動画概要
危険回避はルールを知ることから~法の役割と分類について
今回のテーマは、法とは何か、その役割と分類についての解説です。法は私たちの日常生活に深く関わっており、トラブルを避けるためにも法を知っておくことは大切です。特に法律は、2000個以上あり、毎年新しいものが追加されたり内容が変更されたりするため、全てを覚えるのは難しいですが、基本的な役割を理解しておけば、問題が起きた際に適切に対応できるようになります。
法の役割
法には主に4つの役割があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1. 社会統制機能
社会統制機能とは、法が人々の行動をコントロールし、社会秩序を保つ役割です。例えば、他人の物を盗むと逮捕されたり、刑務所に送られたりする可能性があるため、私たちは盗みをしないという選択をします。このように、法が懲役や罰金といった罰を課すことで、私たちの行動を制限し、社会全体の安全を確保しています。
2. 紛争解決機能
法のもう一つの重要な役割は、紛争解決機能です。例えば、誰かがあなたの家に勝手に住みついた場合、法がなければ実力行使で相手を追い出すしかありませんが、法があることで裁判などの手続きを通じて争いを解決することができます。これにより、暴力による解決を避け、平和的に紛争を終わらせることができます。
3. 活動促進機能
法は人々の活動を促進する役割も担っています。例えば、家を購入する際に、所有権が法的に保護されていることが保証されていなければ、誰も家を買おうとは思わないでしょう。しかし、法があることで、安心して財産を持つことができるため、経済活動が活発になります。
4. 資源配分機能
法はまた、資源配分の役割を果たします。例えば、年を取ったり、病気や怪我で働けなくなった人々が社会で生活できるように、年金や福祉制度などの法が整備されています。これにより、収入を得る手段がなくなった人々が無理に犯罪に走ることを防ぎ、社会の安定を保つことができます。
法の分類
法は大きく分けて「自然法」と「実定法」に分類されます。自然法とは、時代や場所に関係なく存在する普遍的な法であり、例えば人権に関する考え方がこれに該当します。実定法は現実に運用されている法で、さらに「成文法」と「不文法」に分類されます。
成文法と不文法の違い
成文法は文章として明文化された法で、例えば憲法や法律がこれに該当します。不文法は文章として存在しない法であり、例えば国際慣習法や判例法がこれに含まれます。国際慣習法は、長年の慣習が法的な拘束力を持つようになったもので、例えば「公海自由の原則」がその一例です。
日本の法律と判例法
日本では、法律が基本的にすべての裁判において適用されますが、過去の裁判での判例も法的な影響力を持ちます。日本の法律体系では、制定法主義が採用されており、判例法には直接的な法的拘束力はないものの、最高裁判所の判例は強い影響力を持ち、裁判官はそれに従うことが多いです。
国内法の分類
成文法の中でも、特に国内法は以下のように分類されます。
- 憲法:国の最高法規であり、他の法がこれに反する場合、その効力は認められません。
- 法律:国会で制定される法で、憲法の次に位置します。
- 命令:行政機関が制定する法で、法律の範囲内で細かな規定を定めます。
- 条例:地方自治体が制定する法で、地域ごとに異なる規定が設けられることがあります。
まとめ
法は私たちの社会を安全で秩序あるものにするために存在し、その役割は社会統制や紛争解決、活動促進、資源配分など多岐にわたります。また、法には自然法と実定法、成文法と不文法の分類があり、それぞれの法が私たちの生活にどのように関わっているかを知ることで、より安全な生活を送ることができます。法律だけでなく、判例や監修法も理解することが、危険回避の第一歩です。
動画テキスト
キャラクター | セリフ |
ゆっくり霊夢 | やっほー。 |
ゆっくり霊夢 | あけおめあけおめことよろことよろ。 |
ゆっくり魔理沙 | ああ。あけましておめでとう、今年もよろしく。 |
ゆっくり魔理沙 | もう明けてだいぶ経ってるけど。 |
ゆっくり霊夢 | 去年もいろいろあったよねえ。 |
ゆっくり魔理沙 | そうか? |
ゆっくり魔理沙 | 誰かさんのせいで、
去年は大部分活動休止状態だったと思うが。 |
マネ | え?まだ根に持ってたの? |
ゆっくり霊夢 | まあまあ。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに私も去年暇だったからさ。 |
ゆっくり霊夢 | 私も今までの動画見返したりしてたわけ。 |
ゆっくり魔理沙 | ほう、霊夢にしては殊勝なことだな。 |
ゆっくり霊夢 | でさ、思ったんだけど、動画のほとんどの場合で『法律』
がかかわってくるよね。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ曲がりなりにも、うちのチャンネルは
『危険回避』をテーマにかがげてるんだから、 |
ゆっくり魔理沙 | 法律は無視できないよな。 |
ゆっくり霊夢 | そういえばそんなチャンネルだったなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | いくら暇な時間が長かったとはいえ、そこは忘れるなよ。 |
ゆっくり霊夢 | まあそれは冗談として、 |
ゆっくり魔理沙 | ほんとに冗談か? |
ゆっくり霊夢 | いらないトラブルに巻き込まれない
ためには、 |
ゆっくり霊夢 | やっぱ法律のことについて
知っておかないといけないよなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | そりゃ勉強しておくに越したことはないぜ。 |
ゆっくり霊夢 | でも、法律ってたくさんありすぎて覚えきれないよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 当たり前だろ。法律は2000個以上あるんだぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | それに毎年100個くらい増えていってるし、内容が変わる
ものだってある。 |
ゆっくり魔理沙 | それを全部覚えようなんて馬鹿のやることだ。 |
ゆっくり霊夢 | あ、侮辱罪。 |
ゆっくり魔理沙 | うるさい。 |
ゆっくり霊夢 | ひどい。 |
ゆっくり魔理沙 | 法律を勉強しようとするときに大事なのは、
法律を覚えることじゃなくて、 |
ゆっくり魔理沙 | 何かあったときに、関係する法律を調べて、その法律が
どう関わってくるのか理解できるようにしておくことだ。 |
ゆっくり霊夢 | と、言われましても。 |
ゆっくり魔理沙 | そこで、今回は霊夢みたいな法律アレルギーを持つ
初心者のための法律講座をやっていこうと思う。 |
ゆっくり霊夢 | 勝手にアレルギーって決めつけるな。 |
ゆっくり霊夢 | ていうか、ネタ切れしたの? |
ゆっくり魔理沙 | 決してネタ切れではない。 |
ゆっくり魔理沙 | ただただ私がやりたいからやるのだ。 |
ゆっくり霊夢 | Oh,go man(おお、傲慢) |
ゆっくり魔理沙 | 法律について話していく前に、
今回は法について触れていこうか。 |
ゆっくり霊夢 | え?『法』と『法律』って違うの? |
ゆっくり魔理沙 | 規模感が違う。 |
ゆっくり魔理沙 | 『法』っていうのは社会規範の中でも文章など明確な
形で存在し、強制力のあるものだ。 |
ゆっくり魔理沙 | そして、『法律』はその『法』の中のひとつなんだぜ。 |
ゆっくり霊夢 | ??? |
ゆっくり霊夢 | 『シャカイキハン』って何? |
ゆっくり魔理沙 | 何でもありのこの世の中で、人間の理性に訴えかけて、
『こんな風に過ごしたほうがいいよね』って |
ゆっくり魔理沙 | 決められたり、なんとなく決まってきたルールのことだ
と思ってくれたらいい。 |
ゆっくり魔理沙 | 図でまとめるとこんな感じかな。 |
ゆっくり霊夢 | そういう関係になってるのね。 |
ゆっくり魔理沙 | ここではざっくりとした説明だが、
深堀すると話が進まなくなる。 |
ゆっくり魔理沙 | 『法とは何か』なんて、はるか昔から今までずっと
議論され続けている話だ。 |
ゆっくり霊夢 | 難しい話なんだねえ。 |
ゆっくり魔理沙 | 次は、法が何をしてくれているかをみていこう。 |
ゆっくり魔理沙 | 法の役割については主に4つ言われている。 |
ゆっくり魔理沙 | 社会統制機能、紛争解決機能、活動促進機能、
資源配分機能の4つだ。 |
ゆっくり霊夢 | 漢字ばっかりでよくわからん。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、霊夢はなぜ他人の物を盗まないの? |
ゆっくり霊夢 | え? |
ゆっくり霊夢 | 盗まないと言ったことはないけど? |
ゆっくり魔理沙 | もう一度聞くな。 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢はどうして他人のものを盗まないの? |
ゆっくり霊夢 | そ、それは、逮捕されたり、
刑務所に行くのが嫌だからです、はい。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだよな。 |
ゆっくり魔理沙 | 法は懲役や罰金といった罰を科すことにより、
行動を制限し、コントロールしているわけだ。 |
ゆっくり魔理沙 | それを社会統制機能という。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに、『盗んじゃダメ』って決まりがないと、 |
ゆっくり霊夢 | みんなお互い盗み合い
になって落ち着かないもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | 実際盗んだ場合はもちろんだけど、
事前に決められているために、 |
ゆっくり魔理沙 | 『あ、物を盗むと刑務所にいかされるんだ』と
思わせることも、社会統制機能になるな。 |
ゆっくり霊夢 | 実際に刑務所に連れていかれるって
強制力があることもポイントになるね。 |
ゆっくり魔理沙 | 次に、紛争解決機能について。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、霊夢の家に、
勝手に誰かが住み着いてしまったとする。 |
ゆっくり霊夢 | そうなりゃまずは警察に通報するよね。 |
ゆっくり魔理沙 | 話の腰を折るな。 |
ゆっくり魔理沙 | 霊夢としては、自分の家なんだから、その誰かに
出て行ってほしいよな。 |
ゆっくり霊夢 | まあ、そりゃそうよ。 |
ゆっくり霊夢 | 仕方ないけど実力行使しかないか。 |
ゆっくり魔理沙 | 法がなければそうなってしまうだろうな。 |
ゆっくり魔理沙 | そうなるとケガする危険もあるし、 |
ゆっくり魔理沙 | おちおち家を離れるわけにもいかなくなるだろ。 |
ゆっくり霊夢 | まあ、安心して眠れもしないよね。 |
ゆっくり霊夢 | それに、追い出すだけじゃなくて、私が住めなかった
間分の家賃もきっちりもらわないと。 |
ゆっくり魔理沙 | だけど、その一方で、住み着いた誰か側から見れば、
住んでいる形跡はあるとはいえ、 |
ゆっくり魔理沙 | 誰もいない家を見つけて、持ち主がいるかどうか
ある程度見張った上で、 |
ゆっくり魔理沙 | 誰も帰ってこなかったから誰の物でもないと判断して
住みはじめたのかもしれない。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに、その通りなら自分の家だと決めて住み始める
のも仕方ない、、、のか? |
ゆっくり魔理沙 | そういう争いになった際に、実力行使をかけなくても
解決するようにする法の役割が、 |
ゆっくり魔理沙 | 紛争解決機能だ。 |
ゆっくり霊夢 | 法があることで血なまぐさい争いをしなくて済むように
なるわけね。 |
ゆっくり魔理沙 | まあそういうことだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 次は活動促進機能についてだ。 |
ゆっくり魔理沙 | さっきの話の続きで、いくら解決できるとしても、 |
ゆっくり魔理沙 | 頻繁に自分の家に誰かが住み着かれたらうんざり
しないか。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに。 |
ゆっくり霊夢 | 自分の家を持つのも嫌になっちゃうよ。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだよな。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、そうなると自分で家を買う人がいなくなって
しまわないか。 |
ゆっくり霊夢 | みんな賃貸に住めばいいだけじゃない? |
ゆっくり魔理沙 | あのなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | 誰も自分の家を持たないとなると、
大家さんすらこの世からいなくなって、 |
ゆっくり魔理沙 | 極端な話、家を建てる人すらいなくなってしまうかも
しれないって思わないか? |
ゆっくり霊夢 | そこまで考えてなかった。 |
ゆっくり魔理沙 | だけど、所有者として国から認められて、
公式な名簿に名前が載れば、 |
ゆっくり魔理沙 | 文句なしに自分の家だと主張できるというルールが
できたらどうだ? |
ゆっくり霊夢 | それなら、名簿に名前をのせさえすれば、
安心して家を持つことができるね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうやって、物の売り買いといった私たちの行動を
しやすくするような機能が活動促進機能だ。 |
ゆっくり霊夢 | 法律とか制限ばっかだと思ってたけど、
自由な行動をとりやすくしてくれる面もあるのね。 |
ゆっくり魔理沙 | 最後が資源配分機能だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 歳をとったり、体が動かなくなるような大けがを
負って働けなくなったら、 |
ゆっくり魔理沙 | 収入もなくなって
生活できなくなってしまうよな。 |
ゆっくり霊夢 | それは仕方のないことなんじゃない? |
ゆっくり霊夢 | 働かざるもの食うべからずっていうじゃない? |
ゆっくり魔理沙 | お前がいうか。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ、今はお前も比較的若くて健康だからそう思うかも
しれないが、 |
ゆっくり魔理沙 | 誰だって歳をとるんだし、 |
ゆっくり魔理沙 | お前だっていつ働けなくなるかわからないんだぜ。 |
ゆっくり霊夢 | そうかもね。 |
ゆっくり魔理沙 | もし収入がなくなったら、お前ならどうする? |
ゆっくり霊夢 | そりゃ誰かから奪い取るしかないね。 |
ゆっくり魔理沙 | 悲しいがそうなるよな。 |
ゆっくり魔理沙 | でも、お前みたいな奴がめちゃくちゃ増えたら、 |
ゆっくり魔理沙 | いくら刑務所にぶち込んでも
追いつかなくなってしまうだろ。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに増えすぎたらヤバいかもね。 |
ゆっくり魔理沙 | 法に強制力があるとはいえ、背に腹は変えられないって
無敵マンが大量に出現したら、 |
ゆっくり魔理沙 | 社会の統制がとれなくなってしまうよな。 |
ゆっくり霊夢 | 大混乱になるだろうね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうなることを予防するために、収入が得られない人
を助けるような制度をつくりあげるのも、 |
ゆっくり魔理沙 | 法の役割になるんだ。 |
ゆっくり霊夢 | 役割の話聞いてると、4つそれぞれバラバラの役割って
いうよりは、 |
ゆっくり霊夢 | なんとなく被ってそうだね。 |
ゆっくり魔理沙 | そうだな。 |
ゆっくり魔理沙 | 紛争処理機能が働くとそれが活動促進機能に
つながったり、 |
ゆっくり魔理沙 | 資源配分機能が働くと社会統制機能につながる
というように、 |
ゆっくり魔理沙 | これらの機能は相互に関連しているといえるな。 |
ゆっくり霊夢 | ところで、さっきの図を見ると、
法の中に法律があったけど、 |
ゆっくり霊夢 | 法律以外の法は何かあるの? |
ゆっくり魔理沙 | そういわれると思ってこれも図にしてみたぜ。 |
ゆっくり霊夢 | 準備がいいね。 |
ゆっくり魔理沙 | まず、法は自然法と実定法に分かれる。 |
ゆっくり霊夢 | なんか自然法の説明の『人間の自然の本性あるいは理性』
ってよくわからないんだけど。 |
ゆっくり魔理沙 | そこは気にするな。 |
ゆっくり魔理沙 | 深入りすると一生涯を軽く
賭けることになるかもしれない。 |
ゆっくり霊夢 | あ、これ答え出ないやつや。 |
ゆっくり魔理沙 | とにかく、『いつでもどこでも
守られるべき法』と思ってくれ。 |
ゆっくり魔理沙 | 一応いっとくと、
人権の考え方も自然法から生まれている。 |
ゆっくり霊夢 | ふーん。 |
ゆっくり魔理沙 | それより、平凡な私らが気にした方がいいのは、
現実に運用されている実定法のほうだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 実定法の分類は、文章にされているか否か、適用範囲が
一国の中だけか、複数国にわたるかで、 |
ゆっくり魔理沙 | 表のように分類される。 |
ゆっくり魔理沙 | 一番馴染みがあるのは、文章になっている法である成文法
の国内法じゃないか。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに憲法や法律はよく聞くもんね。 |
ゆっくり魔理沙 | それの国際版が条約だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 聞きなじみがあるのだと、日米安全保障条約や
ベルサイユ条約なんかが挙げられるな。 |
ゆっくり霊夢 | 聞いたことないんだけど。 |
ゆっくり魔理沙 | それ本当に言っているなら、もう一度
歴史を勉強したほうがいいな。 |
ゆっくり魔理沙 | 『1919(イクイク)ベルサイユ条約』って覚えただろ? |
ゆっくり霊夢 | それ大丈夫なやつ? |
ゆっくり魔理沙 | 何がだ? |
ゆっくり霊夢 | いや、わからなければいいや。 |
ゆっくり魔理沙 | 続いて、成分法と違って、文章になっておらず
わかりにくいのが不文法だな。 |
ゆっくり霊夢 | どっかに書いといてくれよー。 |
ゆっくり魔理沙 | 不文法であり、国際法でもあるものに
国際慣習法がある。 |
ゆっくり魔理沙 | ある行為について、国際的な慣行、
つまり古くから行われた習慣のようになっていると、 |
ゆっくり魔理沙 | 複数の国家の間で法的なものとして暗黙のうちに合意
され、いつしか世界のお約束のようになる。 |
ゆっくり魔理沙 | それが国際慣習法だ。 |
ゆっくり霊夢 | よくわからないけど、
そういう法があるのね。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、公海自由の原則なんかが挙げられるな。 |
ゆっくり霊夢 | なんか聞いたことあるような。 |
ゆっくり魔理沙 | 他に、外交官は警察に捕まらないなどの外交特権も、
ウィーン条約が採択されるまでは国際慣習法だった。 |
ゆっくり霊夢 | 外交官になれば、外国でやりたい放題かあ。 |
ゆっくり魔理沙 | お前が外交官になることはないと思うが、日本の恥に
なることはやめてくれ。 |
ゆっくり魔理沙 | じゃ、最後に残った不文法で、国内法なものを
みていこうか。 |
ゆっくり霊夢 | 法といったら、文章になっているイメージだったけど、
国内法でも不文法があるんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | 日本は裁判において成文法にのみに拘束されるという
制定法主義を採用しているから、 |
ゆっくり魔理沙 | 過去の裁判の例である、判例に法的拘束力が認められる
判例法は存在しない。 |
ゆっくり霊夢 | 法的拘束力? |
ゆっくり魔理沙 | 裁判とかで従わないといけない義務を
負わせる力みたいな感じかな。 |
ゆっくり霊夢 | つまり、日本だと判例には従わなくていいってことか。 |
ゆっくり魔理沙 | そういうこと。 |
ゆっくり霊夢 | でも、過去の動画でちょくちょく判例がどうとうか
よく言ってたよね? |
ゆっくり魔理沙 | そこは覚えてるんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 日本が制定法主義なのは、 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法76条3項に、 |
ゆっくり魔理沙 | 『すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を
行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。』 |
ゆっくり魔理沙 | とあることでわかる。 |
ゆっくり霊夢 | そうなの? |
ゆっくり魔理沙 | まあ、なんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 実際のところは、裁判所のトップである最高裁判所
の判断を無視するってわけにはいかないらしく、 |
ゆっくり魔理沙 | よほどのことがないか、裁判官がロックな奴でない限り、
最高裁の判例にならうことが多い。 |
ゆっくり霊夢 | 法では縛られなくても、
いろんなことで縛られているんだねえ。 |
ゆっくり魔理沙 | 裁判官のトップたちが集まる
最高裁判所には、 |
ゆっくり魔理沙 | 大法廷と小法廷って
あって、 |
ゆっくり魔理沙 | 大法廷は裁判官全員、小法廷は3人以上の裁判官
が話し合うスタイルなんだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 裁判所法10条では、判例を覆す
意見を出す場合には、 |
ゆっくり魔理沙 | 小法廷ではできないことに
なっている。 |
ゆっくり霊夢 | 判例を覆すのってハードルが
めちゃ高いんだね。 |
ゆっくり魔理沙 | 判例に法的拘束力がないはずだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | そのハードルの高さからもわかるように
重大なものとして受け止められているのがわかるよな。 |
ゆっくり魔理沙 | 言ってみれば日本は判例法主義風味の
制定法主義なんだわ。 |
ゆっくり霊夢 | そこまでいったらもう主義とも
いえないような。 |
ゆっくり魔理沙 | 私らにとっては、日本が制定法主義かどうかより
実際のところどうなのかのほうが大事だ。 |
ゆっくり霊夢 | それはそうだね。 |
ゆっくり魔理沙 | このことからいえるのは、 |
ゆっくり魔理沙 | 法律について勉強する場合は、法律だけじゃ
なくて、判例についても勉強する必要があるってことだ。 |
ゆっくり霊夢 | 手間あかけさせやがって。 |
ゆっくり魔理沙 | 次に、慣習法は、国際慣習法のところでも伝えたように
古くからの習慣が法的拘束力を持つようになることだ。 |
ゆっくり魔理沙 | とはいえ、憲法は『裁判官は憲法と法律だけ気にして
しごとせえ』と言っているわけだから、 |
ゆっくり霊夢 | 慣習法は存在しない、ってことだよね。 |
ゆっくり魔理沙 | わかってきたじゃないか。 |
ゆっくり魔理沙 | まあ形としてはそうなんだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 法律が慣習に対して法の力を与えている場合がある。 |
ゆっくり霊夢 | 法律が公式にバフかけてるの? |
ゆっくり魔理沙 | え? |
ゆっくり魔理沙 | 別に光沢でたりしないぜ? |
ゆっくり霊夢 | 何言ってるの? |
ゆっくり霊夢 | ゲームで魔法とかで
『能力強化する』って意味でしょ? |
ゆっくり魔理沙 | なんだそっちか。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば、民法263条では |
ゆっくり魔理沙 | 入会権について「各地方の慣習に従う」
としているし、 |
ゆっくり魔理沙 | 商法1条2項では、 |
ゆっくり魔理沙 | 『商事』について、法律の定めがない場合は
商慣習に従うとしている。 |
ゆっくり霊夢 | こんなはっきり書かれてるんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 法には紛争解決機能があるって話たろ? |
ゆっくり魔理沙 | 犯罪に関係ない上に、 |
ゆっくり魔理沙 | お互いに納得して解決する道があるのなら、無理に介入
はしないってスタンスじゃないか。 |
ゆっくり霊夢 | 面倒くさいから丸投げしたってことはない? |
ゆっくり魔理沙 | それは法律作った人に聞いてくれ。 |
ゆっくり霊夢 | じゃ話を戻して、 |
ゆっくり霊夢 | 表カムバーック。 |
ゆっくり霊夢 | 最後の条理って何? |
ゆっくり魔理沙 | 制定法も、判例法も、慣習法も何もないときに用いられる
最終兵器的存在だ。 |
ゆっくり霊夢 | おお、なんかかっこいい。 |
ゆっくり魔理沙 | 日本では民法1条2項の信義則なんかそうだな。 |
ゆっくり霊夢 | え?条文があるってことは成文法じゃない? |
ゆっくり魔理沙 | 待て待て。 |
ゆっくり魔理沙 | 民法1条2項には、 |
ゆっくり魔理沙 | 『権利の行使及び義務の履行は、信義に従い
誠実に行わなければならない。』 |
ゆっくり魔理沙 | とある。 |
ゆっくり霊夢 | そうしたらいいじゃない。 |
ゆっくり魔理沙 | じゃあ信義って何? |
ゆっくり霊夢 | え? |
ゆっくり魔理沙 | そうなるんだ。 |
ゆっくり魔理沙 | 信義の中身が不文ってわけだな。 |
ゆっくり霊夢 | じゃあどうするの? |
ゆっくり魔理沙 | まあ言ってしまえば裁判官次第だな。 |
ゆっくり魔理沙 | 極端な話、 |
ゆっくり魔理沙 | 『それは信義則に反するからダメ』 |
ゆっくり魔理沙 | という最強のジョーカー出しました的
判決が出せる可能性がある。 |
ゆっくり霊夢 | それなんか大丈夫? |
ゆっくり魔理沙 | あんましよくない。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、頼るものが何もないときの最終手段なんだ。 |
ゆっくり霊夢 | なるほど。 |
ゆっくり魔理沙 | 憲法でいうところの『良心』が試される、裁判官にとって
も大きな試練なのかもしれない。 |
ゆっくり魔理沙 | 法の分類についてはこんなところかな。 |
ゆっくり霊夢 | いやいやまだでしょ。 |
ゆっくり霊夢 | 肝心のところ説明してないわ。 |
ゆっくり魔理沙 | 忘れてたわ。 |
ゆっくり霊夢 | 成文法の国内法のところは
憲法や法律『など』ってなってるけど、 |
ゆっくり霊夢 | 憲法や法律以外に何があるの? |
ゆっくり魔理沙 | それについては表にしてきたぜ。 |
ゆっくり魔理沙 | そいや。 |
ゆっくり霊夢 | ちょっと。 |
ゆっくり霊夢 | 私隠れちゃったんだけど? |
ゆっくり魔理沙 | 仕方ないだろ?表が大きいんだから。 |
ゆっくり霊夢 | せめて真ん中にしてよ。 |
ゆっくり魔理沙 | 仕方ないなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | あらよっと。 |
ゆっくり霊夢 | これで平等でしょ。 |
ゆっくり魔理沙 | 自分たちに直接関わってくるのはこれらあたりの法だな。 |
ゆっくり霊夢 | こんなにあるんだね。 |
ゆっくり霊夢 | 表の左側に上位とか下位とかあるけど、
どうしてそんな上下が決まるの? |
ゆっくり魔理沙 | そのあたりは、表の右側の参考条文を見ればわかる。 |
ゆっくり魔理沙 | まず、憲法については、憲法が『国の最高法規』と
定めているから一番上。 |
ゆっくり霊夢 | 憲法に反する法律やらなんやらは
その効力を有しないって、最強すぎんか? |
ゆっくり魔理沙 | まあ最高法規だからな。 |
ゆっくり魔理沙 | これで、憲法より下にその他の法が並ぶことが確定する。 |
ゆっくり霊夢 | 2番手の法律は? |
ゆっくり魔理沙 | それは、法律以下の法の参考条文を見ると、 |
ゆっくり魔理沙 | 『法律の委任』や『法律の範囲内』など、法律が許さない
内容は制定できないようになっている。 |
ゆっくり魔理沙 | だから、法律が2番手。 |
ゆっくり霊夢 | ほうほう。 |
ゆっくり魔理沙 | あとは、それぞれ見ていけば、同じ感じで許される範囲が
上位の法に制限されているのがわかる。 |
ゆっくり魔理沙 | ちなみに、『命令』は行政機関によって制定される法な。 |
ゆっくり霊夢 | 確かに、府令は法律と政令に制限されてるね。 |
ゆっくり魔理沙 | ある程度の部分は法律で決めて、あとの具体的なところは
命令にゆだねるってパターンは、 |
ゆっくり魔理沙 | 今までの動画でも結構あったぜ? |
ゆっくり霊夢 | そうだったかなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | まあいいや。 |
ゆっくり魔理沙 | とにかく、自分に関わる法律を知っとこうと思うなら |
ゆっくり魔理沙 | 法律だけでなく、ここの表にあるような法も
調べないとまずいことになる、 |
ゆっくり魔理沙 | というわけだ。 |
ゆっくり霊夢 | なんと。 |
ゆっくり霊夢 | 法律を勉強するだけじゃダメなのか。 |
ゆっくり魔理沙 | 法律が命令に委ねるような文言があったら、
要注意だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 細かい基準だったりとかは、
けっこう投げてるぞ。 |
ゆっくり霊夢 | 世の中ものすごい数の
ルールの中で回ってるんだね。 |
ゆっくり霊夢 | って待って待って。 |
ゆっくり魔理沙 | どうした? |
ゆっくり霊夢 | 条例のところは、憲法で『法律の範囲内』ってなってる
だけで、 |
ゆっくり霊夢 | 政令とか省令とかの限定がないんだけど? |
ゆっくり霊夢 | これだと、法律の次が条例ってことにならない? |
ゆっくり霊夢 | しかも、政令が憲法で『罰則を設けることができない』
って注文出されてるのに、 |
ゆっくり霊夢 | 条例はそんな注文出されてないし。 |
ゆっくり魔理沙 | 確かに憲法だけ読んでいるとそんな風に読めちゃう
かもだけど、 |
ゆっくり魔理沙 | 地方自治法を見てほしい。 |
ゆっくり魔理沙 | 地方自治法14条は『法令に違反しない限り』『条例を
制定することができる』ってなってるだろ? |
ゆっくり霊夢 | ほんとだ、『法律』じゃない。 |
ゆっくり霊夢 | 『法律』と『法令』って違うの? |
ゆっくり魔理沙 | ああ。 |
ゆっくり魔理沙 | 『法令』ってのは、基本的には法律と命令の両方を
指す言葉だ。 |
ゆっくり魔理沙 | 場合によっては、他の法を指すこともあるけどな。 |
ゆっくり魔理沙 | 例えば行政手続法では法令の中に、条例及び地方公共団体
の執行機関の規則も含むと定義づけられている。 |
ゆっくり霊夢 | だから、『条例』は『命令』より下ってことか。 |
ゆっくり魔理沙 | そういうこと。 |
ゆっくり魔理沙 | あと、ちなみになんだけど、条例と規則の間には、 |
ゆっくり魔理沙 | 厳密にいうと、
政令と府令・省令のような上下関係はない。 |
ゆっくり魔理沙 | ただ、条例の委任によって規則が決まる場合もあるから、
若干条例のほうが上風味かな。 |
ゆっくり霊夢 | そういうもんなんだねえ。 |
ゆっくり魔理沙 | さて、長くなったし、『法』については
こんなもんでいいかな。 |
ゆっくり霊夢 | ところでさ、改めて考えてみると、 |
ゆっくり霊夢 | 物心ついたときから、なんとなく法律って従わないと
いけないものって思っちゃってるけど、 |
ゆっくり霊夢 | そもそも
どうして法律って従わないといけないんだろ? |
ゆっくり霊夢 | なんかいろいろ腑に落ちなくなってきたなあ。 |
ゆっくり魔理沙 | そこも深入りするとドツボにハマるポイントだけど、
次回はそのあたりも話していくか。 |
ゆっくり霊夢 | 頑張ってね。 |
ゆっくり魔理沙 | はあ。 |
ゆっくり霊夢 | 最後までご視聴ありがとうございました。 |
ゆっくり魔理沙 | それではまた次回! |
ゆっくり霊夢 | それではまた次回! |
編集後記
2024年1発目の動画です。
今年は新しいチャレンジからはじめました。
法律系の話については、結構考えると楽しいことが多いし、視聴者さんにとっても役立つこともあると思うので、
どこかのタイミングで今回のような講座チックなテーマを扱おうと考えていました。
とはいえ、専門家ってわけじゃないし、どういう切り口で入っていくか迷っていたので、いつも以上に慎重に内容をまとめていきました。
年末年始久しぶりに長く休めたおかげで、なんとか形にできてよかったです。
動画の反応次第では、テーマを広げていこうかなと考えています。
ぜひご意見ご感想あれば、このページでも動画にでもいいので、コメントください。
自分自身、動画をつくりながらかなり勉強になりました。
自分にとってやりたいことで、視聴者さんに喜んでもらえたらいいなあ。
サムネイルは、講座ということで教室にしようと最初は思っていました。
でも、画像を探しているうちに屋上の背景を見つけ、
『屋上の片隅でひっそりと行われている』って感じがなんとなくいいなあと思ってしまったので、見てもらうことよりも、遊びがメインになってしまいました。
でも、たまには再生数ばかり考えるんじゃなくて、自分のやりたいことをやってみないと、とてもじゃないけど続けてられないなとも考えています。
特に、今は自分自身の仕事に加え、資格の勉強やらなんやら、もうすぐ確定申告もやらないとだし、忙しさ満点です。
そんな中でも動画を作り続けていくために、僕も自分自身に甘いので、楽しみを自分自身に与えるという選択をとりました。
忙しいといえば、作った動画を使って、Short動画としてダイジェストを投稿するのをはじめました。
1つの動画は何十時間もかけて作っているので、ただ1回公開するだけじゃもったいないです。
過去の動画を言い方悪いですけど使いまわせれば、努力もさらに報われるし、新しい動画を作る時間がない合間の投稿頻度も上げることができるのかなと考えています(YouTubeがそれを投稿頻度があがったと受け取ってくれるかどうかは不明ですが)。
それに、ダイジェストを作るために過去動画を見返すことになるので、自分の作ってきた動画の反省をするいいきっかけにもなるかなと思います。
今回はこんなところで。
2024年もよろしくお願いします。