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日本国憲法全文解説⑪(第四章国会41~47条)と自民党憲法改正草案の検討

動画概要

まずは「国会って何ができるの?」を土台から

この回から、いよいよ憲法第4章「国会」に入っていきます。人権の章が続いていた流れから一転して、今度は「国の意思決定は、どこで、どう動くのか」という仕組みの話です。

最初に取り上げるのは憲法41条。「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」という、教科書でも必ず出てくる有名な条文です。ただ、言葉は強いのに、意外と誤解されやすい。そこでこの動画では、条文の表面をなぞるだけではなく、「最高機関って、結局どういう意味?」「唯一の立法機関って、内閣が法律案を出してるのにどういうこと?」を、もう一段掘り下げて整理しています。

憲法41条「国権の最高機関」—“国会が何でもできる”ではない

「最高機関」と聞くと、国会が一番偉くて、国会さえその気になれば何でも決められる、というイメージを持ちがちです。でも実際は、憲法は三権分立を前提にしています。国会が立法、内閣が行政、裁判所が司法。それぞれが別の役割を担って、権力が一つに集中しないように作られています。

では、なぜ憲法41条は、あえて国会を「国権の最高機関」と書いたのか。ここがこの回の一つ目の山場です。動画では、帝国憲法改正案委員会での議論を引き合いに出しながら、次のような筋道で説明しています。

  • 国会は、主権者である国民が選んだ議員で組織される(国民の代表機関)
  • 内閣は、国会の意思を基本として成り立つ立場にある(議院内閣制の土台)
  • 最高裁は違憲審査権を持つが、原則として国会制定法を尊重して裁判する立場でもある

つまり、「上下関係として国会が一番」というより、三権がそれぞれ独立しつつも、国民の代表として法律を作る国会が、制度の中心に置かれやすい構造になっている、という理解がしっくりきます。国会が「国民の代表」という位置にあることが、他の権力と比べたときに特別な重みを持つ。ここを丁寧に押さえることで、41条がただの決まり文句ではなく、国の形そのものを支える宣言だと見えてきます。

「唯一の立法機関」—内閣の“命令”は法律になりきれない

41条のもう一つの柱が「唯一の立法機関」です。ここは、日常感覚だと混乱しやすいポイントです。というのも、ニュースを見ていると、内閣が法律案を出したり、省庁がルールを作ったりしていて、「国会だけが法律を作る」と言われてもピンと来ないからです。

そこで動画では、次の線引きをはっきりさせます。

  • 内閣は法律案を提出できるが、法律として成立させるのは国会の議決
  • 大臣が出す「命令」(政令・省令など)は、法律の委任がある範囲に限られる
  • 勝手に国民の権利義務を増やしたり、新しい罰則を作ったりはできない

この説明が入ることで、「国会が唯一の立法機関」という表現が、一気に現実の制度とつながります。つまり、内閣が動いて見えても、最終的に国民に直接効いてくる“法律の枠”を作る力は国会にしかない。そして、命令はその枠の内側でしか動けない。ここが、行政権が暴走しないための、かなり大きな歯止めになっています。

憲法42条「二院制」—短い条文なのに、実は国のブレーキ役

続いて憲法42条。「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」という、さらに短い条文です。ただ、この回はここから一気に面白くなります。なぜなら「二院制って、結局なんのため?」という疑問に真正面から答えていくからです。

二院制は“ダブルチェック”。スピードと慎重さを両立させる設計

二院制の基本は、法律づくりを必ず2回チェックする仕組みです。衆議院で審議し、参議院でもう一度審議する。言ってしまえば、立法のダブルチェックです。

ただ、同じことを2回やるだけなら非効率に見えます。そこで動画は、両院の性格の違いを「アクセルとブレーキ」に例えて説明します。

  • 衆議院:任期が短く、解散がある。選挙が多く「今の国民の声」を素早く反映しやすい(アクセル)
  • 参議院:解散がなく任期が長い。腰を据えて慎重に考えやすい(ブレーキ)

この対比が腹落ちすると、42条が地味どころか、国の意思決定を安全運転にするための核心だと分かってきます。スピードだけを求めると、勢いで危ない法律が通りやすくなる。だからこそ憲法は、あえてブレーキも用意した。ここが二院制の思想です。

一院制の誘惑—「速い」は強い。でも、危うい

動画では、一院制の話にも踏み込みます。参議院がなくなると何が起きるか。最大のメリットは、意思決定が速くなることです。多数派の意見が通りやすくなり、政策をどんどん進められます。さらに、議員数を減らしてコストダウンできる、という見えやすいメリットもあります。

しかし、ブレーキがなくなるということは、危ない法律も通りやすくなるということでもあります。勢い任せで「後から困る」ルールができるリスクが上がる。二院制のメリット・デメリットは、一院制のそれを裏返したものだ、という整理は分かりやすく、選挙制度や国会改革の議論を読むときの“土台”になります。

そして、ここで出てくるのが「多数派政党が一院制を望まない理由」です。直感的には、一院制にした方が思い通りにできそうに見えます。でも現実には、一度衆議院で多数派を失ったときに、取り返しがつかなくなる。参議院があると、衆議院で負けても一定の影響力を保てる場合があり、保険のような役割を果たす。ここは、制度の話なのに“政治のリアル”が見えてくる場面です。

憲法43条「全国民を代表する」—地域代表に見えて、そうではない

次に憲法43条。1項は「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」2項は「議員定数は法律で定める。」です。一見すると当たり前に見えますが、動画はここも「当たり前で終わらせない」構成になっています。

「全国民を代表」なのに、なぜ地域ごとに選ぶの?

43条1項のキーワードは「全国民を代表する」です。でも現実の選挙は地域ごとに行われます。そうすると、議員はどうしても地元のために動きたくなる。票が欲しいからです。そこで出てくる疑問が、「全国民を代表するのに、特定地域の利益を優先する姿勢は、43条の趣旨に反しないのか?」という問題意識です。

動画では、ここを「国」と「全国民」の違いを使って説明します。国が強くなったり、経済が伸びたり、安全保障が強化されたりしても、その結果として国民の生活が苦しくなっているなら、それは「全国民を代表する政治」とは言いにくい。国のため、という言葉が、全国民のため、とは一致しないことがある。ここを意識すると、「政治が何を優先しているのか」を見る目が変わってきます。

判例が示す「国民代表的性格」—選ばれ方に関係なく使命は同じ

さらに動画は、判例の言い回しを使って、国会議員の立場をもう一段はっきりさせます。選出方法がどうであれ、議員は一部の国民の代表ではなく全国民の代表であり、選挙人の指図に拘束されず独立して全国民のために行動すべき使命を有する、という考え方です。

ここは、選挙区があることと「全国民を代表」が矛盾するように感じる人にとって、大事な整理になります。43条は「選ばれた後の姿勢」を定めている。選挙のやり方自体は、次に出てくる47条で法律に委ねられている。だから憲法の構造としては、実は矛盾していない。納得し切れなくても、制度上の整理として理解しておくと、この先の「一票の格差」につながっていきます。

43条2項「議員定数は法律で」—柔軟さのための規定が、別の問題も生む

議員の数を憲法で固定せず、法律で決める。これは一見、便利で合理的です。人口や時代の変化に応じて調整しやすいからです。動画では、人口減少の見通しを例に出しながら、定数を変えやすくしている理由を説明しています。

しかし、同時に問題も生まれます。「法律で定める」ということは、議員自身が自分たちの人数を決めるルールを作れるということです。スポーツ選手が、自分がプレーするスポーツのルールを自分で決められるようなもの。ここは、制度の“穴”というより、「気を抜くと利益誘導が起きやすい構造」として見ておくべきポイントです。最近また定数削減が話題になりやすいからこそ、誰にどんな影響が出るのか、具体的に考えながら見る必要がある、という投げかけで締めています。

憲法44条「差別してはならない」—昔の選挙は、今の感覚だとかなり衝撃

44条は、議員と選挙人の資格を法律で定めること、ただし差別してはならないことを定めています。14条の平等規定と似ていますが、教育・財産・収入といった要素が加わっている点が特徴です。

そしてここから、歴史の話が出てきます。明治22年の衆議院選挙法では、満25歳以上の男子に限るだけでなく、直接国税を15円以上納める者に限る、という財産要件がありました。性別だけでなく、お金でも縛られていた。これを知ると、44条がわざわざ項目を増やして差別を禁止している意味が、急に現実味を帯びてきます。

2013年まで残っていた制限—成年被後見人の選挙権

さらに驚きなのが、成年被後見人の選挙権制限が2013年まで法律上存在していたという話です。判断能力が著しく不十分な人について家庭裁判所が保護・代理を付ける制度ですが、その人たちに「選挙権がない」としていた規定が公職選挙法にあり、裁判で憲法違反と判断され、改正で削除されたという流れが説明されます。

“昔の話”に見えて、実はわりと最近まで残っていた。ここは、選挙制度が一度できると、見直されないまま残り続けることがある、という怖さも伝わってきます。そして、改憲草案では「障害の有無」という文言が加わっている点にも触れ、時代の変化による配慮の違いが整理されています。

45条・46条で見える「衆議院と参議院の役割」—任期の違いは、ちゃんと理由がある

45条は衆議院議員の任期(原則4年、解散で短縮あり)、46条は参議院議員の任期(6年、3年ごとに半数改選)です。ここは42条の「アクセルとブレーキ」の話とつながっていて、任期の仕組みがそのまま両院の性格を作っています。

参議院は解散がない分、国民の声から遠ざかりやすい弱点があります。だからこそ半数改選にして、少しでも民意が反映されるように工夫している。6年任期の長さは、人気取りに走らず、時間のかかる課題にも腰を据えて向き合える利点にもなる。その結果、参議院は「良識の府」、衆議院は「民意の府」と呼ばれることがある、という紹介も入ります。言葉だけ覚えるのではなく、なぜそう呼ばれるのかがセットで分かる作りになっています。

憲法47条「選挙の細かいことは法律で」—そして「一票の格差問題」へ

47条は、選挙の方法など細かいことは法律で定める、とする条文です。これを受けて作られているのが公職選挙法で、国会議員だけでなく地方選挙も含めてルールを定めています。

ただし、法律なら何でもいいわけではありません。憲法の趣旨に反する内容はダメ。その典型例として出てくるのが「一票の格差問題」です。

一票の価値が10倍?—仕組みで生まれる“不平等”

動画では、まず感覚的な理解から入ります。同じ1票でも、地域によって当選に与える影響が変わってしまうことがある。例として、定員1名の選挙区で、有権者が100人の地域と1000人の地域を比べると、前者の1票は100分の1、後者の1票は1000分の1。価値が10倍違う状態になります。

これが「差別じゃないのか?」という問題意識につながっていく。44条の差別禁止とも重なり、なぜこれが繰り返し争われてきたのかが、すっと入ってきます。

「全国民を代表」と選挙区制度は矛盾する?—いったん整理

ここで一度、話が整理されます。43条は議員の使命・姿勢を定める。一方、選挙方法は憲法で決め切っておらず、47条で法律に委ねている。だから、選挙区を分けても、全国一括で投票しても、どちらも制度としては採用可能です。憲法上は矛盾していない、という整理になります。

この整理が入ることで、「じゃあ、なぜ今は選挙区で分けているのか」「全国一括なら平等なのに」という疑問に、メリット・デメリットで答えられるようになります。

全国一括選挙のメリットと、想像以上に重いデメリット

全国一括の最大のメリットは、一票の価値が完全に同じになることです。「全国民を代表する」という意味でも、まっすぐなやり方に見えます。

しかし動画は、ここで「理想っぽいけど現実はきつい」という部分を具体的に描きます。参議院だけでも定数は248人で、改選は半分の124人。候補者数はさらに増える。その大量の候補者を、限られた選挙期間内で比較して投票先を決めるのは現実的に難しい。結果として、知名度の高い候補や大政党に票が集まりやすくなる。ここは、制度設計が投票行動に与える影響がよく分かる場面です。

さらに大きいのが、「地方の声が届きにくくなる」というデメリットです。人口が多い都市部の票が圧倒的になるため、都会の人に受ける候補が当選しやすい。山間部や過疎地など、地域特有の課題が政治に反映されにくくなる可能性があります。平等に見えて、別の意味で平等じゃなくなる。ここが、全国一括を単純に理想化できない理由として示されます。

選挙区制度のメリットと、避けられない「一票の格差」

選挙区を分けるメリットは、全国一括のデメリットをほぼそのまま解消できる点です。候補者が絞られ、投票者が比較しやすくなる。地方からも当選者が出るので、地域の声が政治に届きやすい。

ただし、人口の偏りや移動がある以上、投票価値の差を完全にゼロにするのは不可能です。問題は「どこまでの格差が許されるのか」に移っていきます。ここから判例の話が深掘りされ、動画の後半の大きな見どころになります。

判例で追う「一票の格差」—国会の裁量と、平等の要請のせめぎ合い

一票の格差をめぐる裁判は繰り返し起きています。動画では、昭和39年(格差約4倍)から、昭和51年(格差約5倍)にかけて、最高裁の考え方がどう動いてきたかを追っています。

最初は「立法政策の問題」—でも、それで終わらなかった

昭和39年の判断では、選挙制度は国会に権限があり、人口比例配分は望ましいが他の要素を考えることは禁止されない、という形で、極端に平等を害さない限り違憲とはいえない、という方向が強く出ます。4倍でも「極端ではない」とされた点は、直感とズレるので印象に残ります。だからこそ反対意見もあり、問題提起は続いていくことになります。

昭和51年で風向きが変わる—「投票価値の平等」へ

昭和51年の判断では、選挙権の平等は「投票価値の平等」つまり各投票が結果に及ぼす影響力の平等も要求される、と明確に述べられます。納税額や性別で差をつけるのが違憲なのは当然として、制度によって投票価値に差が出る場合も、平等原則との関係で問題になる、と受け止めた形です。

ただ、完璧に同じは無理とも言い、国会の裁量も認める。そこで登場するのが、現在まで基本になっている枠組みです。

  • 投票価値の不平等が、合理的な範囲内か
  • 範囲を超えるなら、合理的な期間内に是正されているか

「違憲」でも選挙は無効にしない?—違法状態の扱い

動画では、ここも丁寧に説明します。憲法違反の法律は本来無効で、無効にするのが筋。しかし無効にすると、かえって国の運営に重大な混乱を招くことがある。その場合は別の対応を取らざるを得ない。

結果として、選挙は違法(違憲の規定に基づく点で問題)としつつ、選挙自体は無効にしない、という結論が出ることがある。この構造は、「判決の意味あるの?」という疑問を生みやすいのですが、動画は「放置していい問題ではない」と裁判所が宣言する意義を強調します。直接的に選挙をやり直す効果はなくても、国会に是正の圧力をかける役割がある、という見方です。

衆議院と参議院で判断が変わる場面も

さらに、参議院選挙では衆議院と少しテイストが変わることがある、という点にも触れています。参議院の性格(長期的・慎重)や、制度上どうしても差が縮まりにくい事情が考慮され、同程度の格差でも「違憲状態ではない」とされるケースがある。ただし「参議院だから平等の要請が後退してよい理由は見出しがたい」といった指摘もあり、単純な話ではない。ここは、制度の違いが判例の結論にも影響する、という学びになります。

数字だけ合わせれば終わりじゃない—格差是正の先にある“別の不平等”

動画が最後に強調するのは、一票の格差は「数字の帳尻合わせ」をすれば解決、という単純な問題ではない、ということです。人口比例を強く押し進めれば、人口の多い地域の議員数が増え、結果として地方の声が拾いにくくなる。選挙区を割っていても、全国一括のデメリットに近い影が出てくる。

だから判例も、「何倍なら違憲」という明確な数字基準を出しにくい。投票価値の平等という憲法上の要請を前提にしつつ、どうすれば本当に“公平”に近づけるのかを、試行錯誤しているのが一票の格差問題だ、というまとめ方になっています。

改憲草案の47条が引っかかる理由—「許容範囲」を憲法に書く怖さ

この回の後半は、憲法改正草案で47条がどう変わっているか、そしてそのQ&Aコメントの言い回しに強い違和感がある、という話に入ります。

コメントは「一票の格差について違憲状態との判決が続いていることに鑑み、選挙区は単に人口のみによって決められるものではないことを明示した」といった趣旨ですが、動画ではこれが「違憲って言われるのがうるさいから、憲法に書いて黙らせる」ようにも聞こえる、と指摘します。

格差を完全にゼロにするのが難しいのは確かです。だから一定の許容範囲を考える、という発想自体は理解できる。しかし、その許容範囲を憲法に書き込むと、憲法が格差を“許す側”に回ってしまう。そうなれば、裁判所が「違憲状態」と言いにくくなる方向に働き、是正を放置しても文句がつきにくい構造になりかねない。だからこそQ&Aが「是正する必要がないとしたものではありません」と念押ししているのではないか、という読み取りが示されます。

さらに、法律で「格差2倍以上にならないことを基本とする」といった基準があっても、「基本」と書いてある以上、結局は許容が残る。数字を出しているようで本質は同じ、という見方も入ります。どちらの方向に転んでも“文句を言われにくい”条文になっているのが怖い、という問題提起は、このシリーズ全体の視点ともつながる部分です。

まとめ

今回の内容は、国会編の入口でありながら、憲法41条から47条までを通して「国会とは何か」「二院制はなぜ必要か」「議員は誰のために動くべきか」「選挙制度はどう決められ、何が問題になってきたのか」を一気につなげて理解できる回になっています。

特に、一票の格差問題は「不平等だから直せばいい」という単純な話ではなく、地方の声、投票者の現実、国会の裁量、裁判所の関与の仕方など、いくつもの要素が絡むテーマだと分かります。そのうえで、改憲草案が「許容範囲」を憲法に書き込もうとすることが、将来の是正を弱める方向に働きかねない、という警戒も示されます。

国会の章はまだ序盤ですが、ここまでで「国のルールがどう作られ、どこに歯止めがあり、どこが揺れやすいのか」がかなり具体的に見えてきます。次回以降、国会の条文がさらに続いていく中で、今回の土台が効いてくる場面も増えていくはずです。

動画テキスト

キャラクター セリフ
ゆっくり魔理沙 前回で人権の章を終えたので、今回から

はいよいよ第4章国会に入っていくぜ。

ゆっくり霊夢 なんかずっと人権の話だったから、

どうテイストが変わるのかドキドキするね。

ゆっくり魔理沙 2軒目飲みに向かってる

ようなノリだな。

ゆっくり魔理沙 憲法41条は『国会は、国権の最高機関であつて、

国の唯一の立法機関である。』と定めている。

ゆっくり霊夢 国会が国の最高権力を握っていて、

唯一法を作れる機関ってこと?

ゆっくり魔理沙 そのままだな。
ゆっくり魔理沙 まあ、そういうことなんだけど、
ゆっくり魔理沙 ここではもうちょっと踏み込んでみる。
ゆっくり魔理沙 まず『国権の最高機関』について。
ゆっくり魔理沙 なんか国会が最高位みたいな書き方になっているが、
ゆっくり魔理沙 国会がなんでもできるわけじゃない。
ゆっくり魔理沙 霊夢でも聞いたことあると思うが、
ゆっくり魔理沙 実際は三権分立といって、国会が担う立法権の他、

政府が担う行政権、裁判所が担う司法権というように、

ゆっくり魔理沙 国家権力は3つに分けられてそれぞれの機関が担っている。
ゆっくり霊夢 じゃあ立法権が最高ってこと?
ゆっくり魔理沙 うーん。
ゆっくり魔理沙 このあたりはいろんな意見があって難しいところ

なんだけど、

ゆっくり魔理沙 帝国憲法改正案委員会での議論によると、
ゆっくり魔理沙 国会が国権の最高機関とされるのは、
ゆっくり魔理沙 主権者である国民が選んだ議員で組織されるのが国会

であること、

ゆっくり魔理沙 そのため、内閣は国会の意思を基本としてのみ

存在しうる立場であること、

ゆっくり魔理沙 そして、最高裁判所は法が憲法に合っているか判断する

違憲審査権を持っているけども、

ゆっくり魔理沙 原則としては、国会が制定した法を尊重して裁判する

立場であること、

ゆっくり魔理沙 こうした三権の立場を考えると『国会が最高だよね』

ってことみたいなんだ。

ゆっくり霊夢 なるほど。
ゆっくり霊夢 国会に政府や内閣が命令するって

上下関係があるわけじゃなくて、

ゆっくり霊夢 それぞれ別の仕事を分担しているけど、
ゆっくり霊夢 国会は国民の代表としてルールを作る立場にあるから、
割と影響力のある制度になってるよってことか。
ゆっくり魔理沙 そんな感じだな。
ゆっくり魔理沙 じゃあ、次に『唯一の立法機関』についてだけど、
ゆっくり魔理沙 文字通り法を作れるのが国会だけって意味だ。
ゆっくり魔理沙 内閣が法律案を提出することも多いけど、
ゆっくり魔理沙 最終的に法律として成立するかどうかは

国会での会議次第だし、

ゆっくり魔理沙 内閣や各省大臣が出す『命令』というのもあるけど、
ゆっくり魔理沙 『大臣が定める命令によって~』みたいにいわゆる

法律の委任がある場合だけで、

ゆっくり魔理沙 勝手に国民の権利や義務を増やしたり、新たに罰則を

作ったりすることはできない。

ゆっくり魔理沙 つまり、法律の枠を出ることがない。
ゆっくり霊夢 他で法みたいなものを作ってるように見えることが

あるけど、

ゆっくり霊夢 結局、国会を通さない限りは法を作れないように

なっているわけね。

ゆっくり魔理沙 そういうこと。
ゆっくり魔理沙 ちなみに、41条は憲法改正草案でも特に変化はない。
ゆっくり魔理沙 ということで、続いて42条に進もう。
ゆっくり魔理沙 42条は『国会は、衆議院及び参議院の両議院で

これを構成する。』と定めていて、

ゆっくり魔理沙 つまり、国会が二院制であることを定めている。
ゆっくり魔理沙 以上。
ゆっくり霊夢 いやいやいや、さすがにもうちょっとなんか言ってよ。
ゆっくり魔理沙 そうだなあ。
ゆっくり魔理沙 実は、二院制を一院制に

しようという議論がある。

ゆっくり魔理沙 自民党Q&Aを見てみると、自民党は

そこまで望んでなさそうだけどな。

ゆっくり霊夢 へえ。
ゆっくり霊夢 二院制と一院制って何が違うの?
ゆっくり魔理沙 そうだよな、そっからだよな。
ゆっくり魔理沙 二院制は、法律づくりを

必ず2回チェックする仕組みだ。

ゆっくり魔理沙 最初に衆議院で審議して、

それから参議院でもう一度審議する。

ゆっくり霊夢 ダブルチェックって感じだね。
ゆっくり魔理沙 そうだな。
ゆっくり魔理沙 後でまた出てくる話ではあるけど、衆議院は任期が参議院

と比較して短く、選挙が多い上に解散もあるから、

ゆっくり魔理沙 『今の国民の声』を

素早く政治に届ける役割を持ってるんだ。

ゆっくり霊夢 ほうほう。
ゆっくり魔理沙 一方、参議院は解散もなくて任期も長い。
ゆっくり魔理沙 その分、議員たちも腰を据えてゆっくり焦らず慎重に

考えることができる。

ゆっくり魔理沙 つまり、衆議院は国民の意見をスピード重視で届ける

アクセルみたいな役割なのに対して、

ゆっくり魔理沙 参議院はそれを慎重に考える

というブレーキみたいな役割をしている。

ゆっくり霊夢 衆議院は『今の国民の声はこうだ』で、

参議院は『それほんとに大丈夫?』って感じか。

ゆっくり魔理沙 うん、そんな感じと思ってもらったらいいかな。
ゆっくり魔理沙 で、一院制についてなんだけど、
ゆっくり魔理沙 この二院制から参議院がなくなったことを想像してもらう

と、それが一院制だ。

ゆっくり霊夢 と、いうことはブレーキが

効かなくなる?

ゆっくり魔理沙 そう。
ゆっくり魔理沙 となると、どうなるか?
ゆっくり霊夢 国民の声を反映した法律がどんどん決まる?
ゆっくり魔理沙 確かに、そのスピード感は

一院制のメリットとして挙げられるな。

ゆっくり霊夢 だけど、ブレーキがなくなるわけだから、
ゆっくり霊夢 もしかしたら問題のある法律も

通りやすくなってしまうってことか。

ゆっくり魔理沙 そういうこと。
ゆっくり魔理沙 今霊夢が言ってくれた一院制のメリット・デメリット

を逆にすると、

ゆっくり魔理沙 ほぼそのまま二院制のメリット・デメリットになる。
ゆっくり霊夢 なるほど。
ゆっくり霊夢 それで、日本国憲法はブレーキのあるほうを選んだと。
ゆっくり魔理沙 いいね。その通りだ。
ゆっくり魔理沙 じゃあ、一院制を導入したい理由も

わかるだろ?

ゆっくり霊夢 そっか。
ゆっくり霊夢 ブレーキがないから、多数派の意見が

そのまま通って法律をつくれるようになるってことか。

ゆっくり魔理沙 そういうことだろうな。
ゆっくり魔理沙 それに、国民目線でも一院制にすることで議員の数を

減らし、コストダウンできるというメリットはある。

ゆっくり霊夢 だとすると、多数派だろう自民党が

一院制にしたがらないのはどうして?

ゆっくり霊夢 一院制にしたら思い通りに

しやすいでしょ?

ゆっくり魔理沙 いろいろ理由はあると思うが、
ゆっくり魔理沙 とりあえずは現状の状態で割と

自民党の好きにできているからだろうな。

ゆっくり魔理沙 それより、参議院がなくなることに

よるリスクが大きくて、

ゆっくり魔理沙 もし、衆議院の選挙で多数派に

なれなかったら、

ゆっくり魔理沙 再び多数派になるまで

国会でほとんど意思を通せなくなる。

ゆっくり魔理沙 一方、参議院があれば、

衆議院で多数派を取れなくても、

ゆっくり魔理沙 政策にブレーキをかけたり、

一定の影響力を保つ役割は続けることができる。

ゆっくり魔理沙 結局、メリットがほぼない割に

リスクが大きすぎるわけだな。

ゆっくり霊夢 参議院が保険みたいな

ものなのね。

ゆっくり魔理沙 ちょっと話が反れた感が

あるけど、

ゆっくり魔理沙 ここまで話したように、二院制にしても一院制も

一長一短あるわけだけど、

ゆっくり魔理沙 日本国憲法は意思決定スピードが遅くなるとしても、

リスクを減らすように定めた、ということだ。

ゆっくり霊夢 じゃあ42条は短くていかにも地味そうな条文だけど、

めちゃくちゃ重要な条文じゃない。

ゆっくり魔理沙 わかってくれたか。
ゆっくり魔理沙 続いて、43条。
ゆっくり魔理沙 1項は『両議院は、全国民を代表する選挙された

議員でこれを組織する。』定められていて、

ゆっくり魔理沙 2項では『両議院の議員の定数は、

法律でこれを定める。』と定められている。

ゆっくり霊夢 さすがにこれは解説なしでも意味がわかるよ。
ゆっくり魔理沙 そうか?
ゆっくり霊夢 うん?
ゆっくり魔理沙 1項は『全国民を代表する』となっているよな?
ゆっくり霊夢 なってるね。
ゆっくり魔理沙 でも選挙は地域ごとに行われるよな?
ゆっくり霊夢 確かに。
ゆっくり魔理沙 だから、どうしても議員は選挙された地域の人たちに

有利なことをしようとしがちになるよな?

ゆっくり霊夢 そうすれば、また選挙で票をもらいやすいだろうしね。
ゆっくり魔理沙 だけど、議員は『全国民を代表する』わけだから、
ゆっくり魔理沙 一部の地域の人たちだけの利益になるようなことをしよう

という姿勢は43条の趣旨に反することにならないか?

ゆっくり霊夢 なるほど、確かにどう考えたらいいか

難しいね。

ゆっくり魔理沙 あと、気づきにくいことだけど、
ゆっくり魔理沙 国会議員は国ではなく『全国民を代表する』

とはっきり打ち出していることにも大きな意味がある。

ゆっくり霊夢 ほう?
ゆっくり魔理沙 例えば、国を会社に例えてみよう。
ゆっくり魔理沙 会社としてはどうなると嬉しい?
ゆっくり霊夢 そりゃ、儲かってウハウハになることだね。
ゆっくり魔理沙 そうだよな。
ゆっくり魔理沙 でも、会社が儲かっていたとしても、
ゆっくり魔理沙 それが、社員を無茶苦茶こき使って、
ゆっくり魔理沙 給料を下げることで成り立ってる

ブラック体質の会社だったとしたら?

ゆっくり霊夢 そりゃ社員にとっては辛いだろうね。
ゆっくり霊夢 会社が儲かっても、働いてる人が幸せじゃなきゃ

意味ないよ。

ゆっくり魔理沙 そうだろう?
ゆっくり魔理沙 国と全国民の違いもそれと同じだ。
ゆっくり魔理沙 たとえ国の経済が成長して、

国際的な立場が強くなっても、

ゆっくり魔理沙 防衛費を上げて、より安全で安心して暮らせる国

になったとしても、

ゆっくり魔理沙 そのために国民の生活が苦しくなっていたら、

それは『全国民を代表する』政治とは言えない。

ゆっくり霊夢 なるほどね。
ゆっくり霊夢 『国のため』にすることが必ずしも『全国民のため』

になるとは限らないのね。

ゆっくり霊夢 だから43条1項が、『全国民を代表する』って

はっきり定めているのが大事なわけね。

ゆっくり魔理沙 そういうこと。
ゆっくり魔理沙 地元のためでも、
ゆっくり魔理沙 政党のためでも、
ゆっくり魔理沙 ましてや献金をくれる団体や、何をしてくれるのか

わからない他国のためでもない。

ゆっくり魔理沙 国会議員は『全国民』のためを思って

行動しなければならない。

ゆっくり魔理沙 もちろん、国のことを考えないと

いけない面もあるけど、

ゆっくり魔理沙 それも、本質的には国民のためであり、
ゆっくり魔理沙 全国民のためになるから、

国を良くしていこう、

ゆっくり魔理沙 というのが43条1項が

本来理想としていることだ。

ゆっくり霊夢 現実はどうなのかなあ。
ゆっくり魔理沙 ちなみに、判例でも『全国民を代表』が打ち出す

議員の国民代表的性格について、

ゆっくり魔理沙 『選出方法がどのようなもので

あるかにかかわらず』

ゆっくり魔理沙 『一部の国民を代表するものではなく

全国民を代表するものであって、

ゆっくり魔理沙 選挙人の指図に拘束されることなく独立して全国民の

ために行動すべき使命を有する』

ゆっくり魔理沙 としているぜ。
ゆっくり霊夢 まさに今言ってたことだね。
ゆっくり魔理沙 じゃあ、続いて2項。
ゆっくり霊夢 これこそ、条文そのままの意味でしょ。
ゆっくり霊夢 議員の数を法律で決めるって。
ゆっくり魔理沙 まあそうだな。
ゆっくり魔理沙 ただ、憲法で人数を決めてしまわずに、

法律で決められるようにしてるのは理由があるんだ。

ゆっくり霊夢 そうなの?
ゆっくり魔理沙 もし、憲法で人数を決めてたらどうなると思う?
ゆっくり霊夢 まあ、議員の人数を変えにくくはあるよね。
ゆっくり魔理沙 2025年11月時点で、日本の人口はだいたい1億2千万人

いるわけだけど、

ゆっくり魔理沙 2050年前後には1億人を割るなんていわれてるんだ。
ゆっくり霊夢 なんで急に人口の話?
ゆっくり魔理沙 人口が減ってるのに議員の数が同じでもいいのか?
ゆっくり霊夢 よくないの?
ゆっくり魔理沙 単純に、選挙する人に対する議員数の割合を

考えたら、議員の数を減らしてもいいと思わないか?

ゆっくり霊夢 確かに、今と同じくらいの割合まで

減らしてもいいのかも?

ゆっくり魔理沙 減らすことの良し悪しについては

今は置いとくとして、

ゆっくり魔理沙 人口や時代の変化などに応じて、議員の人数を法律で

調整しやすいように、

ゆっくり魔理沙 43条2項は議員定数を

法律で定められるようにしたんだ。

ゆっくり霊夢 定員数に『これが絶対正しい』

ってないもんね。

ゆっくり魔理沙 ただ一方で、『法律で定める』としたばかりに、

問題も発生することになる。

ゆっくり霊夢 どんな問題?
ゆっくり魔理沙 『法律で定める』ということは、
ゆっくり魔理沙 選挙で選ばれる議員が、自ら議員の人数

を調整するルールを作ることになる。

ゆっくり霊夢 そっか。
ゆっくり霊夢 自分たちに有利になるように議員の人数を変えることが

できるようになるわけか。

ゆっくり霊夢 まるでスポーツ選手が、自分がプレイするスポーツの

ルールを決めちゃえるみたいになっちゃうね。

ゆっくり魔理沙 いい例えだな。
ゆっくり魔理沙 今、議員定数を減らすという議論が

また活発になってきている。

ゆっくり魔理沙 人数を減らすことで、誰にどんな影響があるかを

具体的に考えながら、

ゆっくり魔理沙 注意してみていく必要があるだろうな。
ゆっくり霊夢 単純に議員が減ったら給料分とかの

お金浮くからいいじゃん、

ゆっくり霊夢 みたいな単純な話じゃないのかあ。
ゆっくり魔理沙 そんなところで44条に進もう。
ゆっくり魔理沙 44条は議員と選挙人の資格は法律で定めること、ただし

差別してはならないことが定められている。

ゆっくり霊夢 なんか見たことあるような文言だなあ。
ゆっくり魔理沙 14条で平等についての条文があったからな。
ゆっくり魔理沙 ただ、項目が増えているのがわかるか?
ゆっくり霊夢 『教育』『財産』『収入』が増えてるね。
ゆっくり魔理沙 その通り。
ゆっくり魔理沙 頭がいいからとか、お金をいっぱいもってるからとか、
ゆっくり魔理沙 そういった理由で2票分投票できる、
ゆっくり魔理沙 あるいは、逆にそうじゃないから投票させないみたいな

差別は許さないってことを強調しているわけだな。

ゆっくり霊夢 ということは過去にそういうことがあった?
ゆっくり魔理沙 察しがいいな。
ゆっくり魔理沙 明治22年の衆議院選挙法では、

選挙権は満25歳以上の男子で、

ゆっくり魔理沙 直接国税を15円以上納める者に

限られていたそうなんだ。

ゆっくり霊夢 男女の差別があったのはわかってたけど、

お金でも縛りがあったなんて。

ゆっくり魔理沙 あと、『教育』の部分について、

教育自体や頭の良し悪しとはちょっとズレるけど、

ゆっくり魔理沙 2013年までは成年被後見人の選挙権はなかった。
ゆっくり霊夢 成年被後見人?
ゆっくり魔理沙 判断能力が著しく不十分な人について、家庭裁判所が

支援が必要と認定して法的に保護・代理をつけた人だ。

ゆっくり魔理沙 主に、認知症とか知的障害の人だと

思ってもらったらいい。

ゆっくり霊夢 それにしても2013年ってつい最近じゃない。

知らなかった。

ゆっくり魔理沙 今はもちろん削除されているけど、
ゆっくり魔理沙 議員と選挙人の資格についても定めている

公職選挙法の11条1項1号に、

ゆっくり魔理沙 成年被後見人は選挙権を有しない

と定められていたんだけど、

ゆっくり魔理沙 東京地方裁判所で

この公職選挙法11条1項1号は、

ゆっくり魔理沙 憲法15条1項及び3項,43条1項並びに44条

但し書きに違反するという判決が出た。

ゆっくり魔理沙 そして、この判決に伴って

公職選挙法が改正され、該当部分が削除されたんだ。

ゆっくり霊夢 結局、これも最近の話ではあったけど、法律の中身として

は昔からずっと残り続けてきたものなんだろうね。

ゆっくり魔理沙 それはその通りで、おそらく明治時代から

2000年まで存在した、

ゆっくり魔理沙 成年被後見人の前の制度である

『禁治産者』の頃までさかのぼるだろう。

ゆっくり霊夢 憲法44条で項目が増えたのにも納得だわ。
ゆっくり魔理沙 ちなみに、憲法改正草案では『障害の有無』という文言が

加わっている。

ゆっくり霊夢 確か、14条1項でもそうなってたよね?
ゆっくり魔理沙 その通り。
ゆっくり魔理沙 これは、時代の変化による配慮の違いだろうなあ。
ゆっくり魔理沙 並べてられている項目も14条と同じで

あくまで例だろうからな。

ゆっくり霊夢 昔に比べて障害とされることも増えてきてるしね。
ゆっくり魔理沙 じゃあ次の45条に進もう。
ゆっくり魔理沙 45条は衆議院議員の任期について定めている。
ゆっくり魔理沙 任期は原則4年だけど、解散があれば4年未満でも

終了するとしてあって、

ゆっくり魔理沙 解散があることが明言されているな。
ゆっくり霊夢 『今の国民の声』を素早く政治に届ける役割のために、
ゆっくり霊夢 任期も短めで解散もあるって話だったよね。
ゆっくり魔理沙 そうそう。
ゆっくり魔理沙 そのあたりの性格は42条のところで

すでに話したな。

ゆっくり魔理沙 続いて、46条は参議院議員の任期について定めている。
ゆっくり霊夢 衆議院議員よりも長めの任期で6年

っていうのはわかるんだけど、

ゆっくり霊夢 どうして3年ごとに半分ずつ

入れ替えるようになっているの?

ゆっくり魔理沙 これは、解散はしない参議院議員についても、少しでも

『今の国民の声』を届けるための工夫だな。

ゆっくり魔理沙 6年ごとに一斉に選挙だと、
ゆっくり魔理沙 6年間はまったく国民の直接の

意思が反映されないことになる。

ゆっくり魔理沙 そうなると、議員の活動が民意とズレてくる可能性が

高くなってしまう。

ゆっくり魔理沙 だから、段階的にではあるものの、少しでも民意が

反映されやすくなるように、

ゆっくり魔理沙 半分ずつの入れ替え制を採用したんだ。
ゆっくり霊夢 考えられてるんだねえ。
ゆっくり魔理沙 参議院議員は半数は3年で入れ替えるものの、

解散もなく、どの議員も任期はきっちり6年。

ゆっくり魔理沙 6年あることで、目先の選挙の人気取りなどに

走ったりする必要性が低く、

ゆっくり魔理沙 そのおかげで、結果が出るまで時間のかかることにも

じっくりと考えて意見を出すことができる。

ゆっくり魔理沙 だから、参議院は『良識の府』なんて呼ばれることも

あるな。

ゆっくり霊夢 はじめて聞いたけど。
ゆっくり魔理沙 ちなみに、衆議院はスピーディーに民意を反映させること

から『民意の府』と言われていたりするぜ。

ゆっくり霊夢 それもはじめて聞いたわ。
ゆっくり魔理沙 といったところで47条に進もう。
ゆっくり魔理沙 47条は選挙の方法やら選挙について細かいところは

法律で決めてね、ということが定められている。

ゆっくり魔理沙 そして、
ゆっくり魔理沙 これを受けて定められているのが、

『公職選挙法』だ。

ゆっくり魔理沙 『公職』なので、国会議員に限らず地方自治体の選挙も

定める法律になっているぜ。

ゆっくり霊夢 じゃあ43条2項で書いてた

議員の定数もこの法律で決まってるの?

ゆっくり魔理沙 ああ。
ゆっくり魔理沙 あれ?言わなかったっけ?
ゆっくり魔理沙 選挙の方法についても、この法律で決めるわけだけど、
ゆっくり魔理沙 どんな内容でもいいわけじゃない。
ゆっくり魔理沙 憲法の趣旨に反する内容はもちろんダメなのはわかるな?
ゆっくり霊夢 そりゃそうだよね。
ゆっくり魔理沙 そこで、よく問題になるのが『一票の格差問題』だ。
ゆっくり霊夢 一票の格差?
ゆっくり魔理沙 ざっくりいうと、一票の価値に差がついてしまう

という問題だ。

ゆっくり霊夢 何言ってるの?
ゆっくり霊夢 1票は1票でしょうよ。
ゆっくり霊夢 それとも何?
ゆっくり霊夢 1票が2票分になる

特別ルールでもあるっていうの?

ゆっくり魔理沙 ルールってわけじゃないけど、
ゆっくり魔理沙 実際、あるところの1票が他では数票分

の影響力を持つような状態になってしまっているんだ。

ゆっくり霊夢 どうしてそんなことになるの?
ゆっくり魔理沙 選挙では、選挙区と言って日本をいくつかの地域に分けて

それぞれの地域から議員を選ぶ仕組みになっている。

ゆっくり霊夢 それよ。
ゆっくり魔理沙 え?
ゆっくり霊夢 それがそもそもおかしくない?
ゆっくり霊夢 だって国会議員は

『全国民を代表する』のはずなのに、

ゆっくり霊夢 選挙する地域を分けたら、その地域の人の代表みたい

になってしまうのは当然じゃないかしら?

ゆっくり霊夢 そんなことしてるから一票の格差みたいなよくわからない

ことになるんじゃないの?

ゆっくり霊夢 地域なんか分けずに日本全国で

投票したらよくない?

ゆっくり魔理沙 あーうん
ゆっくり魔理沙 確かに、『全国民を代表する』と地域を分けて選挙する

ことが矛盾してるように思えるよな。

ゆっくり魔理沙 今までの話を素直に受け取ったら、そういう疑問が

生まれてくるのも当然だと思う。

ゆっくり霊夢 そうでしょ?
ゆっくり魔理沙 だから、ちょっと話を整理させてくれ。
ゆっくり魔理沙 43条のときに出した判例の言葉を借りると、
ゆっくり魔理沙 「全国民を代表する」は
ゆっくり魔理沙 一部の国民だけじゃなく、全国民を代表する立場として、
ゆっくり魔理沙 選挙人の指図に拘束されることなく

独立して全国民のために行動すべき使命を有するという

ゆっくり魔理沙 国会議員の国民代表的性格のことを言っている。
ゆっくり魔理沙 ただ、憲法上、選挙のやり方は決めてなくて、

47条で法律で決めてねと定めているだけだ。

ゆっくり魔理沙 とするならば、43条は国会議員は

全国民のために動くべきという、

ゆっくり魔理沙 選ばれた後の立場というか姿勢みたいなものを

決めているだけだ、ととらえることができる。

ゆっくり魔理沙 つまり、『全国民を代表』と選挙区を分けることに

ついては矛盾してるようで、

ゆっくり魔理沙 憲法上は矛盾していない。
ゆっくり魔理沙 この判例でも『選出方法がどのようなものであるかに

かかわらず』って言ってるしな。

ゆっくり霊夢 なんとなく気持ち的には納得はできないけど、

理解はしたよ。

ゆっくり魔理沙 それでいい。
ゆっくり魔理沙 で、今度は選挙のやり方についてなんだけど、
ゆっくり魔理沙 これは47条にあるように、法律で決めてねと

憲法が定めているわけだから、

ゆっくり魔理沙 法律で決められさえすれば、今のように選挙区を

分けてやることもできるし、

ゆっくり魔理沙 霊夢が納得できるような、選挙区を分けずに全国一括

で選挙することもできる。

ゆっくり霊夢 でも、結局現状選挙区を分けてるわけだよね?
ゆっくり魔理沙 その通り。
ゆっくり魔理沙 なぜそうしているかは、それぞれの方法の

メリットデメリットを知ってもらうのがいいかなと思う。

ゆっくり魔理沙 全国一括で選挙する場合のメリットは、
ゆっくり魔理沙 何といっても、すべての有権者の一票の価値が

完全に同じになることだ。

ゆっくり霊夢 そうよね。
ゆっくり霊夢 やっぱりわけようとするから変なことになるのよ。
ゆっくり魔理沙 『全国民を代表する』という意味では、

これ以上ないくらいストレートど真ん中のやり方だよな。

ゆっくり魔理沙 ただ一方で、デメリットもある。
ゆっくり霊夢 何よ?
ゆっくり魔理沙 候補者が多くなりすぎることだ。
ゆっくり魔理沙 人数が少ない参議院議員を見ても、
ゆっくり魔理沙 現在の定数は248人。
ゆっくり魔理沙 1回の選挙ではこれの半数を改選するわけだから、

124人に対して1票を投じることになる。

ゆっくり魔理沙 いや、立候補者と考えると、

もっともっと多くなるはずだ。

ゆっくり魔理沙 それだけの人数を選挙期間内に比較吟味して、

誰に投票するか決めるってできるか?

ゆっくり霊夢 いやー正直無理ゲーだわ。
ゆっくり魔理沙 だろ?
ゆっくり魔理沙 まして、衆議院議員の場合は一気にだから、
ゆっくり魔理沙 465人プラス候補者をみないといけない。
ゆっくり霊夢 なんか頭痛がしてきたな。
ゆっくり魔理沙 だから、このデメリットはめちゃくちゃ大きい。
ゆっくり魔理沙 で、もうちょっと突っ込んでいうと、
ゆっくり魔理沙 もし、実際にこのような選挙をしなければならないとして

霊夢ならどうする?

ゆっくり霊夢 そうねえ。
ゆっくり霊夢 全員調べきれないし、面倒だから適当に投票するかな。
ゆっくり霊夢 それか、自分が知ってる有名な人に票入れちゃうかも?
ゆっくり魔理沙 そうだよな。
ゆっくり魔理沙 主張の中身うんぬん

よりも、

ゆっくり魔理沙 知名度の高い候補や大政党の候補に
ゆっくり魔理沙 どうしても票が集まりやすくなる。
ゆっくり魔理沙 選挙区を分けている今だって知名度で当選してるなんて

言われる人がいるくらいなんだから。

ゆっくり霊夢 ぐぐ、確かに。
ゆっくり魔理沙 これでも全国一括選挙が厳しいとする理由としては

十分だけど、

ゆっくり魔理沙 大きなデメリットはまだあって、
ゆっくり魔理沙 それが、地方の声が届きにくくなるということだ。
ゆっくり霊夢 というと?
ゆっくり魔理沙 日本は狭いようで広い。
ゆっくり魔理沙 住んでいる地域によって、

こうしてほしいという願望も違う。

ゆっくり霊夢 それはそうだろうね。
ゆっくり霊夢 最近のクマの話だって、山の近くの人にとっては

大問題かもしれないけど、

ゆっくり霊夢 都会の人にとってはどうしても

他人事になってしまうもんね。

ゆっくり魔理沙 いい例出してきたな。
ゆっくり魔理沙 『全国民を代表する』というのなら、
ゆっくり魔理沙 この山に近いところと都会、
ゆっくり魔理沙 どちらの意見も取り入れてどうするか

考えるのが筋ってもんだろ?

ゆっくり霊夢 まあそうだね。
ゆっくり魔理沙 でも、全国一括で選挙をやってしまったら、
ゆっくり魔理沙 どうしても人口の多いところの票が多くなってしまうし、
ゆっくり魔理沙 当然、都会の人に受ける人が当選する結果

になってしまうだろうな。

ゆっくり霊夢 そっか、それで山に近いところの意見は反映されにくく

なってしまうわけか。

ゆっくり霊夢 全国一括で選挙するのは、投票するほうも大変だし、
ゆっくり霊夢 平等なようで平等じゃないのか。
ゆっくり魔理沙 霊夢のいうような気持ちがわからないわけじゃない

けども、デメリットが強すぎるんだよ。

ゆっくり魔理沙 一方、
ゆっくり魔理沙 選挙区を分けるメリットは、

全国一括選挙のデメリットのまさに逆だ。

ゆっくり霊夢 候補者の数も減るし、地方からも当選者が出るから、

地方の声も反映されやすいってことね。

ゆっくり魔理沙 ただし、選挙区を分けるのも、どうしても避けられない

デメリットがある。

ゆっくり霊夢 それが、一票の格差問題ってことだね。
ゆっくり魔理沙 戻ってこれたな。
ゆっくり霊夢 そういえば、一票の格差が

具体的にどんな感じで出るのか聞いてなかったな。

ゆっくり魔理沙 一票の格差問題が具体的にどういうことかというと、
ゆっくり魔理沙 例えば、
ゆっくり魔理沙 選挙区Aの定員が1名で、

選挙する人が100人いたとする。

ゆっくり魔理沙 すると、1票の価値は?
ゆっくり霊夢 100人のうちの1票になるから、100分の1?
ゆっくり魔理沙 じゃあ別の選挙区Bでは、定員が同じく1名だけど、

選挙する人が1000人いたとする。

ゆっくり魔理沙 1票の価値は?
ゆっくり霊夢 同じ考え方でいくと、
ゆっくり霊夢 1000分の1ってことになるか。
ゆっくり霊夢 ということは、価値が10倍違うことになるのね。
ゆっくり魔理沙 その通り。
ゆっくり魔理沙 選挙区ごとに、人口や定員数が変わると、

こんな風に投票価値に差ができてしまうんだ。

ゆっくり魔理沙 だけど、さっきも話した通り、44条では選挙人の資格に

ついて、差別してはいけないということになっている。

ゆっくり魔理沙 さっきの例えでいうと、選挙区Aの人にとって1票を

投じることは、実質10票入れてるのと同じことになる。

ゆっくり魔理沙 これは差別じゃないか?
ゆっくり霊夢 確かに。
ゆっくり魔理沙 というのが、『一票の格差問題』ってことだ。
ゆっくり魔理沙 これを解決しようと思ったら、
ゆっくり魔理沙 各選挙区の定員数と有権者数をまったく同じに

しなくちゃなんだけど、

ゆっくり魔理沙 定員数はいいとしても、

有権者数については、

ゆっくり魔理沙 実際問題同じにするのは

不可能だ。

ゆっくり霊夢 18歳になって新しい有権者が増えたり、

亡くなって減ったり、

ゆっくり霊夢 引っ越したりなんだりで、
ゆっくり霊夢 常に変化があるだろうしね。
ゆっくり魔理沙 だから、問題の焦点は
ゆっくり魔理沙 『どこまでの格差だったら許されるのか』
ゆっくり魔理沙 というところに当てられている。
ゆっくり霊夢 うーん。
ゆっくり霊夢 やっぱり1人で2人分の票の価値だとまずいから、

2倍以上になるのはダメなんじゃない?

ゆっくり魔理沙 どうだろうな。
ゆっくり魔理沙 ここまでの話を踏まえて、判例を見てみようじゃないか。
ゆっくり魔理沙 選挙区割りなどを定める公職選挙法13条や14条が

違憲じゃないかという訴えは、たびたび起こされている。

ゆっくり魔理沙 その走りともいえるのが、昭和39年の最高裁判決だ。
ゆっくり魔理沙 このときの選挙では、1票の価値が約4倍までなっていた。
ゆっくり霊夢 それはいくらなんでも開き過ぎじゃない?
ゆっくり魔理沙 この判例では、
ゆっくり魔理沙 まず、選挙のルールなどについては、憲法の規定から

法律をつくる国会に権限があるとした。

ゆっくり魔理沙 そして、議員定数を選挙区別の選挙人の

人口数に比例して決めることも、

ゆっくり魔理沙 今まで見てきたように、憲法で積極的に

命じている条文はない。

ゆっくり魔理沙 続けて、
ゆっくり魔理沙 もちろん、議員数を選挙人の人口数に比例して各選挙区に

配分することは法の下に平等の憲法の原則からいって

ゆっくり魔理沙 望ましいことではあるんだけど、別に人口以外の要素を

考えることは禁止されていない。

ゆっくり魔理沙 以上から、選挙権の平等を極端に害さない限り、
ゆっくり魔理沙 議員定数をどうするかは立法政策の問題にすぎず、

違憲とはいえないとしたんだ。

ゆっくり霊夢 4倍は選挙権の平等を極端に害してないんだ。
ゆっくり魔理沙 いきなり予想が外れたな。
ゆっくり霊夢 でも、なんか納得できないよ。
ゆっくり魔理沙 だろうな。
ゆっくり魔理沙 だからこの判例でも裁判官から反対意見があるし、
ゆっくり魔理沙 まだまだ訴えは起こされ続ける。
ゆっくり魔理沙 昭和51年の最高裁判決で判断された選挙では、

格差は約5倍に達していた。

ゆっくり霊夢 さらに差が広がってる。
ゆっくり魔理沙 この判例では、まず、選挙の平等について

しっかりと述べられていて、

ゆっくり魔理沙 選挙権の平等は、投票価値の平等、
ゆっくり魔理沙 各投票が選挙の結果に及ぼす影響力についても平等である

ことが要求されるとしたんだ。

ゆっくり魔理沙 そして、納税額や性別などで差をつけるのは

当然違憲だけども、

ゆっくり魔理沙 選挙制度によって投票価値に差がついてしまうような

場合も、

ゆっくり魔理沙 選挙の平等原則との関係で問題になるといったんだ。
ゆっくり霊夢 さっきの判例から風向き

変わった?

ゆっくり霊夢 立法府の問題で済ます

って感じじゃなくなってるじゃない?

ゆっくり霊夢 ついに、裁判所が問題を受け止めたのね。
ゆっくり魔理沙 ちなみに、選挙内容の平等、投票価値の平等は、
ゆっくり魔理沙 憲法15条1項、3項、44条但し書きから要求される

ことも認めている。

ゆっくり魔理沙 とはいっても、数字的にも完全に

同じであることまでは無理だけどな、

ゆっくり魔理沙 とも言っている。
ゆっくり霊夢 さすがにね。
ゆっくり霊夢 でも、前の判例よりは投票価値の平等を

守ろうという姿勢が見えるね。

ゆっくり魔理沙 続けて、選挙のルールは原則として国会の裁量に

ゆだねられていることを挙げ、

ゆっくり魔理沙 投票価値の平等も、人種や性別など

あからさまなやつを除いて、

ゆっくり魔理沙 選挙ルールで考慮すべき絶対の基準

ではないといっている。

ゆっくり霊夢 あれ?もしかしてさっきの判例と同じ流れ?
ゆっくり魔理沙 いや、ここからはちょっと違ってくる。
ゆっくり魔理沙 投票の価値の平等は、完璧はさすがに無理だけど、
ゆっくり魔理沙 選挙制度で現実に投票価値の不平等の

結果が生じている場合には、

ゆっくり魔理沙 国会が正当に考えることのできる

重要な政策的目的や理由に基づく結果として、

ゆっくり魔理沙 合理的といえなければならないとしたんだ。
ゆっくり霊夢 どゆこと?
ゆっくり魔理沙 現実に投票価値の不平等が起こっているなら、
ゆっくり魔理沙 国会が合理的な目的や理由をもって対応した

結果といえないと問題があると考えるよ?って感じかな。

ゆっくり霊夢 やっぱり前の判例より

ちょっと厳しめだよね。

ゆっくり魔理沙 そうだな。
ゆっくり魔理沙 そしてここから、今回の事例において公職選挙法の

議員定数規定の合憲性の具体的検討に入っていく。

ゆっくり魔理沙 この判例の事例では、なんとか投票価値を

平等にしようと公職選挙法をいじったけど、

ゆっくり魔理沙 結局、投票価値に約5倍の差が開いてしまったんだ。
ゆっくり霊夢 じゃあ、目的が合理的だから合憲?
ゆっくり魔理沙 いや、人口の異動とかあるだろうから大目に

みたとしても、

ゆっくり魔理沙 『さすがに5倍は開き過ぎじゃね?』

と、合理性があるとはいえないと判断した。

ゆっくり霊夢 じゃあ、違憲だ?
ゆっくり魔理沙 まだまだ。
ゆっくり魔理沙 ここで話は終わらない。
ゆっくり霊夢 焦らすわね。
ゆっくり魔理沙 判例は合理的とはいえない差が生じたからと

すぐに違憲だとせず、

ゆっくり魔理沙 合理的な期間内に修正されない場合に

はじめて憲法違反だとされるとしたんだ。

ゆっくり魔理沙 議員定数規定もそんな頻繁に

パシパシ変更できるもんじゃないからな。

ゆっくり霊夢 差に問題があっても、

合理的な期間内に修正すればセーフとしたのか。

ゆっくり霊夢 で、結局どうなったの?
ゆっくり魔理沙 ああ、違憲になったぜ。
ゆっくり魔理沙 今回の差の開きは人口変動で

起こったもので、

ゆっくり魔理沙 選挙区は5年ごとの国勢調査を元に修正していくことが、

公職選挙法の規定にあるから、

ゆっくり魔理沙 合理的期間はその5年とされた。
ゆっくり魔理沙 事例で揉める原因になった選挙のときには、

すでに約8年経過していたので、

ゆっくり魔理沙 違憲になったというわけだ。
ゆっくり霊夢 おお、ついに。
ゆっくり霊夢 じゃあ選挙はやり直し?
ゆっくり魔理沙 いや。
ゆっくり魔理沙 確かに、憲法違反の法律は無効であり、
ゆっくり魔理沙 この法律に基づいた行為も無効となるべきだ。
ゆっくり魔理沙 無効にすることが、憲法違反の結果の防止や修正

をするために普通はベストだからな。

ゆっくり霊夢 だったら。
ゆっくり魔理沙 だけど、無効にすることでかえって

不当な結果を生ずる場合は、

ゆっくり魔理沙 適切と思われる別の対応を

するしかない。

ゆっくり魔理沙 そして、判例は今回の事例がその

別の対応をすべき場合だと判断した。

ゆっくり魔理沙 具体的な理由は書いていないが、
ゆっくり魔理沙 もうすでに選挙の結果を元に

政治が進んでいて、

ゆっくり魔理沙 今更この議員定数配分規定や選挙を

無効にしても、

ゆっくり魔理沙 また選挙区割りを考えることから

になるのですぐに違憲状態は修正されないし、

ゆっくり魔理沙 むしろ、無効とすることで、選挙から

判決までになされた政治がすべて無効になり、

ゆっくり魔理沙 国の運営上大問題になり、そうなるのは憲法も

望むところじゃないっておそらく考えたんだろうな。

ゆっくり魔理沙 要するに無効にするメリットよりも

デメリットが大きすぎるってわけよ。

ゆっくり魔理沙 だから、結果的に今回の選挙は違憲の議員定数配分規定に

基づいて実施された点においては違法とするけど、

ゆっくり魔理沙 選挙自体は無効にしないという結論になった。
ゆっくり霊夢 その判決、意味あるの?
ゆっくり魔理沙 意味はある。
ゆっくり魔理沙 もちろん、訴えた人は無効にしたかったはずで、

直接的なメリットはなかっただろうけど、

ゆっくり魔理沙 裁判所が一票の格差は放置していい問題じゃない

とはっきり宣言したことの意義は大きい。

ゆっくり霊夢 まあ、それまではほぼ国会の裁量の範囲ってことで

投げてきたわけだしね。

ゆっくり魔理沙 ただ、これは衆議院選挙の場合の話で、
ゆっくり魔理沙 参議院議員選挙の場合には

ちょっとばかしテイストが変わる。

ゆっくり魔理沙 この選挙でも投票価値は約5倍の開きがあったんだけど、
ゆっくり魔理沙 さっきと同じような基準を示しながら、
ゆっくり魔理沙 参議院の長期的にじっくりやっていく性格と、
ゆっくり魔理沙 今回の場合はそもそも修正しても差が縮めるのが難しい

という事情もあったから、

ゆっくり魔理沙 違憲状態になっていないという判断になった。
ゆっくり霊夢 衆議院と参議院でまた違うのか。
ゆっくり魔理沙 とはいっても、
ゆっくり魔理沙 後に、参議院というだけで、投票価値の平等の要請が

後退してよいという理由は見出しがたい

ゆっくり魔理沙 とはいってるけどな。
ゆっくり霊夢 そりゃそうよね。
ゆっくり魔理沙 もちろん、実際の判例はそんな単純な話じゃ

ないんだけど、

ゆっくり魔理沙 ざっくりいうなら、なかなか格差が

是正されないからしびれを切らしたって感じかな。

ゆっくり魔理沙 まあでも、
ゆっくり魔理沙 基本的な判断の枠組みは、さっきいった
ゆっくり魔理沙 投票価値の差が合理的な範囲内かどうか、
ゆっくり魔理沙 範囲を超えているならば、合理的な期間内に改善されて

いるかどうか

ゆっくり魔理沙 という基準が採用されている。
ゆっくり魔理沙 といったところで、一票の格差問題の判例を深堀するのは

ここまでにしておこうか。

ゆっくり魔理沙 判例を全部振り返っていたら、

まだまだ続いてしまうからな。

ゆっくり霊夢 十分長かったけどね。
ゆっくり魔理沙 ただ、わかってほしいのは、
ゆっくり魔理沙 一票の格差問題は単純に選挙区や議員定数をいじって数字

の帳尻さえあえばいいという問題じゃないってことだ。

ゆっくり霊夢 そうなの?
ゆっくり魔理沙 判例の中で『人口に比例させて』みたいな話も

出ていたけど、

ゆっくり魔理沙 人口に比例させるのが行き過ぎると、
ゆっくり魔理沙 結局人口の多いところの議員数が増えることになり、
ゆっくり魔理沙 結果的に全国一括選挙のデメリットで挙げたていた、
ゆっくり魔理沙 地方の声を拾いにくいことが、選挙区を割っていても

どうしても顔を出してくる。

ゆっくり霊夢 そっか。
ゆっくり霊夢 だから判例も、『これくらいの差が開いていたら違憲』

っていう明確な数字の基準を出さないんだね。

ゆっくり魔理沙 たぶんな。
ゆっくり魔理沙 そしてそのすべては投票価値の平等を実現するという

憲法の要請が前提となっている。

ゆっくり魔理沙 どうすれば本当に平等を保てるか、

模索し続けているのが一票の格差問題だといえるな。

ゆっくり魔理沙 と、いうところで、47条は憲法改正草案で変わってる

部分があるので見ていこう。

ゆっくり魔理沙 条文はこんな感じになっている。
ゆっくり霊夢 どれどれ。
ゆっくり霊夢 ふーん。
ゆっくり霊夢 なんか判例で言ってたようなことが条文になっている

感じだね。

ゆっくり魔理沙 この条文については、Q&Aにコメントがあったので、

そちらも見てみよう。

ゆっくり霊夢 ふむふむ。
ゆっくり霊夢 まあ、これは言ってることはわかるよね。
ゆっくり霊夢 今まで判例で言っていたようなことを踏まえて憲法改正

草案に盛り込んだって感じなんだよね。

ゆっくり魔理沙 まあ、内容としてはそうなんだけど、
ゆっくり魔理沙 私にはすごくひっかかる言い方に感じるんだ。
ゆっくり霊夢 どこが?
ゆっくり魔理沙 まず、『最近、一票の格差について違憲状態にあるとの

最高裁判所の判決が続いていることに鑑み、

ゆっくり魔理沙 選挙区は、単に人口のみによって決められるものではない

ことを、明示したものです』って言ってるんだけど、

ゆっくり魔理沙 私にはこれが、
ゆっくり魔理沙 『判例が違憲違憲ってうるせえから黙らせるために

憲法に盛り込みました』

ゆっくり魔理沙 って言っているように聞こえるんだ。
ゆっくり霊夢 どういうこと?
ゆっくり魔理沙 コメントにもあるように、この内容を盛り込んだのは、

格差はどうしても生じるから、

ゆっくり魔理沙 一定の許容範囲があることを規定するためだ。
ゆっくり魔理沙 確かに、格差を完全になくすのが難しい。
ゆっくり魔理沙 それはここまで伝えてきた通りだ。
ゆっくり魔理沙 だけど、格差に一定の許容範囲があることを

憲法に入れ込むというのは、

ゆっくり魔理沙 憲法が格差を許容するという状態になる。
ゆっくり魔理沙 そうなると、どうしても今までのように格差が

違憲状態だという判決を出しづらくなる。

ゆっくり魔理沙 つまり、格差の修正を放置しても

文句がつけられない形になっているんだ。

ゆっくり魔理沙 だからこそ、
ゆっくり魔理沙 コメントでわざわざ『一票の格差を是正する必要がない

としたものではありません』と念押ししてるだろ?

ゆっくり霊夢 この一言は言い訳なのか。
ゆっくり魔理沙 なんにせよ、投票価値の平等が

軽くみられるようになるのは間違いないだろうな。

ゆっくり霊夢 でも、コメントの最後に参考に出している衆議院議員

選挙区画定審議会設置法には、

ゆっくり霊夢 格差が2以上にならないことを基本にするって

言ってるよ?

ゆっくり魔理沙 『基本』って言ってるんだから、結局、憲法に盛り込もう

としているように、

ゆっくり魔理沙 格差に許容範囲があっても別に問題ない。
ゆっくり霊夢 具体的な数字を出してはいるけど、

本質に違いはないのか。

ゆっくり魔理沙 逆に、徹底的に数字上の格差をなくすことで
ゆっくり魔理沙 地方と都心の声の大きさの格差を

広げようとしているのかもしれない。

ゆっくり魔理沙 そう考えると、
ゆっくり魔理沙 『人口を基本とし』って文言もちょっと引っ掛かりはする。
ゆっくり霊夢 どっちなのよ。
ゆっくり魔理沙 どっちにしたいのかはわからないけど、どっちにいっても

文句言われないような条文変更になっているのは

ゆっくり魔理沙 間違いない。
ゆっくり霊夢 そもそも数字上の格差が縮まるのは

良しとされやすいことだしね。

ゆっくり魔理沙 裁判所のプレッシャーがかけられないと、その時々の

政権が好きなようにできる。

ゆっくり魔理沙 どういう狙いがあるにせよ、
ゆっくり魔理沙 格差は昔に比べたら縮まってきているわけだし、
ゆっくり魔理沙 今の憲法で選挙ルールは

国会で決めることが定められてる。

ゆっくり魔理沙 これ以上にわざわざ許容範囲を付け足すような内容を

盛り込む必要はないと私は思う。

ゆっくり霊夢 ここまで見てきた憲法改正草案のことを考えたら、
ゆっくり霊夢 今まででも十分機能している部分に、わざわざ条文を

変えたり付け足したりするのは、

ゆっくり霊夢 どうしても何か裏に狙いがあると思っちゃうよね。
ゆっくり魔理沙 今回はこんなところだな。
ゆっくり霊夢 人権のところよりはマシだけど、

結局なかなか進まないね。

ゆっくり魔理沙 大事なところが多いからな。
ゆっくり魔理沙 しかも条文数も多くて

64条まである。

ゆっくり霊夢 国会だけでそこまで続くんだ。
ゆっくり霊夢 何をそんなに定めることがあるんだろう?
ゆっくり魔理沙 それは次回以降で見ていこう。
ゆっくり霊夢 最後までご視聴ありがとうございました。
ゆっくり魔理沙 それではまた次回!
ゆっくり霊夢 それではまた次回!

編集後記

いよいよ国会の章に突入です。

人権のところが終わったから、サクサク進められると思っていたのですが、憲法をよく読んでみると、短いのに重要な条文が多かったりします。

しかも、多くの判例も絡んできたりして、なかなかまとめるまで時間かかりました。

今回でいうと、投票価値の平等について、公職選挙法の13、14条あたりにかかわる議員定数配分規定の判例。

もう軽く20以上は出てきており、すべてを盛り込もうとすると、動画の時間何時間になるかわからないので、傾向がわかるポイントとなる判例だけ入れることにしました。

興味があったら、ぜひご自分で確認してみてください。

サムネイルは、国会の最高機関の部分を表現することにしました。

1番最初に頭に浮かんだからってだけなんですけどね。

 

国会の章はもう台本を書きあげたので、

1月中に動画にしてしまいたいですね。

 

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