙 | 条約は相手国も同意してはじめて成立する。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、窓口は内閣だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 条約の内容を修正したかったら、
内閣に相手国の再交渉を促すしかない。 |
| ゆっくり霊夢 | ここでの内閣の国会の関係は |
| ゆっくり霊夢 | 営業マンと会社の上層部みたいな関係なのね。 |
| ゆっくり魔理沙 | いい例えかもな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 61条も憲法改正草案で中身の変更はないから、
次に進むぜ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 62条は議院の『国政調査権』について定めている。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会に立法権はあるし、
予算を決めたりもするわけだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 世間のことを知らなければ、適切な判断はできない。 |
| ゆっくり魔理沙 | それに、作ったはいいけど行政がそれらを適切に運用して
いるかどうかも監視しないといけない。 |
| ゆっくり魔理沙 | そのために、両議院は政府の人間や関係者を呼んで
話を聞いたり、 |
| ゆっくり魔理沙 | 報告書など記録の提出を
求めたりすることができるとしたんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、国政調査権の具体的なルールは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律』
で定められている。 |
| ゆっくり魔理沙 | この法律の1条を見てもらうとわかるけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国政調査で呼び出しがかかったら、この法律に書かれた
例外を除いて、誰もが原則応じなければならない。 |
| ゆっくり霊夢 | 私も呼び出されてあれやこれやしゃべらされるの? |
| ゆっくり魔理沙 | お前を呼び出して国政の何を調査するんだよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | まあ可能性はゼロではないかな。 |
| ゆっくり魔理沙 | この証人として呼び出すことを『証人喚問』と
いったりする。 |
| ゆっくり霊夢 | あ、なんか聞いたことある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 証人喚問を受けた証人は、証言前に宣誓することを
義務付けられており、 |
| ゆっくり魔理沙 | 原則、証言や記録の提出を拒否できないし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 拒否したり嘘の証言をしたら罰則がある。 |
| ゆっくり霊夢 | 国政調査権ってかなり強い権限なのね。 |
| ゆっくり魔理沙 | この証人喚問をかろうじて耐えるための
苦肉の策として編み出されたのが、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『記憶にございません』だろうな。 |
| ゆっくり霊夢 | ああ、それはよく聞いたし、友達同士で
ふざけて使ったりしてたなあ。 |
| ゆっくり霊夢 | そっか、証言したくないけど拒否はできないし、
断定系だと嘘だったら処罰されるから、 |
| ゆっくり霊夢 | あえてフワフワ回答するための方法だったのね。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、処罰を受けなくても証拠があったらどんどん
追い詰められていくし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 政治的にはイメージダウンは避けられないよな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会での証言は裁判じゃなくて、国会への説明、
つまり国民への説明の場だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 政治家のイメージダウンは今後の
政治家生命の致命傷になりかねないぜ。 |
| ゆっくり霊夢 | 確かに、本当に記憶ないのかもしれないけど、 |
| ゆっくり霊夢 | ごまかしてる感じはするもんね。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、証人喚問と似てる制度として、
『参考人招致』というものがある。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは、人を呼んで話を聞くのは同じだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 任意のもので、拒否もできれば嘘をついても刑罰はない。 |
| ゆっくり霊夢 | なんか任意捜査と強制捜査みたいな感じだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | その理解だと誤解がありそうだから補足するけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 参考人招致は、確かに証人喚問の前段階として
なされることもあるけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 専門家の声を聞きたいというときにもやるから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 必ずしもマイナスイメージなものじゃない。 |
| ゆっくり魔理沙 | むしろ、議員じゃないのに国会で直接発言できる
チャンスととらえる人もいたりする。 |
| ゆっくり魔理沙 | これに対して証人喚問は強制であり、なんらかの
責任追及が必要な人に対して行われる傾向がある。 |
| ゆっくり霊夢 | 確かに、罰則あるのは嫌だなあ。 |
| ゆっくり魔理沙 | とはいっても、ジャーナリストが取材で得た情報を
証言するために喚問された例もあったりするわけで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 証人喚問も、必ずしもマイナスなものじゃない。 |
| ゆっくり霊夢 | 怪しい人や容疑者をどうこうする刑事の話とは
根本が違うかあ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうそう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国政調査権についてぜひ知っておいてほしいのは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 行使するための条件が憲法上定められていない点だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 政治家にいわせれば、 |
| ゆっくり魔理沙 | やれ人権侵害になるから、証人喚問をするには
議決が必要だ、とか言ったりする。 |
| ゆっくり魔理沙 | でも実際、私人は簡単に呼び出すくせに政治家や
官僚はなかなか呼び出されないなど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 変な行使のされ方をしている場合がある。 |
| ゆっくり霊夢 | そういうことするんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国政調査権は、国民の知る権利を代行する権限でも
あると思うので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 簡単に制限すべきでないと思うし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 人権侵害の点についても、証人やその関係者にとって
不利になるような証言などは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 拒むことができる例外も用意されているし、 |
| ゆっくり魔理沙 | すでに制度として配慮されていると思われる。 |
| ゆっくり魔理沙 | それよりも、国会の都合で国政調査権が使われたり
使われなかったりするほうを、 |
| ゆっくり魔理沙 | どうにかしたほうがいいと思わないか? |
| ゆっくり霊夢 | どうしたの?急に熱くなって? |
| ゆっくり霊夢 | まあ、国政調査権の使われ方っていうのは、
国会を見る上でおもしろい観点なのかもね。 |
| ゆっくり魔理沙 | ふう。 |
| ゆっくり霊夢 | 落ち着いた? |
| ゆっくり魔理沙 | ああ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、国政調査権で調査できる範囲は広いけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 三権分立に反するような調査は難しいとされている。 |
| ゆっくり魔理沙 | 例えば、裁判が適切に行われているか、刑罰が妥当か、
などの司法権に関わることは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 司法権の独立に反するのでできない。 |
| ゆっくり魔理沙 | あと、62条についても憲法改正草案で内容に変更はない。 |
| ゆっくり霊夢 | このあたりの条文は変更なしが続くね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、次の条文では変更あるぜ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 63条では、内閣総理大臣や国務大臣は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会議員じゃなかったとしても、 |
| ゆっくり魔理沙 | いつでも議案について発言するために議院の議会に
出席することができるとする一方、 |
| ゆっくり魔理沙 | 答弁や説明のために出席を求められたら出席しなければ
ならないと定めている。 |
| ゆっくり霊夢 | うん、どういうこと? |
| ゆっくり魔理沙 | まず、内閣総理大臣と国務大臣で内閣って
組織されてるんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、国務大臣は国会議員以外の人もなることができる
から、国会議員とは限らないし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣総理大臣も衆議院の与党の代表が
たいがいなるけども、 |
| ゆっくり魔理沙 | 制度的には衆議院議員に限らず、参議院議員だって
なる可能性がある。 |
| ゆっくり魔理沙 | それなのに、国会議員じゃないからって国会の議会に
参加できないとか、 |
| ゆっくり魔理沙 | 参議院議員だから
衆議院の議会には参加できないとかなってたら、 |
| ゆっくり魔理沙 | 仕事しにくいだろ。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、そういう垣根関係なく、自由に議会に参加して
発言してもいいよ、としてあるんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | なるほどね。 |
| ゆっくり霊夢 | 内閣が仕事しやすいようにしてあるんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、それ以上に意味が大きいのが、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会から出席を求められたら、
出ないといけないというところだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | これに内閣の拒否権はない。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、内閣が国会に対して説明する義務を負うという
ことを明確にしている条文なんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | これで、国民の代表である国会が、常に内閣を
監視できる仕組みになっているんだな。 |
| ゆっくり霊夢 | さすが、国権の最高機関だね。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、この63条には憲法改正草案で
どういう変更があったの? |
| ゆっくり魔理沙 | そうだな、まずは条文を読んでもらおうか。 |
| ゆっくり霊夢 | さっき言ってた内閣が国会に出られるという部分と、 |
| ゆっくり霊夢 | 呼ばれたら出ないといけないという部分で
項を分けたんだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | それだけじゃない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 2項をしっかり読んでくれ。 |
| ゆっくり霊夢 | ええと。 |
| ゆっくり霊夢 | 途中までは一緒か、うん? |
| ゆっくり霊夢 | 『ただし、職務の遂行上特に必要がある場合は、
この限りでない』だって? |
| ゆっくり霊夢 | つまり、仕事忙しかったら出席しなくていいってこと? |
| ゆっくり魔理沙 | そういうことになるよな。 |
| ゆっくり霊夢 | これっていいの? |
| ゆっくり霊夢 | 自民党はなんかコメント出してる? |
| ゆっくり魔理沙 | ああ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 自民党のQ&Aのコメントを見てみると、 |
| ゆっくり魔理沙 | 特に、外務大臣は外交で海外にいかないといけなくて、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会に拘束されることで、国益が損なわれないようにする
という配慮するためって理由を出しているな。 |
| ゆっくり霊夢 | いや、そうかもしれないけどさ、 |
| ゆっくり霊夢 | 別に日程とか憲法で定めてないんだから、 |
| ゆっくり霊夢 | 帰ってきてから国会に出席すればよくない? |
| ゆっくり魔理沙 | その通り。 |
| ゆっくり魔理沙 | 日程をずらせばいいだけの話で、
出席しなくてよいとする必要はない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 今でも呼ばれたら即出席、じゃなくて、
日程調整しているはずだしな。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、条文の変更は必要ないんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、この変更は内閣の説明義務を回避する言い訳を
与えるためのものと言われても仕方ないよな。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは、大したことないように見えて、 |
| ゆっくり魔理沙 | 実は国会と内閣のパワーバランスを変えてしまう
大きな変更になっているんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | 国会の監視から逃げられることになるもんね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 63条についてはこのあたりにして次に進もう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 64条は弾劾裁判所について定めている。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、1項では、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を
置くことを定めている。 |
| ゆっくり霊夢 | 弾劾裁判所っていうのは、条文を読んだ感じだと
裁判官を裁判するの? |
| ゆっくり魔理沙 | その通り。 |
| ゆっくり魔理沙 | 裁判官の裁判での判断は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法と法律のみに拘束される中で独自になされるように
定められている。 |
| ゆっくり魔理沙 | そのため、外部の影響を受けにくいように、78条1項で
身分が保障されているんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | とはいっても、犯罪を犯したり、 |
| ゆっくり魔理沙 | ちゃんと仕事してるとは思えない
裁判官をやめさせられないというのは、 |
| ゆっくり魔理沙 | それはそれで問題があるよな。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、78条1項にもあるように、 |
| ゆっくり魔理沙 | 心身の故障のために仕事できないと
裁判で決定された場合を除いて、 |
| ゆっくり魔理沙 | 裁判官をやめさせる方法が定められている。 |
| ゆっくり霊夢 | それが弾劾裁判所による裁判ってことね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そういうこと。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、2項では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 弾劾については法律で定める、となっているので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 法律を見てみよう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会法125条1項では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 裁判官の弾劾は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 各議院の議員の中から選挙された同数の裁判員
で組織する弾劾裁判所で行うことが定められている。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、 |
| ゆっくり魔理沙 | 同じく126条1項で、 |
| ゆっくり魔理沙 | 裁判官の罷免の訴追は、各議院の議員の中から選挙された
同数の訴追委員で組織する |
| ゆっくり魔理沙 | 訴追委員会が行うことが定められている。 |
| ゆっくり魔理沙 | また、弾劾裁判所の裁判員と訴追委員は兼務
できない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 以上から、弾劾裁判は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会議員で組織された訴追委員会が検察みたいに
弾劾裁判所に裁判官を訴えることで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 弾劾裁判ははじまり、 |
| ゆっくり魔理沙 | これまた訴追委員とは別の国会議員で組織された
弾劾裁判所にて裁判官は罷免を判断されることになる。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、具体的なルールは『裁判官弾劾法』
に定められている。 |
| ゆっくり魔理沙 | また司法のところで
みていいくことになるからこのへんで止めとくな。 |
| ゆっくり霊夢 | へえ、そういう制度があるんだねえ。 |
| ゆっくり魔理沙 | おい霊夢。そんな他人事な制度でもないんだぜ? |
| ゆっくり霊夢 | といいますと? |
| ゆっくり魔理沙 | 国民が直接裁判官をやめさせることはできないけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 訴追委員会に『訴追請求』をすることで、 |
| ゆっくり魔理沙 | やめさせるきっかけをつくることはできるんだぜ。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、納得できない判決を出した裁判官がいたら、
訴追請求できるってこと? |
| ゆっくり魔理沙 | その理由だと難しいかもな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 判決が妥当かどうかは司法権の独立との兼ね合いで
原則許されないし、 |
| ゆっくり魔理沙 | そもそも罷免の条件は、一言でまとめるなら
裁判官としてふさわしいかどうかだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 実際罷免になっているのも、 |
| ゆっくり魔理沙 | 犯罪行為をしてたり、それに近い
裁判官の品位を落とすような言動をした人だからな。 |
| ゆっくり霊夢 | なあんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあやっぱり私には関係ないわ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そういうなよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | まあ、霊夢と同じように考える人は多いみたいだけどな。 |
| ゆっくり霊夢 | そうよね。 |
| ゆっくり霊夢 | 最近なんか変な判決多い気がするもん。 |
| ゆっくり魔理沙 | せめて、請求するんなら、ニュースを鵜呑みにせず、
判決文読んでからにしてくれよ? |
| ゆっくり霊夢 | それはしんどい。 |
| ゆっくり魔理沙 | はあ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、64条も憲法改正草案では変更なしだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | これで、現憲法の国会の章の条文は終わりだ。 |
| ゆっくり霊夢 | 現憲法では? |
| ゆっくり霊夢 | ということは? |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では64条の2が新設されている。 |
| ゆっくり霊夢 | もう嫌な予感しかしないな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案の64条の2は、政党について定められた
条文になっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | 先に、自民党のコメントを出しておこうかな。 |
| ゆっくり霊夢 | 『政党が現代の議会制民主主義にとって不可欠』って、 |
| ゆっくり霊夢 | 1項にも同じように不可欠って書いてあるけど、
実際そうなの? |
| ゆっくり魔理沙 | 確かに、よくそのように言われているし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 判例でもそのようなことが明言されている。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、やっぱり不可欠なんだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 確かに同じ志をもつ議員同士が
結束するということは必要なのかもしれない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会の安定した運営や、責任の所在を明確に
できるというメリットもあるだろう。 |
| ゆっくり霊夢 | 与党の意見が通るってことは、失敗したら
与党のせいっていえるもんね。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ一方で、今の政党の在り方が、憲法の定める
議会制民主主義を歪めてる部分もある。 |
| ゆっくり霊夢 | 例えば? |
| ゆっくり魔理沙 | 例えば、衆議院と参議院の両議院において、 |
| ゆっくり魔理沙 | 与党が過半数を占めることにより、法律案、予算、条約
など、過半数で可決できる事柄について、 |
| ゆっくり魔理沙 | 与党以外の議員はその議員としての役割を
果たすことができなくなってしまう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 党内の事前のすり合わせで内容も決めてしまえるから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 両院協議会も意味をほぼなさなくなってるよな。 |
| ゆっくり霊夢 | 現実そうだもんね。 |
| ゆっくり魔理沙 | しかも、選挙についていえばもっとひどくて、 |
| ゆっくり魔理沙 | 全国民を代表する者を選ぶのが選挙だったはずなのに |
| ゆっくり魔理沙 | 『比例代表選出』という政党に投票する制度を法律で作り、 |
| ゆっくり魔理沙 | 政党に受けた票から、 |
| ゆっくり魔理沙 | 衆議院だったら政党内で決めた順位を元に
当選者が決まるし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 参議院は原則個人の投票が多かった者から
順位が決まるけども、 |
| ゆっくり魔理沙 | 別枠で当選人となるべき候補者になっている者は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 個人の投票数にかかわらず
優先的に当選者になってしまう。 |
| ゆっくり魔理沙 | そんな風に政党の都合と看板で
当選したに過ぎない人間が、 |
| ゆっくり魔理沙 | 全国民の代表面して堂々と国会議員になれる制度が
まかり通っている。 |
| ゆっくり霊夢 | 比例代表ってそういう制度だったの。 |
| ゆっくり魔理沙 | この制度があるせいで、国会議員になろうと思ったら、 |
| ゆっくり魔理沙 | すでにあるどこか政党に所属するか、 |
| ゆっくり魔理沙 | 新たに政党をつくるかしないと、 |
| ゆっくり魔理沙 | 当選することが難しい状態になってしまった。 |
| ゆっくり霊夢 | そう言われると確かにそうだよね。 |
| ゆっくり霊夢 | ある意味2回チャンスあるような
ものでもあるし。 |
| ゆっくり霊夢 | しかも供託金が高いから、 |
| ゆっくり霊夢 | 選挙に出ること自体もハードルが高いよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 政党に入ってると、政党助成金も国からもらえるから
そのあたりもカバーしてもらえる。 |
| ゆっくり魔理沙 | この政党助成金、もらうためには政党の
国会議員メンバーが5人も必要になるし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 議員数や得票数が増えるほどもらえる額が増えるので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 多人数を抱える政党が圧倒的に有利になるような
制度になっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | 果たして、こんな事態を憲法が本当に
予定していたんであろうか? |
| ゆっくり魔理沙 | 望んでいたのであろうか? |
| ゆっくり魔理沙 | 政治家も、『国民に信を問う』
とかぬかすんだったら、 |
| ゆっくり魔理沙 | まずはこの制度を改めろよ、
と私は思うんだが。 |
| ゆっくり霊夢 | なんか政党が諸悪の根源な気がしてきた。 |
| ゆっくり魔理沙 | 政党は、単なる政治団体にも関わらず、
今まで挙げてきたような歪なルールがある上に、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国の補助もある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 文字通り、単なる政治団体に戻るべきだと私は思う。 |
| ゆっくり霊夢 | ほんとだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちょっと熱くなってしまった。 |
| ゆっくり魔理沙 | 話を判例に戻すんだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『憲法は、政党の存在を当然に予定している』と
言ってるよな? |
| ゆっくり霊夢 | 言ってるね。 |
| ゆっくり魔理沙 | それは当然の話で、 |
| ゆっくり魔理沙 | 政党っていうのは1800年代の後半には
もうあったんだからな。 |
| ゆっくり霊夢 | そんな昔からあったんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | むしろ、予定していないほうがおかしい。 |
| ゆっくり霊夢 | あれ?じゃあなんで現憲法では政党について
まったく触れてないんだろう? |
| ゆっくり魔理沙 | 問題はそこなんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | 入れ忘れたとか? |
| ゆっくり魔理沙 | そんなわけあるかい。 |
| ゆっくり魔理沙 | あえて入れなかったと考えるほうが自然だろ。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、なんで入れなかったんだろう? |
| ゆっくり魔理沙 | 入れると問題があったからだろう。 |
| ゆっくり魔理沙 | ここではその問題と思われることを
3つ挙げてみる。 |
| ゆっくり魔理沙 | まず、1つ目は、国家が政党に介入してくる可能性が
あることだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 現状、政党は主に21条の結社の自由によって
守られているので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国が勝手に解散させたりはできないわけだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法に書いてしまうと、国が政党を管理しはじめる
口実を与えることになってしまう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 例えば、政党の定義を定めて、その定義に当てはまらない
政党は認めない、 |
| ゆっくり魔理沙 | なんてことになりかねない。 |
| ゆっくり霊夢 | それは、国の意向に沿わない考えの政党は
排除するなんてことができそうだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | まさにその通りで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 多数派の政党が、少数派の
政党を排除するなんてこともし始める可能性がある。 |
| ゆっくり魔理沙 | そしてこれは、2つ目の問題へとつながっていく。 |
| ゆっくり魔理沙 | で、2つ目の問題は、政党が公的な組織になりすぎて
特権化する可能性があるってことだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 多数派の政党が少数派の政党を排除する可能性がある
ということは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 少数派の政党の権利や、政党に入っていない無所属の
個人の権利が弱くなる危険性があるということだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは、もっといえば、少数派の国民の意見が政治に
反映されなくなる危険性であるともいえる。 |
| ゆっくり魔理沙 | こうなると、政党が議会制民主主義に不可欠どころか、
むしろ害をなす存在だろ。 |
| ゆっくり霊夢 | 国民の意見を反映させやすくするための政党だった
はずなのに、 |
| ゆっくり霊夢 | むしろ意見が反映されにくくなるっていうね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 最後に3つ目の問題は、再び『大政翼賛会』みたいな組織
ができあがる可能性があるということだ。 |
| ゆっくり霊夢 | なにそのかっこよさそうな名前の組織は? |
| ゆっくり魔理沙 | 『大政翼賛会』というのは、1940年に組織されたもので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 霊夢のいうかっこいい名前は、天皇の政治を助けるという
意味合いがある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 当時、日中戦争の真っ最中で、世界恐慌から続く不況や |
| ゆっくり魔理沙 | 汚職にまみれ、自己保身ばかりの既存政党への不信感
が重なったこともあり、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国民が一丸となって戦争を乗り切る必要があると考える
風潮があった。 |
| ゆっくり魔理沙 | そこで、既存政党を全部解散させ、代わりに作られた
のが大政翼賛会だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | これで、日本全体が1つの組織の方針で動けるように
なってしまったんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | それって独裁政治じゃん。 |
| ゆっくり霊夢 | 怖っ。 |
| ゆっくり霊夢 | でも待って待って。 |
| ゆっくり霊夢 | よく考えたら今聞いたことって
だんだん現実になってきてない? |
| ゆっくり魔理沙 | そうなんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、憲法改正草案が
政党について憲法で定める |
| ゆっくり魔理沙 | 1番大きな目的と思われるのは、 |
| ゆっくり魔理沙 | すでに運用されて、グレーゾーン状態にいる
政党にまつわる法律たちを、 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法の規定に従う正当なものとして、 |
| ゆっくり魔理沙 | 文句を言わせない状態にすることに
あるのだろうということだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 現憲法だと、規定のない政党という存在について、
ここまで管理していいのか? |
| ゆっくり魔理沙 | という批判がどうしても避けきれないからな。 |
| ゆっくり霊夢 | グレーゾーンを憲法でホワイトに変えようとする流れは
散々見てきた流れね。 |
| ゆっくり魔理沙 | じゃあ今までの話を踏まえて、
改めて64条の2についてみていこう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 1項は、憲法じきじきに、国が政党を管理すべきという
口実を与える条文になっている。 |
| ゆっくり霊夢 | 主語が『国は』だもんね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、2項では政党は国に管理されるけども、
政治活動の自由は保障されることを定めている。 |
| ゆっくり霊夢 | 国の管理下に置かれると、
自由が制限されやすくもなるから、一応置いたのかな? |
| ゆっくり魔理沙 | そうだろうな。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、これについては
すぐに思い当たるところがある。 |
| ゆっくり霊夢 | 何? |
| ゆっくり魔理沙 | 政党助成金を
自由に使うためじゃないかな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国から金をもらっていたら、国に『一切口出すな』と
いえなくなるのが普通だと思うんだが、 |
| ゆっくり魔理沙 | 政党助成法4条1項では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『国は、政党の政治活動の自由を尊重し、
政党交付金の交付に当たっては、 |
| ゆっくり魔理沙 | 条件を付し、又はその使途について
制限してはならない。』 |
| ゆっくり魔理沙 | と定めている。 |
| ゆっくり霊夢 | 『政治活動の自由を尊重』とか
ストレートに言っちゃってる。 |
| ゆっくり霊夢 | なるほど、それを正当化しようとしてるのか。 |
| ゆっくり霊夢 | ちゃっかりしてるわねえ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、3項では政党のことは法律で定める
と規定している。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、 |
| ゆっくり魔理沙 | 1項の『活動の公正の確保及びその健全な発展』
は何をもってそう言えるのか、 |
| ゆっくり魔理沙 | 2項の『政党の政治活動の自由は、保障する』
とあるのをどのように保障していくか、 |
| ゆっくり魔理沙 | それらは、法律つまり国が決めるということだ。 |
| ゆっくり霊夢 | つまり、多数派の政党がいいようにできることについて
憲法のお墨付きが出るわけね。 |
| ゆっくり魔理沙 | その危険性が高いだろうな。 |
| ゆっくり魔理沙 | というところで国会の章は終わりということにしようか。 |
| ゆっくり霊夢 | ところでさ。 |
| ゆっくり霊夢 | 今まで話してきたことを思い返すと、 |
| ゆっくり霊夢 | 憲法を変えてどうこうしようということ以上に、 |
| ゆっくり霊夢 | すでに割といいように変えれられてしまっているという
ことを思い知らされるわね。 |
| ゆっくり霊夢 | それで、憲法を変えて今の状態を
盤石にしよう、みたいな。 |
| ゆっくり魔理沙 | そのパターンは多かったよな。 |
| ゆっくり霊夢 | いかに今まで自分が無関心というか、理解ができて
いなかったかを思い知らされるわね。 |
| ゆっくり魔理沙 | だけど、前の参議院選挙で、
多数派の土台は揺らぎはじめてる。 |
| ゆっくり魔理沙 | もっと政治が理解できる人が増えていって、
本当の意味で国民主権になっていってほしいな。 |
| ゆっくり霊夢 | なんかそう思うと私もやる気出てきたよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | タイミングのいいことに近々衆議院選挙が
行われることになったよな。 |
| ゆっくり魔理沙 | ぜひ選挙に行ってくれ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、この動画で話したようなこともちょっと
考えてみてから、どこに投票するか決めてくれ。 |
| ゆっくり霊夢 | はーい。 |
| ゆっくり霊夢 | 最後までご視聴ありがとうございました。 |
| ゆっくり魔理沙 | それではまた次回! |
| ゆっくり霊夢 | それではまた次回! |
編集後記
衆議院が解散することになり、選挙になりましたね。
そのタイミングでこの動画が公開できたのはよかったと思います。
選挙では、各候補者や政党から、こういう政策をやっていきますといった主張があるでしょう。
でも、それ以上に見るべきなのは、「今まで何をやってきたのか?」だと思います。
特に、与党の経験がある政党は、その党が望むような政策が実際にできるわけですから、口でいう以上にその党がどうしていきたいか、というのが見えると思うんですよね。
この動画は、政治の仕組みがどうなっているか知るためのとっかかりになると思います。
特に、政党については、憲法に何も定められていないことをいいことに、法律で多数派が有利になるように仕組まれています。
この仕組みを改めない限り、『国民に信を問う』という言葉は、口からの出まかせにすぎなくなると思うのですが、どうでしょうか。
そりゃ選挙に行くのもあほらしくなるの、わかりますよ。
でも選挙は行ったほうがいいです。
国民が自分の意思を直接反映できる数少ない機会ですから。
サムネイルについては、最初は下部のテキストがない状態だったんですけど、
衆議院の優越じゃやっぱり見る理由として薄い気がしたので、政党のついての話があることを強調してみました。
実際、一番見てほしいところはそこですしね。
もう台本については内閣の章と司法の章はできているので、選挙前にそこまでは動画にして公開したいと思います。
なんせ、今この歳(40歳目前)にして就活中なもんで、時間はあります(笑)
頑張りますよ~





