日本国憲法全文解説⑰(第七章財政85~91条)と自民党憲法改正草案の検討
動画概要
今回のパートで扱うテーマ:国のお金は誰が止められるのか
今回の動画は、憲法第7章「財政」のうち、国の“支出”と“監視”の仕組みをまとめて追いかける回です。前回は税金(収入)の話が中心でしたが、今回は「集めたお金を、誰が・どんな手続きで・どこまで使えるのか」という支出側のルールが主役になります。
税金は、払う側からするとかなり重い負担です。だからこそ「使う側を監視できる仕組み」がないと、財政は一気にブラックボックスになります。今回のポイントはシンプルで、“国のお金を動かすには国会を通せ”という原則が、憲法と法律でどう組み立てられているか。そして、憲法改正草案(自民党案)では、その原則の運用がどう変わり得るのか、です。
85条:支出と借金は、国会の議決が必要
85条は、国が支出をしたり、国が将来負担するような債務(借金や保証など)を背負ったりするには、原則として国会の議決が必要だと定めます。
国の活動はお金なしでは回りません。だからといって、内閣が自由に財布を開ける仕組みだと危ない。税金はもちろん、借金も結局は国民にツケが回ります。そこで「国民の代表である国会を通せ」という形で、支出と借金にブレーキをかけているわけです。
ただ、毎回「何か買うたびに議決」だと現実に回りません。だから実務は、次の86条にあるように“予算を先に決めておく”方式が基本になります。
86条(現行):毎年の予算を国会が議決する
86条は、内閣が予算を作り、国会の議決を経なければならない、と定めます。ポイントは「毎会計年度」です。
会計年度とは:1年で区切って、収支を見える化する
会計年度は、お金の出入りを管理するための“1年の区切り”です。日本は財政法11条で、毎年4月1日から翌年3月31日までとされています。
なぜ毎年区切るのか。理由は単純で、一度決めた予算をずっと使い回されたら困るからです。状況は毎年変わるし、毎年きちんと国会がチェックして「今年はいくら、何に、どう使うか」を決め直さないと、監視が効かなくなります。
単年度主義と会計年度独立の原則は「その年の収入で、その年の支出」
この“毎年区切る”考え方は、よく単年度主義と呼ばれます。さらに財政法では、各年度の経費は原則としてその年度の収入でまかなう、という会計年度独立の原則を置き、年度ごとの収支を明確にします。
そして財政法42条で、余った予算を原則として翌年度に回せない(勝手に持ち越せない)仕組みを置くことで、年度独立を補強しています。「来年の収入で埋めればいいや」を防ぐための手当てですね。
例外もある:継続費・繰越明許費など
もちろん、現実には1年で終わらない支出もあります。大きな公共工事などが典型です。そこで例外として、事前に国会の議決があれば数年度にわたって支出できる継続費があり、年度をまたぐ場合は国会の議決や財務大臣の承認を要件として繰越明許費などが用意されています。
ただ、ここで大事なのは「例外は例外」という立て付けです。原則はあくまで年度独立で、繰り越しは無制限にできないように作られています。
憲法改正草案86条:例外が“通常手段”に化ける危うさ
草案では86条が4項まで増えます。1項は現行と同じ内容ですが、2項・3項・4項が追加され、そこがかなり重要です。
2項:補正予算が、憲法上“ノーガード”になる可能性
補正予算は、すでに決めた予算を後から直すものです。財政法29条にも規定はありますが、単年度主義との関係で、本来は限定的に扱われるべき性格のものです。
ところが草案は、補正予算の提出を憲法に書き込みながら、どんな場合に許されるのかの限定が見当たりません。さらに、条文上「国会の議決が必要」とは明記されていないため、解釈次第で「提出さえすれば執行できる」と読まれるリスクがゼロとは言い切れません。
もちろん、現実的には予算案の議決手続(憲法60条など)を踏むのが普通だろう、という見方も成り立ちます。ただ、わざわざ85条や86条1項・4項で“議決”を重ねて書く一方、2項だけぼかしているようにも見える。ここは注意して読む必要があります。
3項:暫定予算が「義務化」され、しかも議決が曖昧
草案3項は、年度開始前に本予算の議決が得られない見込みのとき、暫定期間の予算(暫定予算)を作って提出しなければならない、と定めます。暫定予算自体は財政法30条にもあり、行政を止めないための緊急措置としての意味は分かります。
ただ、財政法では「必要に応じてできる権限」とされ、しかも本来は必要最小限にとどめるべきものです。何より、現行の理解では暫定予算でも国会の議決が必要です。
それが草案では、暫定予算を義務化しながら、やはり条文で“議決”が明確に書かれていない。例外部分をわざわざ憲法に持ち上げてきて、しかも議決の書き方を分けている以上、「あえて書いていない」と読まれ得る余地が生まれます。制度設計としては、かなり怖いポイントです。
4項:複数年度予算を“場面の限定なく”可能にする構造
草案4項は、法律の定めるところにより国会の議決を経れば、翌年度以降にも支出できる、とします。見た目は「今でも認めている仕組みを憲法に書いただけ」に見えますが、実際は原則と例外の関係をひっくり返しかねません。
現行の継続費などは、単年度主義をできるだけ崩さないよう、期間の上限や総額、年度ごとの配分など、国会のチェックが届く形になっています。ところが草案4項は、制約が「法律+国会議決」だけになるため、いったん通った複数年度予算が、その後“毎年の同じレベルの審査”を受けずに積み上がり続ける可能性が出てきます。
単年度主義の感覚で言えば、予算は毎年いったん白紙に戻して組み直すのが基本です。複数年度前提の予算が憲法上の“通常手段”として置かれると、このリセット感が弱まり、「初回に通せば後は流れで…」という空気が生まれやすくなります。ここは、国会の監視機能そのものに響く論点です。
87条:予備費は便利だが、監視が甘くなりやすい
87条1項は、予想外の予算不足に備えるため、国会の議決に基づいて予備費を設けられる、とします。予備費は“いざという時”に内閣判断で支出できるのがポイントで、支出のたびに議決を求めていたら意味がない、というのも分かります。
ただし、予備費には歯止めもあり、設置自体は国会の議決が必要ですし、支出は事後的に国会の承認が必要です(87条2項)。
とはいえ、構造的に見ると、予備費はどうしても監視が甘くなります。支出時点での審査がなく、事後承認になりがちだからです。近年は予備費が大きく計上され、さまざまな政策目的に使われる例も見られます。緊急のための制度が、便利な財布になってしまうと、財政民主主義の例外が肥大化します。
だからこそ、予備費はいたずらに増やすべきではないし、使い道について内閣が説明責任を負い、国会がきちんと追及できる設計が必要だ、という問題意識が出てきます。草案では87条に大きな変更がない点も含め、現状の運用こそが重要だと分かります。
88条:皇室財産と費用も、国会が監視する
88条は、皇室財産が国に属すること、そして皇室の費用は予算に計上して国会の議決を経ることを定めます。要するに、皇室のお金も“国家財政の枠内”に置いて監視する仕組みです。
お金が政治を動かす力になり得る以上、財布を閉じるルールを作っておくことは大きい。皇室が象徴として位置づけられる前提としても、金銭面をガッチリ国会管理に置く意味は重い、という話になります。
89条:公金を出してはいけない先と、その理由
89条は、公金や公の財産を支出したり、利用させたりしてはいけない場合を定めます。大きく2つで、①宗教上の組織・団体、②公の支配に属しない慈善・教育・博愛の事業、です。
宗教への公金:政教分離を“お金”で担保する
宗教分野は、憲法20条の政教分離が有名ですが、89条はその財政面です。ただし、宗教に関わるものがすべてダメ、という単純な話ではなく、文化財保護のように特定宗教の助長につながらない場合などは、違憲かどうかが微妙になります。
実務では、目的や効果から判断する枠組み(いわゆる目的効果基準)が使われ、過去の経緯(戦前の無償貸与など)も踏まえて、違憲状態の解消方法まで含めて判断されることがあります。線引きが簡単ではない分、条文の趣旨を押さえておくことが大事です。
「公の支配に属しない」慈善・教育・博愛:税金を出すなら口も出せる状態に
慈善・教育・博愛というと、福祉事業や学校運営が典型です。「むしろ税金が使われそうな分野では?」と思うのも自然です。
ここでの肝は、「全部ダメ」ではなく、“公の支配に属しない”ものがダメという点です。つまり、国や自治体が運営や会計、使い道に関与できず、チェックもできないのに税金だけ出す、という状態を避ける趣旨だと捉えると分かりやすいです。
民間が運営していても、補助金に条件を付けたり、会計報告や監査を受けさせたりして、公のコントロールが及ぶなら「公の支配に属する」と整理され得ます。ここでいう「公の支配」は、公立か私立かの区別そのものではなく、公金を出す以上、公共側の関与が届くかという話です。
そして、89条の趣旨が「公費濫用防止」なのか「政教分離の徹底」なのかは、議論の揺れがあり得ます。慈善・教育・博愛が思想や宗教と結びつきやすい領域であることを踏まえると、後半も政教分離に近い発想で理解した方が条文の並びとして納得しやすい、という見方も出てきます。
憲法改正草案89条:言い換えが、ハードル変更につながる可能性
草案では89条が2項に分かれます。
1項:例外を広げ、政教分離を弱め得る書き方
草案1項は、20条3項ただし書きの範囲を前提に、公金や公の財産による便宜供与が可能になる余地を示します。ここが広がると、国と宗教の距離が近づき、特定宗教の優遇や、他宗教との不均衡が起こりやすくなります。
政教分離は、国家権力が宗教を利用することを防ぐだけでなく、各宗教を平等に扱って信教の自由を守る側面もあります。国が特定の宗教と関わる余地が広がるほど、そのバランスが崩れて、人権侵害の危険が増える、という見方が出てきます。
2項:「支配」→「監督」へ。関与の度合いが薄くなる?
草案2項では、「公の支配に属しない」が「監督が及ばない」という文言に変わります。言い換えに見えますが、言葉の意味としては、一般に「支配」の方が強く、「監督」はそれより弱いニュアンスを持ちます。
解釈は最終的に運用次第ですが、条文解釈の出発点として言葉の通常の意味を重視する読み方(文理解釈)は有力です。そこに「公金支出をしやすくしたい」方向の説明が重なると、公金支出に必要な国の関与の度合いが緩くなる方向へ寄っていく可能性が高まります。
ここで怖いのは、助成の可否が事実上、思想内容や評価で左右される空気が生まれることです。特定の考え方を理由に公金支出を絞る発想は、平等原則の問題にもつながり得ます。結局のところ、税金を使うなら説明責任とチェック可能性が必要で、そこを曖昧にする変更は、長期的に見て危うい、というのがこのパートの核心です。
90条:会計検査院という“国の監査役”と、独立性の意味
90条は、国の決算を会計検査院が検査すること、そしてその結果を内閣が国会に報告することを定めます。会計検査院は、ざっくり言うと「国のお金が適切に使われたか」をチェックする組織で、会社で言えば監査役に近い存在です。
ここで大事なのが独立性です。会計検査院の仕事は内閣の仕事をチェックすることなので、内閣と対立しやすい構造になります。だからこそ、内閣が口を出せない仕組みが必要です。
憲法自体は独立を明確に言い切っていませんが、90条2項で組織や権限を法律で定めるとし、国会が制度を握る形になっています。さらに会計検査院法では「内閣に対し独立の地位を有する」と明記され、独立性が補強されています。
この仕組みは、会計検査院の指摘を受け、内閣が国会に報告し、翌年度の予算審議で是正を図る、という流れを作ることで、財政の監視が“次年度予算”に接続される点が合理的です。
憲法改正草案90条:文章の順番変更が、権力関係を変える
草案では、90条1項の文言の順番が変わり、さらに3項が追加されます。
「国の決算が検査を受ける」から「内閣が検査を受ける」へ
現行の読み方だと、「国の決算そのもの」が検査対象で、内閣はそれを報告する立場に見えます。ところが草案の構造は「内閣が国の決算について検査を受ける」という形になり、検査の相手方として内閣が前に出ます。
これが何を意味するか。たとえば、検査対象そのものではなく、対象についての“説明”や“見せ方”に内閣の意図が入り込む余地が、どうしてもゼロとは言い切れなくなる、という話です。例えるなら、申告内容そのものを見に行く調査と、申告者の説明を通して見る調査では、同じ結論にならない可能性が出ますよね、という感覚です。
「法律の定めるところにより」追加:報告内容が法律で絞られる余地
草案では、内閣の報告に「法律の定めるところにより」という文言が入ります。これ自体が直ちに危険というより、将来、法律で報告内容を限定する“余地”を置くものに見えます。
表向きは「独立した会計検査院の検査を受け、法律にのっとって報告している」という体裁を作れます。けれど裏側では、法律で報告の枠を狭めることが可能になるかもしれない。厳しいチェックを受けているように見せつつ、見せ方を調整できる構造が生まれるなら、制度としては注意が必要です。
提出先が「国会」から「両議院」へ、そして「承認」へ:厳しく見せて主導権を移す
草案は、報告の提出先を両議院とし、さらに承認を要件にします。一見すると「ハードルが上がって厳しいチェックになった」と感じやすい。ここが巧妙な点です。
しかし、承認・不承認で何かが巻き戻るわけではありません。すでに執行された支出が無効になるわけでもなく、結局は“不満の表明”にとどまりがちです。チェックの実効性を本当に高めるなら、是正までの道筋が制度として整っていないといけません。
現行の「報告を受け、翌年度予算審議で是正する」構造は、チェックが次年度の決定に接続される点で合理的でした。草案は、承認という見栄えの良い仕掛けで“厳しく見せつつ”、実際の是正の主導権を内閣側に寄せる形になり得ます。さらに両議院を絡めることで、統一した判断が出にくくなり、時間がかかって来年度予算審議が雑になる危険も増えます。ここは制度全体の流れで見ないと、簡単に納得させられてしまうポイントです。
91条:財政の報告は「国民」に対してこそ意味がある
91条は、内閣が少なくとも毎年1回、国会と国民に対して国の財政状況を報告しなければならない、と定めます。税金を集めて使っている以上、国民に説明するのは当然です。具体的内容は財政法46条などで補われています。
そして草案では、この91条から「国民」が抜けます。ここは変更としてかなり重大なのに、説明が見当たらない。90条で“チェック厳格化”をアピールするような説明が並ぶ一方で、国民への報告を削る変更に沈黙する。この対比が、前の条文の見せ方の意図を逆に浮かび上がらせます。
まとめ:財政条文は「監視の設計図」。見た目より“流れ”で判断する
今回のパートの結論は、財政条文は「お金のルール」そのものというより、監視の設計図だということです。条文単体を読んで違和感があっても、手続きの流れまで見ないと、本当の意味が見えません。特に90条は、言葉の順番や提出・承認の仕掛けで、厳しくなったように見せながら、実際の主導権を動かす余地があります。
86条の追加も同じで、例外として限定的に使われるべき補正予算・暫定予算・複数年度支出が、憲法に“ノーガード”で書かれると、原則と例外が逆転し、国会の毎年のチェックが弱まり得ます。87条の予備費も、運用が膨らめば監視は甘くなります。
憲法は時代遅れの部分や余白もありますが、権力同士のバランスをとる設計はよく練られています。だからこそ、変えるなら「どこが便利になるか」だけでなく、「誰のチェックが弱くなるか」を丁寧に見た方がいい。難しいけれど、ここを見ないと、言葉のきれいな説明だけで判断してしまい、あとから取り返しがつかない形になりかねません。
この憲法解説シリーズは、まさにその“見抜く力”を一緒に鍛えるためのものです。次回も引き続き、財政の条文を追いながら、国のお金の流れと監視の仕組みを、最後まで一緒に整理していきます。
動画テキスト
| キャラクター | セリフ |
| ゆっくり魔理沙 | さて、今回も引き続き第7章の財政について
解説していくぜ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 前回は国の主な収入源である税金の話がメインだった。 |
| ゆっくり魔理沙 | 今回は国の支出についての話がメインになる。 |
| ゆっくり霊夢 | 税金を好き勝手使われるのは嫌だから、
監視しないとね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そういう内容も含まれてくるな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国の活動はお金がないと始まらないから、 |
| ゆっくり魔理沙 | その活動の源泉をどのように管理しているかという
意味でも重要になってくる。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、憲法改正草案でもいじられている
可能性が高そうだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | どうだろうな。 |
| ゆっくり魔理沙 | それはともかくとして、
知っておいて損はないから一緒に見ていこう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 85条は、国の支出や借金について、国会の議決が
必要であることを定めている。 |
| ゆっくり霊夢 | 国のお金は税金でまかなっているわけでしょ? |
| ゆっくり霊夢 | 当然だよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | すべてが税金ってわけではないが、大部分が
国民から集めた税金であることは間違いない。 |
| ゆっくり魔理沙 | それに、国が借金を背負うということは、
まわりまわって国民につけが回ってくる。 |
| ゆっくり魔理沙 | だからこそ、国の支出や借金については、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国民の代表の集まりである国会を通せよ、
と定めているわけだ。 |
| ゆっくり霊夢 | ということは、使おうとするたびに
逐一国会を通すことになるの? |
| ゆっくり霊夢 | おこづかいの額が決まってない子供が、ほしいものがある
ときにお母さんにお願いするみたいに? |
| ゆっくり魔理沙 | いや、さすがにそれだと時間がかかりすぎる。 |
| ゆっくり魔理沙 | なので、基本的にはどれくらいお金を使いそうか
予算を組んで、 |
| ゆっくり魔理沙 | それを事前に国会に議決してもらう、
という形ですすめていくことになる。 |
| ゆっくり霊夢 | そりゃそうか。 |
| ゆっくり魔理沙 | 85条は、いわば国の支出や債務負担の原則を
定めたものだといっていいだろう。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、詳しい話は次の86条以降だな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 85条は憲法改正草案でも変更はないので、
早速次に進もう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 86条は、さっきも言った通り、 |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣が予算を組んで、それに国会の議決をもらわないと
いけないことが定められている。 |
| ゆっくり霊夢 | 会計年度って? |
| ゆっくり魔理沙 | お金の出入りをまとめて管理するために
区切った1年間のことだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 日本の会計年度は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 財政法11条で『毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日
に終るもの』とされている。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、86条が『毎』会計年度としているのは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 1度決めた予算を永遠に使われたら困るし、
毎年状況は変わる。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、1年度ごとに国会に議決をもらわないといけない
ことにしているわけだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会に議決をもらう必要があるのは、
まさに85条の原則通りだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | このことを『単年度主義』と呼んだりすることがある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 財政法では、この単年度主義をさらに進めて、 |
| ゆっくり魔理沙 | 各会計年度における経費は、その年度の収入でやりくり
しないといけないとする |
| ゆっくり魔理沙 | 『会計年度独立の原則』を定めている。 |
| ゆっくり魔理沙 | これによって、1年ごとに収支が明確になるんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | まあ、どこかで区切りつけないと、 |
| ゆっくり霊夢 | 『来年の収入で補えばいいや』みたいなことになって
しまうだろうしね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうさせないために、財政法42条で |
| ゆっくり魔理沙 | 余った予算を原則翌年度に使用できないとすることで、
会計年度独立の原則を補完している。 |
| ゆっくり霊夢 | でも、支出が1年で済まないものもあるでしょ? |
| ゆっくり霊夢 | 例えば大きな工事とか。 |
| ゆっくり魔理沙 | そういう場合は、例外として事前に国会の議決があれば
数年度にわたって支出できる |
| ゆっくり魔理沙 | 『継続費』を計上できるし、 |
| ゆっくり魔理沙 | もし、予算成立後に年度をまたぐことになった場合も |
| ゆっくり魔理沙 | 国会の議決と財務大臣の承認により
『繰越明許費』として、 |
| ゆっくり魔理沙 | また、突発的な事故により支出が終わらなかった場合も、 |
| ゆっくり魔理沙 | 財務大臣の承認により繰り越すことができる。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、あくまで原則は、会計年度独立の原則であり、 |
| ゆっくり魔理沙 | 繰り越しは例外であることは理解しておいてほしい。 |
| ゆっくり魔理沙 | だからこそ、ここまで見てきたように、 |
| ゆっくり魔理沙 | 無制限に繰り越しをすることは
できないようになっているんだな。 |
| ゆっくり霊夢 | 憲法が割とあっさりしてるから、
法律で詳しく定められているんだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | では、憲法改正草案では
86条がどうなってるか見てみよう。 |
| ゆっくり霊夢 | なんか増えてるなあ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案の86条は4項まで増えており、 |
| ゆっくり魔理沙 | 1項が現憲法の86条と同じ内容となっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | なので、2、3、4項についてみていこう。 |
| ゆっくり魔理沙 | まずは2項から。 |
| ゆっくり霊夢 | 予算を補正するための予算案? |
| ゆっくり魔理沙 | 補正予算のことだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 実はこれはすでに財政法29条に定めがある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 但し、補正予算はすでに決めた
予算を変更することになり、 |
| ゆっくり魔理沙 | 単年度主義の例外にあたるので、 |
| ゆっくり魔理沙 | あくまで限定的な場面のみ許されることになっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | ところが、憲法改正草案では、この補正予算の提出を
憲法に書いてしまっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | しかも、何の限定もない。 |
| ゆっくり霊夢 | それって、そんなに大きく違ってくること? |
| ゆっくり魔理沙 | 違ってくるな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 本来例外だったはずなのに、
憲法に何の限定もなく定められることで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 原則的な通常の手段に変わってしまう。 |
| ゆっくり魔理沙 | その上、国会の議決を必要とするとも書いていない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 大げさにいえば、国会の議決を経た予算案を、 |
| ゆっくり魔理沙 | 後から内閣の気持ち一つで
変更できてしまう可能性もあるんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | でも、さすがに国会の議決がなくてもいいというのは
無茶苦茶すぎない? |
| ゆっくり霊夢 | 1項と同じ手続き踏むんじゃないの? |
| ゆっくり魔理沙 | だとしたら、『第1項と同様の手続きにより』などの
文言があってもいいはずだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 一応『予算案』を提出するとまでしか
定められていないので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 60条の予算案の成立手続きを踏むとも考えられる。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、86条1項や4項で国会の議決について、
85条と重ねて書かれているところをみると、 |
| ゆっくり魔理沙 | 2項のところはその点を
あえてぼかしているとも考えられる。 |
| ゆっくり魔理沙 | 解釈次第で、補正予算を提出さえすれば、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会の議決なしで補正予算を執行できるとする
可能性はゼロであるとはいえないな。 |
| ゆっくり霊夢 | ええ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 言っておくけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | たとえ国会の議決の点を除いたとしても、
補正予算が許される範囲の限定は外されているから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣の裁量が広くなっていることに
変わりはない。 |
| ゆっくり霊夢 | あやしいところね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 続いて3項。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは、予算案について会計年度開始前に
国会の議決が得られる見込みがないと認められるときは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣が暫定期間にかかる予算を作って、その予算案を提出
しなければならないことが定められている。 |
| ゆっくり霊夢 | 国会の議決が得られないからって、
国の活動を止めるわけにはいかないんだから、 |
| ゆっくり霊夢 | これは仕方ないんじゃない? |
| ゆっくり魔理沙 | この暫定期間に係る予算
『暫定予算』についても、財政法30条に定めがある。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただし、財政法30条ではあくまでも
内閣が必要に応じてできる権限だとしているし、 |
| ゆっくり魔理沙 | あくまでも暫定なので、行政運営上必要最小限の
経費の計上にとどめるべきと考えられている。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、もちろん暫定予算といえど、
議決は必要だぜ。 |
| ゆっくり霊夢 | あ、そうなんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、暫定予算での支出を後で本予算で
したものとみなすことで、 |
| ゆっくり魔理沙 | ちょっと強引にも思えるが、
形としては本予算としての議決を得た予算となる。 |
| ゆっくり霊夢 | まあでも、 |
| ゆっくり霊夢 | 予算がまったく成立しない状況を
避けるための緊急的な制度ってことだよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | それはそうだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、憲法改正草案では、暫定予算については
1項の議決が得られる見込みがないときは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 暫定期間にかかる予算案を提出することが
権限ではなく義務化されている。 |
| ゆっくり霊夢 | 確かに、権限と義務ではテイストが変わってくるよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | まあ、予算の空白を避けるために、
義務化したところまで一旦いいとしよう。 |
| ゆっくり魔理沙 | それでも、やはり条文で『議決』
について定めていないのは危険だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そのために3項は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 暫定予算が国会の議決なく執行できることを定めている
と解釈される可能性が高いと考えられるわけだからな。 |
| ゆっくり霊夢 | 財政法でも、国会の議決については
いってないわけだし、 |
| ゆっくり霊夢 | 財政法の条文をそのまま
借りてきただけじゃないの? |
| ゆっくり魔理沙 | さっきも同じようなこと言ったことだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 現憲法でいえば、毎会計年度の予算案以外
については何も定められていないことから、 |
| ゆっくり魔理沙 | どの予算であっても、60条の予算案の
議決として処理されるのが原則となりやすい。 |
| ゆっくり魔理沙 | だけど、憲法改正草案では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 空白部分だった例外とされる部分まで
わざわざ憲法で定め、 |
| ゆっくり魔理沙 | しかも、『議決』の有り無しを
分けて定めている。 |
| ゆっくり魔理沙 | もし、財政法の条文から借りてきたというなら、
30条2項の部分も借りてきたらよかったはずだ。 |
| ゆっくり霊夢 | 確かに。 |
| ゆっくり霊夢 | 形としてはちゃんと議決を得た
本予算になるわけだしね。 |
| ゆっくり魔理沙 | となると、やはりあえて国会の議決について
書かなかったと考えたほうが自然だよな。 |
| ゆっくり霊夢 | むむむ。 |
| ゆっくり魔理沙 | あくまでそう解釈できる可能性がある
って話だけどな。 |
| ゆっくり魔理沙 | じゃあ、最後に4項。 |
| ゆっくり魔理沙 | 4項は『毎会計年度の予算は、
法律の定めるところにより、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会の議決を経て、翌年度以降の
年度においても支出することができる。』 |
| ゆっくり魔理沙 | と定めている。 |
| ゆっくり霊夢 | どういうこと? |
| ゆっくり魔理沙 | この点は自民党のコメントがあるのでみてみよう。 |
| ゆっくり霊夢 | 確かに、繰越明許費や継続費、複数年度予算について、
財政法に定めがあったよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただし、これらは場面が限定されており、 |
| ゆっくり魔理沙 | 1年ごとに会計を区切って独立させようとする、 |
| ゆっくり魔理沙 | 単年度主義や会計年度独立の原則の、
例外的な規定だった。 |
| ゆっくり魔理沙 | しかし、86条4項では、法律に定めがあり、
国会の議決さえあれば、 |
| ゆっくり魔理沙 | 場面の限定なく実施可能になっているんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、会計年度独立の原則や単年度主義
といった原則規定を |
| ゆっくり魔理沙 | 法律次第で簡単に修正できる建前へと
格下げしてしまうのが86条4項なんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | それでどう変わるの? |
| ゆっくり魔理沙 | 例えば、継続費について、 |
| ゆっくり魔理沙 | 現行では、最大5年を区切りとして、経費の総額、 |
| ゆっくり魔理沙 | あるいは、年度ごとに割って
国会がチェックできる状態だった。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは単年度主義や会計年度独立の原則を
できるだけ崩さないようにするためだといえる。 |
| ゆっくり魔理沙 | しかし、86条4項でそれが法律次第ということになると、 |
| ゆっくり魔理沙 | 制限が国会の議決のみなので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 1度でも国会の議決を通った継続費は、 |
| ゆっくり魔理沙 | その後は毎年改めて同じ水準の審査を受けることなく、
継続的に予算が計上され続ける可能性が出てくる。 |
| ゆっくり霊夢 | 同じ水準の審査を受けない? |
| ゆっくり魔理沙 | ああ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 単年度主義と会計年度独立の原則からいえば
原則として予算は毎年白紙からの組みなおしになる。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、毎年リセットされるわけだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | だけど、複数年度にまたがる前提の予算は
リセットはされないのはもちろん、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会としても1度はチェックしてOKを出している手前、
否定しづらいものになる。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、同じ水準の審査は受けない
可能性があるということだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | その複数年度会計を憲法で
許してしまうわけだから、 |
| ゆっくり霊夢 | 要するに、ある予算について初回の
国会の議決さえ得られてしまえば、 |
| ゆっくり霊夢 | その予算についてはそれ以降の
審議をなあなあにできるってことか。 |
| ゆっくり魔理沙 | 少なくとも、毎年きっちり見直す仕組みでは
なくなってしまうのは確かだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 自民党のコメントの言い方だと、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『今まで認めていたものを憲法に
改めて書きましたよ』 |
| ゆっくり魔理沙 | みたいに聞こえるけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 実は原則と例外を逆転させる
別物の制度を作り出してしまうわけだ。 |
| ゆっくり霊夢 | めちゃやばいでしょ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 86条はこのくらいにして、次に進もう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 87条1項は、予想外の予算の不足に充てるため、
国会の議決に基づいて予備費を設けることを定めている。 |
| ゆっくり霊夢 | 予備費は内閣の判断で支出できるんだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | そりゃもしものためのお金なんだから、 |
| ゆっくり魔理沙 | いざ払う段階になって議決を求めていたら意味ないだろ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、予備費を設けること自体には
国会の議決が必要だし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 2項にあるように、
支出については、事後的には国会の承認がいるぜ。 |
| ゆっくり霊夢 | さすがに野放しにはしないか。 |
| ゆっくり魔理沙 | 予備費は、最近だとコロナのときに支出されたな。 |
| ゆっくり霊夢 | さすがにコロナを予想して予算立てて
おくなんてできっこないしね。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、予備費はあくまで緊急のためのお金だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | なんでもかんでも予備費を充てていいわけじゃない。 |
| ゆっくり霊夢 | そりゃそうだろうね。 |
| ゆっくり魔理沙 | それにもかかわらず、コロナ時の支出でさえ、
一部は使い道を正確にたどれていないし、 |
| ゆっくり魔理沙 | コロナ以降、予備費は毎年数兆円規模で
計上されるようになり、 |
| ゆっくり魔理沙 | 原油価格高騰対策や、物価高騰対策にも使われている。 |
| ゆっくり魔理沙 | ああ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 今回の衆議院議員選挙だって、
予備費から支出されてるんだぜ。 |
| ゆっくり霊夢 | ちょっと気軽に使いすぎじゃない? |
| ゆっくり霊夢 | おこづかいじゃないのよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | それで『財源財源』いうんだから
笑えるよな。 |
| ゆっくり霊夢 | 笑いごとじゃないでしょ。 |
| ゆっくり魔理沙 | という感じで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 予備費はその計上こそ国会の議決はあるものの、 |
| ゆっくり魔理沙 | 使われる際に審査がされない上に、 |
| ゆっくり魔理沙 | 支出も国会の事後承認になり、どうしても監視が甘くなる
財政民主主義の例外のような存在だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、いたずらに額を増やすべきではないし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 使い道については、きちんと内閣の責任を
問う制度は必要だと思う。 |
| ゆっくり霊夢 | 私たちは重い税金で苦しんでいるのに。 |
| ゆっくり霊夢 | うう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国民の立場としては、選挙で表向きの言葉ばかりを
信用し過ぎるのではなく、 |
| ゆっくり魔理沙 | こういう『実際にやってきたこと』にもっと
目を向けるべきと改めて思い知らされるな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 結局、一番重い責任の取らせ方は『政治に関われる立場
にしないこと』なのだから。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、87条は憲法改正草案でも大きな変更はない。 |
| ゆっくり霊夢 | そりゃ現状でこんなにやりたい放題なら
別に変える必要もないでしょうよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ということで次。 |
| ゆっくり魔理沙 | 88条は皇室財産が国に属すること、皇室の費用は予算計上
して国会の議決を経ることが定められている。 |
| ゆっくり霊夢 | これは天皇にお金が集中しないようにするためのものか。 |
| ゆっくり霊夢 | 天皇の話のときに、昔大金持ちで、そのお金で政治も
進めやすかったかも、みたいな話してたもんね。 |
| ゆっくり魔理沙 | よく覚えてたな。 |
| ゆっくり霊夢 | お金が絡むとね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 8条では、皇室の財産の譲渡などについて国会の議決を
必要とすると定めたことで監視の目を置くと同時に、 |
| ゆっくり魔理沙 | 皇室に好き勝手使えないぞ、ということを示していた。 |
| ゆっくり魔理沙 | 88条では、皇室財産を国有とし、費用も予算として
国会の議決を必要とすることで、 |
| ゆっくり魔理沙 | さらに監視の目を盤石なものとしているわけだな。 |
| ゆっくり霊夢 | もうガッチガチよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | だからこそ、
天皇は象徴として存続できる存在になったともいえる。 |
| ゆっくり霊夢 | 天皇は日本の歴史そのものと
いえるくらいのものだもんね。 |
| ゆっくり霊夢 | なくなったら、なんか悲しいよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 88条も憲法改正草案で変更はない。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちょっと余談気味になるけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 天皇が政治に影響を与えられるような
制度に変えながら、 |
| ゆっくり魔理沙 | 天皇のお金については、 |
| ゆっくり魔理沙 | 財布自体は厳しいままで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 譲渡関係の
規制を緩くしている。 |
| ゆっくり魔理沙 | まるで天皇をうまく政治に利用してやろう
としてるみたいに思えるのは気のせいかな? |
| ゆっくり霊夢 | 少なくとも、純粋に天皇を持ち上げよう、
としているとは思えないね。 |
| ゆっくり魔理沙 | それじゃ次。 |
| ゆっくり魔理沙 | 89条は、公金や公の財産を支出したり利用させたりする
のを禁止する場合について定めている。 |
| ゆっくり魔理沙 | 1つは、宗教上の組織や団体の場合、 |
| ゆっくり魔理沙 | もう1つは、公の支配に属しない慈善、
教育若しくは博愛の事業の場合だな。 |
| ゆっくり霊夢 | 宗教についてはわかるよ。 |
| ゆっくり霊夢 | 政教分離のためだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | その通り。 |
| ゆっくり魔理沙 | 20条で政教分離について触れたが、89条はお金の面で
政教分離を定めた条文といえる。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、宗教に関連してたらなんでもかんでもダメって
わけじゃなく、 |
| ゆっくり魔理沙 | 文化財の保護など、1つの宗教を助長しない場合だったら
禁じられてはいない。 |
| ゆっくり霊夢 | それもなんか微妙なラインな気がするけどね。 |
| ゆっくり魔理沙 | まあ、バシッと線引きするのは難しいよな。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、それは政教分離全般にいえることだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 判例では20条3項の『宗教的活動』に該当するか
どうかを判断する基準と同じように、 |
| ゆっくり魔理沙 | 89条の場合においても一般に『目的効果基準』と呼ばれる
基準で、89条の場合に該当するかどうかを判断している。 |
| ゆっくり魔理沙 | 特に、戦前は国有地や公有地が無償で神社などの敷地と
して貸し出されることも多かったようで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 一応戦後に対応するための法律も作られたけど、
対応し切れていないところも多いらしい。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、判例ではそのことも考えて違憲かどうかは
判断しないといけないとされた。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ合憲なの? |
| ゆっくり魔理沙 | いや、この判例によれば、無償で貸し出していたことは
政教分離に反して違憲とされたぜ。 |
| ゆっくり霊夢 | 思わせぶりだねえ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、土地を買い取る、有料で借りるなど、違憲状態を
解消するために対応できるともいっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして実際、この差戻上告審では、
適正価格で借りることなどをもって、 |
| ゆっくり魔理沙 | 違憲状態は解消されたと判断され、市側がそれらの
手段に応じることも違憲ではないとされた。 |
| ゆっくり霊夢 | 有料で借りたらオッケーなんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そんな単純な話じゃない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 神社に特別の便益を提供する目的と認められたら
有料で貸すことも政教分離に反することになるだろう。 |
| ゆっくり魔理沙 | この判例のケースでは、 |
| ゆっくり魔理沙 | もろもろの事情からそうじゃないと考えられるから
政教分離に反しないとされたんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | 複雑なのね。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、89条の『慈善、教育若しくは博愛の事業』
の場合は? |
| ゆっくり霊夢 | というか、この事業ってそもそもどんなの? |
| ゆっくり魔理沙 | ここでいう慈善、教育、博愛の事業っていうのは、
簡単に言えば、福祉事業とか学校の運営みたいなものだ。 |
| ゆっくり霊夢 | えっ、それって、むしろ税金が
使われそうなところじゃない? |
| ゆっくり魔理沙 | その通りだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから89条も、全部ダメだとは言っていない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 問題なのは、事業が『公の支配に属しない』
該当しない場合だ。 |
| ゆっくり霊夢 | 『公の支配に属しない』ってどういうこと? |
| ゆっくり魔理沙 | 簡単にいうと、国や自治体、事業の運営やお金の使い道に
きちんと関与できない状態のことだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 税金を出しているのに、何に使われているのか
分からない。口も出せない。 |
| ゆっくり魔理沙 | そういう事業に公金を出すのはダメだ、
というのが89条の考え方だ。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、民間がやってる慈善・教育・博愛事業は
全部アウトってこと? |
| ゆっくり霊夢 | 確か、私立の学校も助成金とかあったよね? |
| ゆっくり魔理沙 | そう、民間だから全部アウトってわけじゃない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 補助金の条件を付けたり、
会計の報告や監査を受けさせたりして、 |
| ゆっくり魔理沙 | 公のコントロールが及んでいれば、
公の支配に属すると判断される。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、『公の支配』というのは、
公立である、ということを意味してるわけじゃない。 |
| ゆっくり霊夢 | ふーん。 |
| ゆっくり霊夢 | まあ、話はなんとなくわかったけど、 |
| ゆっくり霊夢 | なんでこんな条文があるんだろう? |
| ゆっくり霊夢 | 慈善・教育・博愛事業とかだけに、
こんな条文がある理由がわからないのよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 良い質問だな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 実は、霊夢が不思議に思うように、
結構微妙な立ち位置の条文ではあるんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | というのも、 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法制定議会での政府解釈では、 |
| ゆっくり魔理沙 | その趣旨が公金の濫用防止にある
と考えていたようなんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | え? |
| ゆっくり霊夢 | それだと慈善・教育・博愛事業だけ
定められる理由にならなくない? |
| ゆっくり霊夢 | 別に他の事業だって公費濫用
のおそれはあるでしょ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、その後になんか話し合われたりした結果なのか、
現憲法制定後の政府の公式見解では、 |
| ゆっくり魔理沙 | そういう事業の場合は特定の思想に
左右されやすい傾向があるといい、 |
| ゆっくり魔理沙 | そういう事業に公費を使うと、 |
| ゆっくり魔理沙 | 政教分離に反したり、事業に不当な干渉するきっかけ
になるおそれがあるという風に、 |
| ゆっくり魔理沙 | 見解を変えているな。 |
| ゆっくり霊夢 | たしかに、宗教団体が運営してる学校ってあるよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | この政府見解では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 慈善教育や博愛の事業は、民間人が行う場合、 |
| ゆっくり魔理沙 | 公の機関からのコントロールを排除して、 |
| ゆっくり魔理沙 | 事業者自身の考えと責任で、その事業者自身のお金で
やるべきものと考えていたようだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 要するに、好きなこと教えたいなら
自分の金でやれってことだ。 |
| ゆっくり霊夢 | ごもっとも。 |
| ゆっくり魔理沙 | ついでにいっておくと、この公式見解は
『公の支配』についても言及していたようで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『公の支配』に属しない事業は、その構成、人事、内容
および財政等について公の機関から |
| ゆっくり魔理沙 | 具体的に発言、指導または干渉されることなく事業者
自らがこれを行うもの、らしい。 |
| ゆっくり霊夢 | まあ法律に反することはできないとしても、
国から余計な干渉がないってことね。 |
| ゆっくり魔理沙 | その後も、89条の解釈には紆余曲折あったみたいだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 私学助成については、 |
| ゆっくり魔理沙 | 私立学校法や私立学校振興助成法などができていく中で、 |
| ゆっくり魔理沙 | 学校教育法も合わせて、
これらの法律にのっとって運営していくことが、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『公の支配』に属するという
解釈で運用されているみたいだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 私立学校振興助成法なんて
まさに法律に従ってれば補助金出しますって法律だし。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、それでも公の支配についても決定的な定義づけが
されたとは言いづらいし、 |
| ゆっくり魔理沙 | 89条の趣旨についても、同じく決定的なものが出た
とは言いづらいから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 今後まだまだ変わっていくかもしれない。 |
| ゆっくり霊夢 | それにしても、なんだかこの議論、 |
| ゆっくり霊夢 | 私学助成ありきという結論が前提に
なっているようで違和感あるなあ。 |
| ゆっくり霊夢 | それに、やっぱり89条の趣旨は、
後半の話も政教分離にあると思うんよ。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 私も慈善・教育・博愛事業は宗教が関わりやすいから
政教分離を徹底するために規制されたと思うな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 89条の最初が政教分離について言及していることを
考えると、条文の整理としても一番納得がいく。 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法的な重要度という観点でいっても、 |
| ゆっくり魔理沙 | 経済面である公費の濫用以上に精神面に関わる政教分離
をより強く意識していたとみるほうが自然な気がするな。 |
| ゆっくり魔理沙 | それと、私学助成ありきが結論になっている
と感じる部分は、 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案を読むと、
よりはっきりしてくる。 |
| ゆっくり魔理沙 | ということで、
憲法改正草案ではどうなってるかみてみよう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 憲法改正草案では、89条は2項に分かれている。 |
| ゆっくり魔理沙 | まずは1項から。 |
| ゆっくり霊夢 | 20条3項ただし書きの場合を除いて? |
| ゆっくり魔理沙 | 20条3項はこんな条文だった。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、『社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を
超えないもの』といえさえすれば、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『宗教的活動を行う組織若しくは団体』のために公金や
公の財産で便宜をはかってもいいことになる。 |
| ゆっくり霊夢 | なるほど。 |
| ゆっくり霊夢 | 政教分離を弱める変更になっているってことか。 |
| ゆっくり魔理沙 | 政教分離は、国と宗教を結びつけないようにして、 |
| ゆっくり魔理沙 | 特定の宗教が国の権力を利用するのを止める
という側面もあるけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 一歩進めて見れば、各宗教を平等に扱うことで、
信教の自由を守るという側面もある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国が特定の宗教と関わる余地が広がることで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 他の宗教を不利な状態にするなど、
信教の自由のバランスを崩しやすくなる。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、この条文は人権侵害の危険性を高める
ことになってしまう。 |
| ゆっくり魔理沙 | ここを見逃しちゃダメだろうな。 |
| ゆっくり霊夢 | 問題は政教分離だけじゃないのか。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、2項では慈善、教育若しくは博愛の事業に対して
の定めになるんだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『公の支配に属しない』となっていたものが
『監督が及ばない』という文言に変わっている。 |
| ゆっくり霊夢 | え?これ変える必要あった? |
| ゆっくり魔理沙 | 自民党のコメントによると、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『私立学校の建学の精神に照らして考えると』公の支配
という文言は適切な表現ではないそうだ。 |
| ゆっくり霊夢 | いや、説明を受けてもよくわからないんだけど。 |
| ゆっくり霊夢 | 建学の精神なんて
学校それぞれ違うでしょ? |
| ゆっくり魔理沙 | ちょっと説明をぼやかしてる感あるよな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 私が思うに、おそらく本来は自由であるべき
民間教育について、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国が上から支配するとか、国の価値観を押し付けるような
言い回しにきこえるから、 |
| ゆっくり魔理沙 | とかいうことが適切じゃないってことなんだろう。 |
| ゆっくり霊夢 | だったら、公金に頼らず
自分たちのお金でやればいいじゃない。 |
| ゆっくり魔理沙 | まさにその通りだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 別に自由に教育すること自体を禁じてるわけじゃなくて、 |
| ゆっくり魔理沙 | 単に国のお金は出さないよって話なんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 逆に、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国民から集めている国のお金を使うんだったら、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国からの一定の支配を受けるのは当然の話だと思う。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、国側が言い方なんて
気にする必要はない。 |
| ゆっくり霊夢 | そうだよね? |
| ゆっくり霊夢 | 私の考えが変なんじゃないよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | うん。 |
| ゆっくり魔理沙 | 霊夢よりも、 |
| ゆっくり魔理沙 | 党内の議論で出たという |
| ゆっくり魔理沙 | 『教育に対する公金支出の制限の規定は、教育の重要性
を考えると、おかしいのではないか』 |
| ゆっくり魔理沙 | という意見のほうが、
根本の考え方がおかしいと思うよ。 |
| ゆっくり霊夢 | 教育が重要かって話じゃなくて、 |
| ゆっくり霊夢 | 国のお金を使ってもいいかどうかって話だもんね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 私には、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『私立学校に便宜をはかりたくてうずうずしてます』 |
| ゆっくり魔理沙 | という風にさえ聞こえるような気がする。 |
| ゆっくり霊夢 | こうやって1つ1つ考えていくと、
どうしてもそういう考えになっちゃうよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ一方で、 |
| ゆっくり魔理沙 | 反日的な教育をする朝鮮学校には
お金を出したくないみたいだ。 |
| ゆっくり霊夢 | まあ、日本国民としては、
気持ちはわからないでもないけどね。 |
| ゆっくり魔理沙 | この部分のコメントは、思想内容によって
公金支出をするかどうかを決めるという風にとられかねず |
| ゆっくり魔理沙 | 思想内容による差別として法の下の平等の問題
にもつながりかねないコメントだ。 |
| ゆっくり霊夢 | 確かに、言われてみればそうかも。 |
| ゆっくり魔理沙 | そう言われないために『基本的には現行規定を残す』
という結論に至ったんだろうけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国側がこういうコメントを出す時点で
かなり危ういので、 |
| ゆっくり魔理沙 | この説明はたちの悪い蛇足で
失敗だったんじゃないかなあと思う。 |
| ゆっくり霊夢 | ほしいコメントはなかったりするのに、
こういうときだけしっかり説明するところあるよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 私立学校の公金支出についていえば、 |
| ゆっくり魔理沙 | 教育を一定の考え方の布教ととらえると、 |
| ゆっくり魔理沙 | やっぱり政教分離と同じように考えて、 |
| ゆっくり魔理沙 | 一律に公金を出さないとしたほうがいいと思うけどね。 |
| ゆっくり魔理沙 | むしろ、国公立と私立というように
区別が明確なんだから、 |
| ゆっくり魔理沙 | むしろ、政教分離の問題より
わかりやすいともいえるな。 |
| ゆっくり霊夢 | そもそも自分たちの考えを教育したいというのに、
お金は国から援助してもらおう、はおこがましいのよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 補助金を出すとしたら、生徒側に
学力などなんらかの基準で出して、 |
| ゆっくり魔理沙 | 学校を選ばせたら済む話のはずだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 私立学校に補助金を出そうとするから、
話がややこしくなるのよ。 |
| ゆっくり霊夢 | 教育の重要性っていうんだったら、
なおさら学生にお金渡したほうがいいよね。 |
| ゆっくり霊夢 | 別に私立が金欠でなくなっても
国公立の学校はあるわけだし。 |
| ゆっくり魔理沙 | 話を戻して、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『公の支配に属しない』となっていたものが
『監督が及ばない』という文言に変わることで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 何が起こる可能性があるかというと、 |
| ゆっくり魔理沙 | 公金支出に必要な国の関与の度合いは
緩くなる可能性が高いだろう。 |
| ゆっくり霊夢 | どうして? |
| ゆっくり魔理沙 | もちろん、最終的には解釈次第ということになるが、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『支配』『監督』のそれぞれの本来の言葉の意味を
そのままもってくると、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『支配』はある者が自分の意志・命令で相手の行為や
あり方を規定・束縛すること。 |
| ゆっくり魔理沙 | 更に広く人以外のものでも、
他に強く働いてそれを左右すること。 |
| ゆっくり魔理沙 | であるのに対し、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『監督』は人の上に立って、指図したり、
取り締まったりすること。 |
| ゆっくり魔理沙 | となり、やはり相手への影響力としては『支配』より
『監督』のほうが弱いと思われる。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、解釈のとっかかりとして、 |
| ゆっくり魔理沙 | 言葉の意味をそのままとらえる
『文理解釈』は有力な解釈方法だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | それに加えて、自民党のコメントで私立学校に便益を
はかりたそうにしているところをみると、 |
| ゆっくり魔理沙 | 公金支出に必要な国の関与の度合いは緩くなる可能性
が高くなるだろうって話だ。 |
| ゆっくり霊夢 | 公金支出のハードルが下がるのは間違いなさそうね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 89条はこのあたりにして、次に進もうか。 |
| ゆっくり魔理沙 | 90条は、国の財政の会計検査について定めている。 |
| ゆっくり魔理沙 | まず、90条1項前半では、国の決算はすべて
毎年会計検査院が検査する、となっている。 |
| ゆっくり霊夢 | 会計検査院? |
| ゆっくり魔理沙 | 会社でいうところの監査役みたいなもんだな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 一言でいうと、国のお金が適切に使われたかを
チェックする機関だ。 |
| ゆっくり霊夢 | ほうほう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 会計検査院の仕事は、内閣の仕事をチェックする
ことなので、当然、内閣と対立構造になりやすい。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、内閣が関与できない組織
じゃないと、ちゃんと役目を果たせないわけだが、 |
| ゆっくり魔理沙 | 残念ながら憲法にはそれを明確に定める条文がない。 |
| ゆっくり霊夢 | まずいじゃん。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、90条2項で、会計検査院の組織及び権限は、
法律で定めることになっているので、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会がそれらを握っており、内閣からの
独立を保つような仕組みになっている。 |
| ゆっくり霊夢 | よくできておる。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、会計検査院について定める
会計検査院法1条では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。』
として |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣からの独立が法律に明記されている。 |
| ゆっくり霊夢 | ちゃんと書かれると安心感増すね。 |
| ゆっくり魔理沙 | また、裁判官ほどではないものの、 |
| ゆっくり魔理沙 | 検査官個人も内閣から独立した立場になるような
仕組みになっている。 |
| ゆっくり霊夢 | そういえば、裁判所も組織と裁判官個人
それぞれが独立して司法権の独立を保ってたね。 |
| ゆっくり魔理沙 | ちなみに、会計検査院のホームページをみると、 |
| ゆっくり魔理沙 | 情報提供を受け付けるページもあるので、 |
| ゆっくり魔理沙 | もし国などで、不適切、不経済、
非効率的、効果不十分などと思うことがあったら、 |
| ゆっくり魔理沙 | 情報提供すれば是正される可能性がある。 |
| ゆっくり魔理沙 | 会計検査院は是正を要求する権限もあるからな。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、是正を強制するまでの権限はないから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 根本的な是正は国会の判断という
ことになるだろう。 |
| ゆっくり霊夢 | 会計検査院がチェックして、その結果を内閣が国会に
報告するっていう形だから、 |
| ゆっくり霊夢 | 翌年の予算案の審議によって、
是正を図るわけね。 |
| ゆっくり魔理沙 | それじゃあ、90条が自民党憲法改正草案では
どうなっているのか。 |
| ゆっくり魔理沙 | 2項は変わらずで、1項に変更があり、
3項が新しく追加されている。 |
| ゆっくり魔理沙 | ということで、1項から見ていこう。 |
| ゆっくり霊夢 | なんか文言の順番が変わっていたりしてややこしいなあ。 |
| ゆっくり魔理沙 | この順番を変えたのも、意図があると考えられる。 |
| ゆっくり魔理沙 | というのも、現憲法を素直に読めば、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『国の決算が検査を受ける』という構造になっており、
内閣はそれを報告するだけという風に読める。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、決算そのものを検査対象にしている
と理解できる。 |
| ゆっくり魔理沙 | しかし、憲法改正草案を読むと、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『内閣が国の決算について検査を受ける』 |
| ゆっくり魔理沙 | という構造になっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、検査の相手方として内閣が立つことになるんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | 書かれる順番が変わっただけじゃなかったんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、国の決算に対する検査は内閣を通して行われる
ようになるため、 |
| ゆっくり魔理沙 | 検査結果に内閣の意図が入り込む余地がどうしても
どうしてもゼロとはいえなくなっている。 |
| ゆっくり霊夢 | いまいちどういうことか
イメージしづらいんだけど。 |
| ゆっくり魔理沙 | 例えば、霊夢が事業主で確定申告したとしよう。 |
| ゆっくり魔理沙 | 税務署がその申告を不審に思い、
税務調査を行うことにした。 |
| ゆっくり霊夢 | そんなそんな。 |
| ゆっくり霊夢 | 何も不審なところなんてないですよお。 |
| ゆっくり霊夢 | この焼肉も、接待のために行ったんですよお。 |
| ゆっくり魔理沙 | っていえるのが、検査の相手方が霊夢の場合、
つまり憲法改正草案の場合だ。 |
| ゆっくり霊夢 | What |
| ゆっくり魔理沙 | 現憲法に沿って例えると、申告自体が
調査の対象となるわけで、 |
| ゆっくり魔理沙 | そこで霊夢の言い訳は聞く必要がない。 |
| ゆっくり霊夢 | なるほど。 |
| ゆっくり霊夢 | 検査対象が内閣だとしたら、 |
| ゆっくり霊夢 | 内閣の意図が入る余地が
でてくるかもって話なのか。 |
| ゆっくり魔理沙 | 順番だけが問題なら、
その程度の話だった。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、気になるところは書かれる順番以外にもある。 |
| ゆっくり霊夢 | なになに? |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣の検査報告に『法律の定めるところにより』という
文言が追加されていることだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは、法律により内閣の報告内容を
限定される余地が出てくる。 |
| ゆっくり霊夢 | それじゃあますます内閣が有利になるってこと? |
| ゆっくり魔理沙 | いや、これ自体はすぐに何かどうなるってわけじゃない。 |
| ゆっくり魔理沙 | そもそも、2項では会計検査院の組織や権限は法律で
定めることになっているわけで、 |
| ゆっくり魔理沙 | その気になれば、会計検査院の権限を小さくすることで
検査を甘くすることだってできる。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあどうしていれたの? |
| ゆっくり魔理沙 | あくまで推測になるけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 後にいじる余地を残した
保険的な意味あいが強いんじゃないかな。 |
| ゆっくり魔理沙 | 強いて言うなら、見せ方をよくするとか。 |
| ゆっくり霊夢 | 見せ方をよくする? |
| ゆっくり魔理沙 | 会計検査院の権限をいじらず、
あえて内閣の報告内容のほうをいじることで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『独立した権限をもっている会計検査院の検査を受けた
上で法律にのっとり報告してますよ』 |
| ゆっくり魔理沙 | ということがいえるよな。 |
| ゆっくり霊夢 | まあねえ。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 厳しいチェックを受けているという体裁は保ちつつ、
法律で報告内容を限定されうる、 |
| ゆっくり魔理沙 | という構造になってしまう可能性がある。 |
| ゆっくり霊夢 | 文句を言われにくくしたいってことね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 私には、 |
| ゆっくり魔理沙 | どんなに憲法で正当化したところで、
実際の国民の声は無視できないんだな、 |
| ゆっくり魔理沙 | と思えたけどな。 |
| ゆっくり魔理沙 | それはさておき、さらにもう一つ気になる部分として、 |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣の報告の提出先が、国会から両議院に変わっており、
さらに承認も必要とする点だ。 |
| ゆっくり霊夢 | 報告が受け入れられるハードルが
上がっているわけだから、 |
| ゆっくり霊夢 | むしろ厳しくなってるように思うけど? |
| ゆっくり魔理沙 | そう見えるよな。 |
| ゆっくり霊夢 | 違うの? |
| ゆっくり魔理沙 | 私は違うと思う。 |
| ゆっくり魔理沙 | これは3項ともつながってくる話だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | まず、現憲法下では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 会計検査院のチェックが入り、
それを国会が報告を受けて、 |
| ゆっくり魔理沙 | 翌年度の予算審議でそれを反映させることで是正を
はかる、という制度になっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | ところが、憲法改正草案では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 法律にのっとって内閣が報告した内容を、報告を受けた
時点でその是非の判断を迫る形になっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして、3項では、 |
| ゆっくり魔理沙 | 会計検査院の報告内容を『内閣が』予算案に反映させ、
ここでの義務は報告のみになっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | つまり、是正の主導権を内閣が握る形になっているんだ。 |
| ゆっくり霊夢 | ほんとだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | ここで、自民党のコメントをみてみよう。 |
| ゆっくり霊夢 | 1段落目では、チェック機能を果たすために国会の承認を
必要としたって言ってるね。 |
| ゆっくり魔理沙 | この点は、あえてこの段階で判断を迫っていることが、 |
| ゆっくり魔理沙 | 果たして本当の意味で厳しいチェックが
できるのか疑問だな。 |
| ゆっくり霊夢 | といいますと? |
| ゆっくり魔理沙 | ここまでの話のこともあるけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | たとえ、まっさらな状態で考えたとして、 |
| ゆっくり魔理沙 | 内閣から報告を受けた段階で
両議院が不承認としたからといって、 |
| ゆっくり魔理沙 | すでに使ってしまった予算が返ってくるわけもないから、
無効にできるはずもなく、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会の不満を示すだけの意味合いに
どうしてもなってしまう。 |
| ゆっくり魔理沙 | きちんとチェック機能を果たすなら、
ちゃんと是正の道筋までが整っている必要がある。 |
| ゆっくり魔理沙 | その点、現憲法が報告については受け取るだけにして、 |
| ゆっくり魔理沙 | 翌年度の予算審議で是正をはかるという構造は
合理的だったんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | なので、制度だけを見た結論としては、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『チェックが厳しくなっていると見えるようにした』
ということになる。 |
| ゆっくり魔理沙 | しかも、国会の承認を得る構造の
不合理さがみえてこないと、 |
| ゆっくり魔理沙 | どうしてもチェック機能が厳しくなった
という風に見えてしまうから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 結構巧妙だ。 |
| ゆっくり霊夢 | 私もまんまと騙されてたよ。 |
| ゆっくり霊夢 | 自民党のコメントの2段落目についてはどうなの? |
| ゆっくり魔理沙 | これは、決算を『通常の予算案』と同じとして考える
ならその通りだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | だけど、さっきも言った通り、ここは『単なる報告』と
しておくことに意味があるのであって、 |
| ゆっくり魔理沙 | まず前提がおかしい。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、なんで『両議院に提出』ってしたんだろう? |
| ゆっくり魔理沙 | 自民党のコメントの饒舌さをみてもわかるように、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『チェックを厳しくしようとしてます』とアピールできる
点が一つ、 |
| ゆっくり魔理沙 | 他にも、国会として統一した見解を出しにくくした、
その上、それが時間稼ぎにもなる点だ。 |
| ゆっくり霊夢 | どういうこと? |
| ゆっくり魔理沙 | 予算案の審議は、自民党のコメントにもあるように、
衆議院が先議になっている。 |
| ゆっくり魔理沙 | これはどうしてだったか覚えてるか? |
| ゆっくり霊夢 | 確か、時間をかけすぎないようにするためだったような。 |
| ゆっくり魔理沙 | その通り。 |
| ゆっくり魔理沙 | 決算については、本来の予算案ほど急ぐ必要はないかも
しれないけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 来年度の予算に反映することを考えたら、
当然期限はおのずと切られることになる。 |
| ゆっくり霊夢 | そりゃ予算を審議するまでに答えは出さないとだね。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、参議院にも提出されることは、
決算の審議に時間がかかる可能性を高めることになる。 |
| ゆっくり魔理沙 | それで、もし予算の審議に十分な時間がとれない
とかいう事態になったりしたら、 |
| ゆっくり魔理沙 | かえって予算審議を雑にさせることになるわけだから、 |
| ゆっくり魔理沙 | 本末転倒だ。 |
| ゆっくり霊夢 | なるほど。 |
| ゆっくり霊夢 | じゃあ、コメントの3段落目については? |
| ゆっくり魔理沙 | まず『決算について国会が承認することとする以上、
その効果を持たせる必要がある』 |
| ゆっくり魔理沙 | という意見が出てくる時点で、 |
| ゆっくり魔理沙 | 国会の承認自体に大きな意味がないこと
を明らかにしてしまっている。 |
| ゆっくり霊夢 | そっか。 |
| ゆっくり霊夢 | 承認でどうにかなるんだったら、
別に他の方法に頼る必要ないもんね。 |
| ゆっくり魔理沙 | だから、自民党のコメントは、内部で軽い矛盾状態に
あることはいっておく。 |
| ゆっくり魔理沙 | そして『会計検査院の検査の実効性が飛躍的に高まる』
と締めくくっているわけだけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | そうならないであろうことは、すでに説明した通りだ。 |
| ゆっくり霊夢 | もう、コメントが全然説明になってないじゃない。 |
| ゆっくり魔理沙 | まあ、説明不足と言わざるをえないよな。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうそう。 |
| ゆっくり魔理沙 | さっき、自民党のコメントの饒舌さを
みてもわかるように、 |
| ゆっくり魔理沙 | 『チェックを厳しくしようとしてます』
とアピールしてるって話をしたけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | これは、別に感情的に
そう言ってるわけじゃない。 |
| ゆっくり霊夢 | 根拠があるってこと? |
| ゆっくり魔理沙 | そう。 |
| ゆっくり魔理沙 | それがわかるのが次の91条だ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 91条は、内閣が最低毎年1回は国会と国民に対して |
| ゆっくり魔理沙 | 国の財政状況について
報告しなければならないことを定めている。 |
| ゆっくり霊夢 | 国民から集めたお金を使ってるわけだから当然だよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 91条は読んでもらった通りだから、
特に説明は必要ないと思うけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | 財政法46条で、報告の具体部分が定められていることだけ
は伝えておこうかな。 |
| ゆっくり魔理沙 | それより、問題は憲法改正草案のほうだ。 |
| ゆっくり霊夢 | あ、『国民』が抜けてる。 |
| ゆっくり魔理沙 | そうなんだ。 |
| ゆっくり魔理沙 | しかも、こんな重大な変更があるのに、
自民党のコメントはない。 |
| ゆっくり霊夢 | 1番コメントが必要なところじゃない? |
| ゆっくり霊夢 | 90条のときの饒舌さが嘘のようじゃない。 |
| ゆっくり魔理沙 | だからいったろ? |
| ゆっくり魔理沙 | 根拠があるって。 |
| ゆっくり霊夢 | そりゃこんなあからさまだと、
さっきのがアピールと言われても仕方ないわよね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 今回はこんなところかな。 |
| ゆっくり霊夢 | それにしても、今の憲法がうまくつくられていることに
驚いちゃうわね。 |
| ゆっくり魔理沙 | 余白の部分も多いし、時代遅れな部分があることは
否めないけど、 |
| ゆっくり魔理沙 | うまく各権力のバランスをとっているなと私も思う。 |
| ゆっくり魔理沙 | だからこそ、今の憲法を変えるというのであれば、
変更内容はよく吟味したほうがいい。 |
| ゆっくり霊夢 | でもここまで考えられる自信ないなあ。 |
| ゆっくり魔理沙 | 難しいとは思う。 |
| ゆっくり魔理沙 | 今回でいうと90条なんかは、 |
| ゆっくり魔理沙 | 条文自体に違和感があっても、 |
| ゆっくり魔理沙 | 手続きの流れが
見えてこなければ、 |
| ゆっくり魔理沙 | コメントの説明に納得してしまっても
無理ないだろう。 |
| ゆっくり魔理沙 | ただ、そのようにごまかされたり、
目を背けたりしてきたことで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 私たちはいいようにされてきたともいえるわけで、 |
| ゆっくり魔理沙 | 現状のしんどい状況になったのは、
私たち国民に責任がないわけじゃない。 |
| ゆっくり魔理沙 | 国を良い方向に向けていこうと思うなら、 |
| ゆっくり魔理沙 | 大変だけどやはり私たち国民が賢くならないとな。 |
| ゆっくり魔理沙 | その第一歩として、この憲法解説を最後まで頑張ろうな。 |
| ゆっくり霊夢 | あい。 |
| ゆっくり霊夢 | 最後までご視聴ありがとうございました。 |
| ゆっくり魔理沙 | それではまた次回! |
| ゆっくり霊夢 | それではまた次回! |
編集後記
財政の章、やりきりました。
この章までやってきて思うのは、国民が唯一、国がやってきたことを確実に評価できるものは、法令(法律案もそう)であるということ。
YouTubeでも、いろんな国の政治の情報や、それを根拠づけるデータが出されています。
また、国自身も、いろんな報告やデータを出しています。
ですが、僕たちはその正確性を検証できるでしょうか?
例えば、国勢調査の正確性を検証することを考えてみてください。
全国民に向かって同じ調査に答えてもらいますか?
きっと無理でしょう。
結局、巷であふれているほとんどの情報やデータというものは、
その正確性を検証するのはとても難しく
「信用するか、しないか」
しかないのです。
ですが、法令は違います。
法令は、国民に適用するために、国民に公開する必要があります。
また、嘘はつけません。
だって、国民に適用する必要があるから(笑)
法令で嘘をついたら、その嘘のほうが適用されることになってしまい、意味がありません。
だから、法令は国民に提示された唯一といってもいいくらいの、国がやってきたこと、やろうとしていることを正確に提示している、明確な判断材料になります。
前回の消費税の動画を見てみてください。
国税庁は消費税を価格に転嫁される間接税だと説明していますが、消費税法をみれば、どうかんがえても事業者に対する直接税であることがわかります。
国の説明は「信用するか、しないか」になりますが、消費税法では嘘がつけなかったでしょ?
憲法改正草案でも同じことです。
自民党のコメントを見てもらうとわかるように、威風堂々嘘の説明をします。
しかし、条文を偽ることはできません。
だから、法令を読めるようになることは、国の行いを判断する上で、重要な能力になると思います。
いや、別に正確に読める必要までは不要かなと思います。
というのも、解釈は分かれてくるものですし、「こういう危険性がある」といった、その法令があることによってどうなる可能性があるか、が考えられる程度読めれば十分だと思います。
いやいや、もう読むことすらも必要ないかもしれません。
今の時代AIがあります。
条文をコピペして、「この条文からどんなことが起こることが考えられますか?」みたいにきけば、結構教えてくれます。
細かい部分をみれば、変なところとかあったりしますが、僕みたいに解説しようなんて思わない限り、十分すぎるほどの回答をくれると思います。
要は、「法令に目を付ける」ということをしてほしいのです。
僕の解説だって、相当な時間と労力を割いて、間違いがないように気を付けていますが、間違っているかもしれませんよ?
それに、賢い人なら、ほとんど断定していないことにも気づいてもらえてると思います。
結局、あなた自身が法令を見てもらって判断したほうが確実です。
僕の解説は、あくまで興味をもってもらうきっかけづくり、という部分が重要な役割だと思ってます。
今は、全条解説ということで、1条1条みていってますが、全部終わったら、もっと気軽に見てもらえるような短めの動画も1つ作ってみるつもりです。
サムネイルは、動画中に出てきた「お母さん」が気に入ったので、そのままのイメージで作ってみることにしました。
自己満ですけどね。
いらすとやにいい画像があってよかったです。






